家で使っているPCモニタがFull HD(2K)の古いものばかりということで新しいモニタが欲しいんだけど、これから買うなら2Kでなく4Kを考えるかな。しかし、4Kのモニタは意外と高い。何故か地デジ/BS/CSチューナー付きの4Kテレビの方が圧倒的に安い。もちろん、パネルの種類だとか全体的な品質に差があるのだろうが。
PCモニタとしては30インチ以下のモデルが複数あるが、それはちょっと4K表示では小さすぎていろいろ厳しい。そこで30インチ以上を探すと30インチ台は32(31.5)インチ以外ほぼ存在しなくて次は43インチでしかも高い。逆に4K対応テレビは30インチ台までがほぼ(全く?)存在していなくて40インチから。そして価格で見ると大4K対応テレビがとても安い。モニタを3枚4枚並べて使うということであれば27インチのような小型も選択肢としてアリかもしれないが、モニタ1枚しか使わないとか脇にもう1枚置くかも程度であれば許容範囲でなるべく大きいのを選択する方が不満が少ない筈。表示される文字が小さすぎて読むのに苦労するんじゃ話にならないしね。スケーリング?なにそれ美味しいの?
そこで、テレビとしての性能は重視せず、PC用として4Kテレビを買うならどれが良いか2020年6月上旬時点の安価な製品で比べてみた。
対象機種の条件- PCモニタ用途なので50インチ以下とする
- 50インチ以下で同シリーズに複数サイズの機種ある場合は40インチ前半の機種とする
- PCモニタ用途なので解像度については厳しく見る
- テレビ視聴もオマケ程度で一応考えるが、4Kチューナーについては原則不要とする
- 低価格帯モデルのみとする。(実売5万円程度まで)
- 低価格帯モデルの画像エンジン/HDRについては謳われていても期待できないし使わないのでどうでもいい
- 画面ガラス表面の処理については考慮しない、アラン・ドロンが映り込んでも驚かないので
TCL 43K601U/43K600U

販売価格: 26,800 円
(2021年01月28日 6:00時点の参考価格)
スペック | この機種 |
---|---|
画面サイズ | 43インチ |
パネル種類 | VA液晶 |
解像度 | 3840 x 2160(本物) RGB |
応答速度 | 8 ms |
バックライト | エッジ型LED |
チューナー | 地デジ x 2 / BS x 2 / CS x 2 4Kチューナー非搭載 |
VOD | 非対応 |
HDMIポート | HDMI2.0 x 2 (ARC対応 x 1) |
USBポート | USB2.0対応 x 1 |
LANポート | RJ45 x 1 / 無線LAN 無し |
他ポート | ヘッドホン出力 x 1 光デジタル音声出力 x 1 ビデオ音声入力RCA(黄赤白) x 1 |
画像エンジン/HDR | HDR10 |
スピーカー | 8W + 8W |
消費電力 | 90W(定格) / 年間消費電力 1139kWh |
重量 | 8.6kg / 8.4kg(脚無し) |
壁掛け | VESA 200 x 200mm |
価格 | 28,900円 (2020年6月4日) |
他 |
TCLは日本では有名ではないようですが、2018年の世界テレビ市場シェアで第2位の会社です。あまり誠実な商売をしているとはいえないサムスンが順調にシェアを落としているのでシェアで逆転する日も遠くないのではとさえ思えるほどです。個人的には2Kは韓国、4Kは中国と思っています。まぁ米中対立激化でどうなるか判りませんが。
中華テレビだからというだけではバカにできるものではありませんが、TCLがシェアを伸ばした大きな理由が「安いから」というのはアタマの片隅にでも置いておいた方が良いでしょう。
と、いうことで、43K601U/43K600Uは、安い4K対応テレビでしかも解像度詐欺ではない本物4Kパネル採用の中では最も安いモデル(の1つ)です。43K601Uと43K600Uの違いは脚の色だとのこと(未確認)。その割に価格差があるのが不思議です。バックパネルに関する初期不良のレビューが複数あり品質が心配になります。Amazonで5年保証を付けようとするとAmazon販売分を購入するしかないため28,900円ではなく3万ちょっとの販売価格に保証料2,000円未満程度が必要となるので3万2千円超えとなります。保証を付けて買おうすると際立った安さが少し褪せるかも。
HiSense 43F68E

販売価格: 37,875 円
(2021年01月28日 6:00時点の参考価格)
スペック | この機種 |
---|---|
画面サイズ | 43インチ |
パネル種類 | VA液晶 |
