Nexus Root Toolkit

Nexus Root Toolkitはブートローダのアンロックやイメージファイル焼き、ルート取得などを含めNexusデバイスを簡単にいじり回すことが可能になる便利なGUIツール。 Windows用やLinux用がある。この記事ではWindows用で。NRTと省略して呼ばれているのでこの記事でも以下NRTと書く。

Nexus S,Nexus 4,5,7,10などNexusの名前が付く機種に対応している。
Android SDKなど開発環境を用意する必要がないので開発者でない人はNRTをWindowsにインストールするだけのこちらの方が良い筈。
Nuxus7 2013の場合はXDAの[Toolkit] Wug's Nexus Root Toolkit v1.9.3 [Updated 10/28/14]: Nexus 7 (2013) Threadのスレッドに情報があるので対応状況や不具合情報を注視する。他のNexusデバイスでもXDAのそれぞれの機種のデベロッパーフォーラムにNRTのスレッドがある筈。使っている機種とファームウエアの組み合わせでNRTの動作に問題があると思ったらフォーラムを覗くと解決が早くなるかも。
WugFreshのサイトからNRTの最新版をダウンロードしてインストール。2014年11月16日現在はv1.9.7が最新。

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インストールはダウンロードしたファイルを実行するだけ。

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インストールが完了したらNRTを実行する。Your model typeの画面が出たら使用しているNexusの機種名とAndroidのバージョンの選択。
Nexus7 2013モデルの場合はWi-FiモデルとMobile Tabletモデル(LTEモデルのこと)があるので間違わないよう選択すること。 Select the android bulid you are currently欄で選択するのは「現在Nexusデバイスに入っている」OSバージョンとビルド番号。「これから更新したいバージョン」ではないので気をつける。ビルド番号はAndroidの設定画面の「タブレット情報」に表示されるもの。
選択が終わったら[Apply]ボタンを押す。

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Nuxusデバイス側の準備を促されるので以下を実行。
なお、NRTのメニューからNexusデバイスを操作する時にはここに表示された全項目の条件を満たした状態になっている必要があるが、NRT起動時の時点では必須ではないので無視して[OK]を押しても構わない。

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Androidの「USBデバッグ」て何?という場合は恐らくデベロッパーモードを有効にしていない筈。Androidの設定画面で「タブレット情報」を選択。それは済んでいるという場合は「開発者向けオプション」を選択し次の次へ。

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一番下の「ビルド情報」を7回連打。現在のファームウエアを入れてから過去に実施していれば「ビルド情報」を押した時にこの画面のように「必要ありません。すでにデベロッパーです」と表示される。ファームウエアを入れ替えた(バージョンを変えた)場合は再度実行の必要がある。

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Androidの設定画面で「開発者向けオプション」を選択し、「USBデバッグ」の項目にチェック。(開発者オプションもオン)

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Android5.?までの設定画面では「ストレージ」を選択し一番右上の3つの四角をクリック。なお、Android6.0からは設定のストレージの画面でのモード変更がなくなりステータスバーを下にスワイプして選択するようになっている。

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Android4.?の一時期のバージョンでは「メディアデバイス(MTP)」「カメラ(PTP)」どちらもチェックが無い状態する。1回チェックを付けて10秒待ってからもう一度チェックを外すのも良いかも。
Android5.?ではMTPにチェックが有りの状態でないと機能しない(場合がある)。
Android6.0ではステータスバーを下にスワイプしてUSBの項目からMTPモードを選択する。

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AndroidデバイスをUSBケーブルでPCに接続する。「このパソコンのRSAキーのフィンガープリント」がなんちゃらという画面が表示される筈なので「このパソコンからのUSBデバッグを常に許可する」の四角にチェックを入れて(←これ重要)から[OK]を押す。 NRT側のOKを押す。

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NRTを初めて実行する場合や何か更新があった場合はこのような画面が出る。[Download+Update All File Dependencies]ボタンを押すと必要なファイル、更新ファイルが自動的にダウンロードされる。

