うちの車は古く、「がとらぼ」の人が初めて夏に乗ったときにもクーラーが大して効いてなかった記憶があります。それから放置期間を含めて8年、一度もエアコンのメンテナンスを行っていませんでした。先日、暑い日に乗ったところ、全く冷たい風が出ず、しかし車は温度を下げようとして全力でエアコンを動かすのでゴーゴーと風の音ばかりがうるさい状態でした。そこでエアコンのオイルと冷媒のガスを追加することにしました。
本来であれば真空引きしてオイルも可能な限り入れ替えるべきですが、乗り潰すつもりの車なので自分で追加するだけにします。

エアコン用のオイルとガスは車種によって使用できる種類が異なります。ネットで車の型番と共に検索すればどの種類を使えば良いかは簡単に知ることができますが、実際に車のボンネットを開けてエンジンルーム内のどこかに貼ってあるシールを確認する方が確実です。
うちの車はボンネットの裏面にシールが貼ってあり、オイルはND-OIL 8、冷媒ガスはHFC134aと書かれていました。ND-OIL 8というのは分かりにくいですが、PAGオイルだとのことです。おおまかには、エンジン車はPAGオイル、ハイブリッドやEV車はPOEオイルを使用するようです。ガスもおおまかには134a(旧)か1234yf(新)が使用されます。1990年代までの旧車だとCFC-12(R-12)というものもあります。オイルもガスも種類によって特徴が異なるため、指定されたものを使わなければなりません。
使用する冷媒ガスの充填量も書かれているので、その容量以下で必要な量を用意します。旧車や外車は大量に充填するものが多いようですが、最近の国産車だと多くは必要ないようです。

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オイルとガスを充填するためのホース(簡易ゲージ付き)、ガス(大きい缶)、オイル(小さい缶、少量のガスを含む)です。
このホースは、写真の右下側のカプラを車に接続し、左上の「ひねる」ハンドルが付いている側に缶を接続します。

左の大きい缶が冷媒ガス200gで、右側がオイルと少量のガスが入っています。
オイルの缶には目立つように書かれていませんが、缶のラベルにはPAGオイルであることとHFC-134aガスが含まれていることが記載されています。

オイルとガスの缶の一番上の中央部分は滑らかで密閉されており、その側面にはネジ山が切ってあります。

充填用のホースの缶を接続する側には、中央に先端が尖ったピンが飛び出ています。ここに缶を刺すとその瞬間にガスやオイルが吹き出してしまうため、ピンの反対側のハンドルをいっぱいまで緩めてピンを引っ込めます。

完全にピンが引っ込んだことを確認します。
エアコンオイルの追加

缶の口をねじ込みます。今回は先にオイルを入れてから後でガスを追加する予定なので、オイル缶を取り付けました。まだピンを刺さないようにします。

エンジンルーム内のパイプのどこかに「L」(低圧)と書かれたキャップと「H」(高圧)と書かれたキャップがあるので「L」のキャップを見つけて半時計回りに回して外します。キャップは無くしたり汚したりしないようにします。

キャップを外した状態です。キャップを外してもガスは漏れないようになっています。

充填ホースのエンジン側に接続するカプラは、一番外の輪を根元側に5〜10mmほど引き下げることで嵌めることができます。外すときも同様に、一番外の輪を引き下げます。
カプラはエンジンを止めた状態で接続します。ゲージには高い値が出ますが、エンジン停止中でコンプレサーが回っていないので異常ではありません。しかし、写真ではそれほど高い値ではないのはガスがすっかり抜けている可能性があります。