解像度 | 3840 x 2160(本物) |
応答速度 | 8ms |
バックライト | 直下型LED |
チューナー | 地デジ x 2 / BS x 2 / CS x 2 4Kチューナー非搭載 |
VOD | 非対応 |
HDMIポート | HDMI2.0 x 4 (ARC対応 x 1) |
USBポート | USB2.0対応 x 1 + USB3.0対応 x 1 |
LANポート | RJ45 x 1 / 無線LAN無し |
他ポート | ヘッドホン出力 x 1 ビデオ音声入力(独自) x 1 |
画像エンジン/HDR | HDR10 / HLG |
スピーカー | 7W + 7W |
消費電力 | 100W(定格) / 年間消費電力 99kWh |
重量 | 8.3kg / 7.9kg(脚無し) |
壁掛け | VESA 200 x 200mm |
価格 | 37,980円 (2020年6月4日) |
他 | miniB-CASカード メーカー3年保証 |
中国Hisenseの最廉価モデルです。かつてレグザを販売していた東芝がバラバラに分解して墜落中の2018年に、テレビ事業の東芝映像ソリューションのほぼ全てを売却した先がハイセンスです。東芝レグザの美味しいところを吸い尽くしたのでその技術が使われてそうなものですが、この最廉価モデルには特に何も使われてなさそうです。廉価モデルは映像関係の制御チップがソシオネクストというネット情報をチラリと見た記憶が。上位モデルとの差別化のためこれは仕方ないところでしょう。
このモデルは細ベゼルなので安っぽく見えません。HDMIのポートは4つあります。サブピクセルがRGBで解像度詐欺もなさそうです。直下型バックライトにより画面中央が暗くなるのを防げそうです。(良いことばかりでもなさそうですが)
2Kから4Kへのアプコンは残念ながらあまり良くなさそうなので内蔵チューナーで映し出すテレビ映像は期待できませんが、4K対応のPCやゲーム機の映像はそれなりに期待できそうです。テレビとしての画質と性能を求めるのであればHisenseでは中位以上の機種を購入するのが無難でしょう。
ドンキホーテ LE-501QC4KN-BK

スペック | この機種 |
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画面サイズ | 50インチ |
パネル種類 | 液晶 |
解像度 | 3840 x 2160(本物) BGR(RGBとは逆並び) |
応答速度 | 不明 |
バックライト | QLED |
チューナー | 地デジ x 1 / BS x 1 / CS x 1 4Kチューナー x1 |
VOD | 非対応 |
HDMIポート | HDMI2.0 x 4 (ARC対応 x 1) |
USBポート | USB(不明) x 1 |
LANポート | RJ45 x 1 / 無線LAN無し |
他ポート | ヘッドホン出力 x 1 光デジタル音声出力 x 1 ビデオ音声入力(RCA) x 1 |
画像エンジン/HDR | HDR10 / HLG |
スピーカー | 10W + 10W |
消費電力 | 134W(定格) / 年間消費電力 134kWh |
重量 | 11.5kg / 11.0kg(脚無し) |
壁掛け | 不明 |
価格 | 49,800円 (2020年6月4日) |
他 | ドンキ長期保証は本体価格3〜5万円で別途3年3000円、5年5000円 |
ドンキホーテが2020年5月15日より販売を開始したバックライトがQLEDの液晶テレビで、4Kチューナー搭載の50インチモデルが49,800円という破格の安さを実現しています。 QLEDのパネルは台湾のInnolux製で掲示板(5ch)に上げられているパネルの拡大写真が上下逆でなければサブピクセル並びは整然としたBGRです。PC用モニタとして使用するにはフォントレンダリングの設定でBGR並びに設定する必要があるということです。韓国S社L社の社外向け安モノパネルではないという点でも解像度詐欺ではなさそうです。廉価テレビの中ではとても良い選択肢になりえそうですが、小型モデルが50インチで消費電力が定格134WなのでPCモニタとしては大物すぎるキライはあります。部屋置きのテレビとしても魅力的ですが、チューナーが各シングルという点で4Kチューナーを省いてでもそこだけはケチるべきではなかったかなぁという残念感があります。PCモニター用として使う人にとっては重視するポイントではないかもしれません。HLGについては非対応という情報がネット上にありますが、製品パッケージ(外箱)には対応と謳われています。(4Kチューナー内蔵なら対応だよね?)