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NRTのメインメニュー。初めて使用する場合だけでなくこのツールでAndroidデバイスを操作する場合は最初に必ず右上の赤矢印で示しているボタンを押す癖をつける方が良い。Nexusデバイス用のドライバのインストール関係のメニューに進む。

本来ならドライバは1回インストールすれば以降はずっと正しく使える筈だが、Windowsの場合はUSBデバイスをアレコレ接続すると使えていた筈のUSBデバイスが正しく認識できない状態になることがある。NRTを使うときはできれば毎回このメニューからドライバのテストを実施して正しく動くことを確認してからNexusデバイスを操作するのが安全。

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この手のことが初めての場合はまだNexus用ドライバをインストールしていない筈なので上のタブから[Step 3]を選択する。かなり前にNexus用ドライバを入れたけど最近はNexusデバイスをPCに繋いでも認識しないと場合は右下[Launch USBDeview]を押す。

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こちらはUSBDeviewを実行した画面。ここにあまりにも大量に出てくる場合は過去にあれこれとUSBデバイスを繋ぎ過ぎ。明らかに使っていないUSBデバイスなどが表示されていたら選択して削除すると調子が悪かったものも正しく使えるようになることも。AndroidだのNRTだの関係なくこのツール自体がかなり有用なのでUSBがおかしいなという場合はこれを利用するのがお勧め。
いっぱい表示されたけどよく解らないなら、かなり乱暴な方法だがPCからUSBコネクタに刺さっているものをマウス以外全て外した後にUSBDeviewを実行してリストの全てを選択して削除、抜いたUSBデバイスを挿すと再認識していく。この方法はWindowsがしこたま抱え込んでいる過去に接続したUSB情報をまっさら綺麗にできるのでオススメ。
なお、NRTを実行の度に必要な作業ではない。USBの調子が悪い場合やNexusデバイスが認識できない場合だけで十分。

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ステップ3を選択した場合はこの画面。右の中段に推奨が表示されているので番号を確認する。大抵は#1の筈なのでDriver Solution #1(左側中段)の[Google Drivers]ボタンを押す。違う番号が推奨されている場合はその番号のDriver Solutionのボタンを選択。

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[Google Drivers]を押した場合はこの画面。[OK]を押す。

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[次へ]を押す。

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[インストール]を押す。

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暫くしてこの画面になったら[完了]を押す。

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NRTに戻り、[Step 4]のタブを選択。インストールしたドライバが正しく使えるのか確認する為にテストを行う。NexusデバイスをUSBケーブルでPCに接続。
[Full Driver Test]を押す。

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何かが正しくないとこの画面になる。

  • AndroidデバイスがUSBケーブルでPCに接続されていない
  • Androidデバイス側でUSBデバッグモードを有効にしていない
  • AndroidデバイスをPCに接続した時にAndroid側の画面に表示される画面でPCからのデバッグを可にしていない
  • Androidの設定でストレージのMTPが選択されていない(一部のバージョンは逆にMTP有効ではダメ)
再チェックするには画面下の[OK]を押す。正しく認識されればこの画面は出なくなる。

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上の画像はテスト中の画面の一つ。Android(Nexus)デバイスが認識されるとデバイスの確認などが始まる。Nexusデバイスの再起動などもあり時間がかかるので暫く待つ。

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この画面が出ればNexusドライバは正常。安心してNRTの各種機能が使える。

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ブートローダーのアンロックを行う場合は赤矢印の[Unlock]ボタンを押す。各種イメージファイルを焼いたりする場合は必要。このアンロックは1度行えばファームウエアを更新しても再実行は不要。(再度ブートローダーをロックした場合を除く)

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Googleから提供されるファクトリーイメージファイルの焼きこみを行う。
公式ファームウエアのバージョンアップ・バージョンダウン・同じバージョンの再インストールする場合は赤矢印の[Flash Stock + Unroot]を実施。
既にRootを取っていてもGoogle提供のファームウエアを焼くとOSが初期化されるのでRoot取得状態ではなくなる。

