Orange Pi Zero2のケースをシール容器で作ってみた

Orange Pi Zero2を購入したのだが、これは今のところ専用ケースの販売が無い気付いてなかっただけで、2021年1月7日に透明樹脂のケースが出てたらしい。基板むき出しでも使えはするが、やはり何かしらのケースが無いと置き場所に困るしホコリまみれも良くない。そこで、ケースを作ることに。以前はAliExpressなどでアルミエンクロージャを購入して穴あけをしていたが、近頃はアルミケースの類は送料が地味に高くて買う気になりにくい。今回は、できるだけ安くということで100円ショップで販売されているプラスチックのシール容器(俗に呼ばれるタッパー)。4個セットで100円(税込み110円)なので1つなら25円(27.5円)。安くて良いね。見た目は悪いけど。

Orange Pi Zero2のケースを作る 1
今回利用するのは写真のシール容器。4個セットだけど2つは既にネジ入れなどに使用済み。ラベルに書かれているサイズがw85 x d66 x h31mmとなっているが、これでOrange Pi Zero2のケースとしては縦は1mmの余裕もなく、横は頑張れば1mmほどズラすことができる程度。なんか、Orange Pi Zero2を入れるために作られたのではないかというほどぴったりサイズ。

Orange Pi Zero2のケースを作る 2
USBのType-AとType-C、LANポートの位置にテキトーに印を付けて、そこにドリルでこれまたテキトーに穴を開ける。他に、microSDカードのスロットとアンテナ端子、ヒートシンクに排熱するための銅ブロックの穴も開ける。

Orange Pi Zero2のケースを作る 3
ドリルで穴を開けた後は、彫刻刀の「小刀」を使う。これ以外は要らない。刃が毀れると良くないので彫刻刀はあまり研がない方が良いかも。カッターナイフは危ないので使わない。先にドリルで穴を開けると書いたが、小刀なら力を入れればシール容器のプラスチックくらいは貫通できる。ただし、この手のシール容器は一点に力が集中すると簡単にバッキリ割れるので小刀で貫通させるようなことはしない方が間違いがない。また、ドリルで開けた穴から、いきなり目的のサイズに穴を拡げるのではなく、0.5mm〜1.5mmずつ薄く削り取るように穴を拡げてゆくと力も要らずサクサク削りやすい。

Orange Pi Zero2のケースを作る 4
これは背面側、印どおりに穴を開けたのだが、そもそも印の付け間違い。シール容器のフタに近い側の「でっぱり」の高さに基板がくる予定で作るつもりだが、それなら写真の向きであればmicroSDカードは基板の上側なのに穴を開ける側を間違えていた。まぁ、穴を開けてしまったものは仕方がないので正しい位置にもう1つ穴を開けることにする。また、アンテナ端子用の穴も開ける。これはピンヘッダ等の邪魔にならなければ何処でも良いかと。

Orange Pi Zero2のケースを作る 5
正面の各種端子が並ぶ側にも穴を開けた。micro HDMI端子は使う予定がないので穴は無し。USB Type-Cだけはケーブルのプラグとシール容器の「でっぱり」が干渉するのでそこだけ「でっぱり」を削り取る。

Orange Pi Zero2のケースを作る 6
Orange Pi Zero2には最初からWi-Fiアンテナが接続済みだが、Orange Pi Zero2技適は取得していないのでこれは当然日本では使用NG。そこでIPXとSMAの変換ケーブルにつなぎ替える。

Orange Pi Zero2のケースを作る 7
Orange Pi Zero2のSoCであるH616は正方形ではなく長方形だが、15 x 15mmの銅パッドで問題なさそう。それを熱伝導テープでSoCの上面に貼り付ける。銅である必要はないが、なにかしらの熱伝導パッドが無いと周囲のチップ等と干渉するので次の銅ブロックを載せられない。

Orange Pi Zero2のケースを作る 8
銅パッドに上にさらに銅ブロックを乗せるので銅パッドの上に熱伝導テープを貼り付ける。最終的には上の写真のようにする予定だが、シール容器に納めていない状態で、デタラメに銅ブロックを乗せるとシール容器と干渉する可能性があるので、シール容器に基板を入れてから最後に銅ブロックを嵌める。シール容器に基板を納めるときは熱伝導テープに触れないよう慎重に。

Orange Pi Zero2のケースを作る 9
microSDカード用のスロットを正しい位置に開け直した。上の写真ではmicroSDカードが飛び出ているが、正しい位置にセットするとシール容器と面が合う程度なのでシール容器のフタを閉める邪魔にはならない。
また、アンテナ端子もシール容器に取り付けた。

Orange Pi Zero2のケースを作る 10
銅ブロックをシール容器の穴に沈め、上から軽く抑えて暫く放置すれば、熱伝導テープでガッチリ固定される。
アンテナ端子にはもちろん電波が出ないようダミーロードを取り付けた。

Orange Pi Zero2のケースを作る 11
上にテキトーに選んだヒートシンクを載せた。もちろん、銅ブロックとヒートシンクは熱伝導テープでがっちり固定済み。
正面側はこんな感じになった。すでに書いたようにUSB Type-AとType-Cの中間にあるmicroHDMI端子は使わないのでシール容器の穴が無い。

Orange Pi Zero2のケースを作る 12
USB Type-Cのケーブルをつないでみた。シール容器のでっぱりを削ったので問題なく接続できる。

Orange Pi Zero2のケースを作る 13
基板四隅にM3のネジを取り付け、シール容器のフタを閉めた状態で基板の高さが合うようにネジの飛び出る長さを調整する。このとき、microSDカードとUSB Type-Cのケーブルを接続した状態で行うと上手くいくかと。なお、microSDカードに無理な力が加わらないよう注意。

削りやすい素材で、サクサク削れたので作業時間は全部で30分程度。誰でもできる簡単な工作なのでオススメかも。見た目が残念だけど。