エンジンを止めたままで、ネジ込んだ缶を少し緩めると、ホースの中の空気が車からのガスに押されて「プシュー」と漏れてきます。ホース内の空気が抜ける程度に漏れ出たことを確認したら、缶を再び締め込みます。適度以上にきつく締める必要はありません。
エンジンをかけて、エアコンをオンにし、最低温度、風量最大にします。内気循環の方が良いという話もありますが、要はエアコンのコンプレッサーがよく回るようにすれば良いのです。このとき、アクセルとブレーキペダルに角材を挟んで、アイドリングより回転を上げておきます。1000〜2000回転程度。
エンジンがかかった状態で、ガス充填ホースのピンのハンドルを時計回りにいっぱいまで回し、ピンの先端が缶の口に穴を開けます。ピンが缶に穴を開けると感触が判るという人もいますが、「がとらぼ」の人にはほとんど判りませんでした。再びピンのハンドルを逆にいっぱいまで回して緩めます。このとき、オイルの缶は逆さにしてオイルがホースに流れ出やすくします。(次のガス缶は逆さにはしません)
オイルとガスが噴出すると、缶の温度が下ります。また、ゲージの針も低い値を指す筈です。
缶が空になると、冷たくなっていた缶が再び元の温度に戻ってきます。缶を軽く振って液体が無くなっているようであれば、オイルの充填は完了です。
エンジンを停止し、カプラを外し、エンジン内のパイプのLキャップを嵌めます。充填ホースに取り付けていた缶を外します。
エアコンガスの追加

充填用ホースのピンが完全に引っ込んだ状態で冷媒ガスの缶を充填用ホースに取り付けます。(オイルと同じ要領です。)
エンジン内の低圧バルブのキャップを外し、充填ホースのカプラを接続します。ゲージが高い値を示すことを確認し、缶のねじ込みを少し緩めてホース内の空気を抜きます。(エアパージ)
冷媒ガスの缶は上向きにしてエンジンルーム内で安定する位置に置きます。

エンジンをかけてエアコンをオンにします。最低温度、風量最大、内気循環、アクセル1000〜2000回転程度。
充填ホースのピンのハンドルをいっぱいまで締め込み、缶に穴を開けます。そして逆にいっぱいまで緩めてガスが出るようにします。このとき、冷媒ガスの缶は縦に振ったり逆さにしないようにします。これは、ガスが液体の状態で流出しないようにするためですが、神経質になる必要はないかもしれません。

液体だった冷媒がガスになって缶から出ることによって缶が非常に冷たくなります。缶より一回り以上大きな何かの容器に50℃程度のやや温かいお湯を用意し、冷媒ガスの缶の下半分が浸かるようにします。これで、何もしないよりはガスの充填が速くなります。缶が冷たくなく缶を軽くゆさぶって液体が残っていないようであれば充填完了です。熱いエンジンに触れないよう注意して低圧パイプを触り、冷たくなっていることを確認します。充填ホースのカプラを外し、忘れずにLキャップを取り付けます。
終わりです。
もしも、ガス缶に液体の状態で残っている場合は、冷媒ガスを空気中に放出するのは違法なので車の整備屋さんやガスステーションに持って行って処理してもらいます。このとき、充填ホースのハンドルを締め込みピンをいっぱいまで押し込んだ状態で塞いでおきますが、徐々に漏れるかもしれないので早めに処理してもらってください。
今回は、車の低圧パイプ側だけに接続する簡易充填ホースにおまけのゲージが付いたものを使用しましたが、低圧ゲージだけを見ても入れすぎが判りません。本来はマニホールドゲージという3本のホースと2つのゲージが付いた器具を使用し、高圧のゲージでも充填状態を見るのが正しい方法のようです。今回はガスが殆ど抜けているという「根拠のない予想」で200gのガス1缶とオイル缶の少しのガスを入れましたが、これはうちの車で充填できるガス量の半分以上なので予想どおりにガスが多く抜けていなければ入れすぎです。入れ過ぎはコンプレッサーだけでなくコンデンサ、レシーバタンク、エキスパンションバルブ、エバポレータ、配管のつなぎ目などの負荷を高くして時間をかけて壊す可能性があります。
「充填ホースにゲージが付いてるんだからそれで圧力を見れば入れすぎ判るんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、判らないんですよ?エアコン稼働状態でガスを補充しますが、低圧側は吸ってる状態なので本来の圧力よりだいぶ下がります。しかも低い値のままを指すことが殆どです。それでゲージが50psi(適正と入れすぎの境)を超えるようだともうとんでもなく入れすぎだと思われます。ご注意ください。
結果
かなり冷えるようになりました。エアコンの吹き出し口から出る風が「温かい風」から「明らかな冷風」になりました。また、車内が冷えてくると適度にコンプレッサが停止する時間が発生するようになりました。(正常)
ただし、吹き出し口から出る風が冷たすぎて、かざした手が痛いというほどではありません。もう少しガスを多く足しても良かったのかもしれませんが、これ以上は入れすぎが判らないため今回はこれで終わりとします。