FUNAI FL-43U3020

スペック | この機種 |
---|---|
画面サイズ | 43インチ |
パネル種類 | VA 液晶 (未確認) |
解像度 | 3840 x 2160 (未確認) |
応答速度 | 不明 |
バックライト | エッジ型LED (未確認) |
チューナー | 地デジ x 2 / BS x 2 / CS x 2 4Kチューナー非搭載 |
VOD | 非対応 |
HDMIポート | HDMI2.0 x 4 (ARC対応 x 1) |
USBポート | USB(不明) x 2 |
LANポート | RJ45 x 1 / 無線LAN無し |
他ポート | ヘッドホン出力 x 1 光デジタル音声出力 x 1 ビデオ音声入力(RCA) x 1 |
画像エンジン/HDR | Clear Pix Engine 4K / HDR10 / HLG |
スピーカー | 10W + 10W |
消費電力 | 82W(定格) / 年間消費電力 105kWh |
重量 | 8.3kg / 8.0kg(脚無し) |
壁掛け | VESA 300 x 200mm |
価格 | 43,700円 (2020年6月4日) |
他 | miniB-CASカード / ヤマダ5年無料保証付き |
FUNAIのテレビはヤマダ電機で購入できます。目立たず話題にもなりませんがスペック・価格共に魅力的なモデルです。パネルの詳細は不明ですが、おそらくオレオレ4K詐欺ではないと思われます。ここはハッキリして欲しいところですが何故か隠しています。そのせいで怪しいのですが。ロットによって違うパネルが使われる可能性があったりするのでしょうか。省エネ性では50インチモデルが驚異的で、43インチ版より定格消費電力が1Wしか高くなく、年間消費電力量では何故か43インチ版より低くなっています。(他の機種を含めておかしくないでしょうか?)
今回は4機種だけ。TCLとHisenseは他にも実売価格5万円以内で購入できる機種があります。日本ブランド・日本の商社が販売している4K対応/4Kチューナー内蔵テレビの内、廉価モデルでIPSパネル搭載の場合は、残念ながら殆ど(全て?)でL社の解像度詐欺パネルが使われていると思って良さそう。斜め横から見たときにも色が正しく表示できるという点ではIPSパネルの方が良い部分もありますが、解像度詐欺パネルはPC用としては致命的にダメなので、安いのにIPSパネルと書かれていたら相当疑ってみるのが良さそうです。
今回の4機種は全てVOD非対応ですが、個人的にはVODはTV Boxと言われる商品を別途買う方が良いと考えています。TV内蔵ものは更新による劇的な進化が期待できないし、そもそも出来の悪いものもあるので価格差があるのにTV内蔵がハズレだったら残念すぎるでしょ。TV Box自体は2,3千円からあるのでそれくらいなら気に入らなきゃ気軽に買い換えられるしね。