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Flash Stock + Unrootを実行するとこの画面。焼きたいファームウエアのバージョンを選択する。[OK]を押す。
NRTが自動的に選択したバージョンのファクトリーイメージファイル(ファームウエア)をGoogleからダウンロードするので自分で用意する必要はない。

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2015年9月17日追記: こちらNRT2.0.5のFlash Stock + Unrootの実行画面。書き込みたいファイルを選択することろは同だが、下の方のSettingsに「No Wipe Mode」が追加になっている。NRTでのファームウエアの書き込みは基本的にユーザーデータの全消去を伴うが、この項目にチェックを付けるとユーザーデータを残してファームウエアを書き込む。このモードの使用は非推奨だが、どうしてもユーザーデータを残してファームウエアを焼きたい場合に使用する。

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Googleから提供されるイメージファイルを焼いた場合は別途Root化も行う。もちろんRoot化したくないなら以下は無視。NRTで[Root]を押す。このとき「Custom Recovery」にチェックした状態で実行するとTWRPがインストールされてRecoveryモードが多機能になる。

なお、Nexus端末側はこの記事前半の手順と同じくUSBデバッグをオンにしてMTPを選択(有効に)する(一部古いバージョンは逆)。

Android5.0.?だと途中で固まって処理が進まなくなる。
NRT側で「Waiting for your device..」のポップアップが出たまま、且つNexus側の画面の中央でドロイドが腹のフタを開けて横たわり上の方に大きく「Start」が表示されボリュームボタン上下/電源ボタンを軽く押しても何も反応が無い場合がそれにあたる。
電源ボタンを10秒以上画面が消えるまでずっと押し続ける。もう一度2秒程度画面が付いてGoogleロゴが表示されるまで電源ボタンを押す。そのまま放置。USBケーブルは外さない(電源再オン直前までは一時的に外しても構わないがオンする時に必ず繋いでおくこと)。するとroot化処理が進んでいくので暫く待つ。その際にNRT側で「Waiting for your device..」が消えてタイムアウトのポップアップになった場合は[OK]を押して継続。

Android6.0ではルート化の実行時にNexusデバイス側がTWRPの画面になりNRTの画面にファイルを3,4つ選択して書き込むよう指示が出る。書き込む為のファイルはとの時すでにNexusデバイス側に書き込まれているのでTWRPで表示されたディレクトリを探してファイルを選択する。画面キャプチャ取得したのを誤って削除してしまったので、画像は無い。

2016年5月5日追記:
Android6.0.1のどの段階でかは不明だが、ルート化の作業が6.0時より簡単になった。ファイルの選択インストールは不要になりTWRPの画面になったらスライダーを一番右までスライドしたら後は眺めるだけ。(下の画像参照。なお下部の赤い右矢印は実際には表示されていない)
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(追記ここまで)

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NRTのメインメニューの左下Advanced Utilitiesの[Launch]ボタンを押すとこの画面になる。いろいろ出来るが、公式ファームウエアを焼くだけならこのメニューの内容は全く不要かも。

何かやらかしてしまってOSが起動しなくなった場合はファクトリーイメージを再度焼くことで復活できる可能性がある。
NRT側は上と同じく[Flash Stock + Unroot]を実行するが、OSが起動しないAndroid端末側は電源ボタン10秒長押しで電源を切り、ボリュームボタン(下)を押しながら電源ボタンを2秒長押して電源オン。これでファクトリーイメージを焼ける状態になる。これで復旧できないようならNRTのAdvanced Utilitiesの方からやることになるでしょうが・・・直るかな?

ツールを使うのは簡単だががPCとNexusが正常に通信できることが必須。Nexusドライバが正しく機能することを油断せずに確認。

NRTで何か実行中にNexusの画面に確認要求や何かの実行を求める表示が出ることがあるので画面が消えてしまわないようにディスプレイの設定でスリープまでの時間を30分にしておくとよい。

当然だが自己責任で行うこと。

2016年5月9日追記:
MTPモードの有効/無効について記事中の記載がAndroid4.?の頃のままで紛らわしかったのでAndroid5.?/6.?に適合するよう書き換えた。
書いた本人が読んでも意味不明な箇所を修正した。