
AdSenseの申込みをして数日〜2週間ほど待たされて、帰ってきた返事が「腕組みニキ」(不合格通知に表示されるいかついおじさんの画像)。既に何度も再申請しているけど尽く不合格で「やれることは全てやったけど合格しない」「何をしたら合格するのかわからない」という人をSNSでよく見かけます。
コンテンツの価値が低いと指摘されて不合格になる方の殆どが何故かGoogleさんが何を求めていて何を嫌っているのか知らない様子。
おそらくAdSenseに合格するための方法を「ググって」はいる筈だけど、それだと情報が古かったり見当違いだったりで役に立ちません。特に、不合格回数が多くていろいろやったらなんとか合格しましたっていう記事は的外れなのが多い印象です。1,2回は運悪く不合格になることはあっても、適切に対応して再審査請求すれば5回も10回も不合格になるなんてことはない筈です。
これは、クルマの免許を取得したことがない人が、金を払いたくないからと自動車学校にも行かず、面倒だからと道路交通法の勉強もせずいきなり免許センターで仮免学科試験や技能試験を受けて免許を取得しようとするのに似ています。教習所に行かないにしてもせめてクルマの運転に関わる法律くらいは目を通しておくべきです。それもしないで何度も何度も試験だけ受けてマグレで受かったとしてもそんな人の提供する免許を取るためのノウハウなんて全く信用できません。
AdSenseの審査は免許の試験ではありませんが、Googleが定めるポリシーに沿ったウェブサイトでなければ審査に合格しません。Googleが提供する関係ドキュメントには目をとおしましょう。ドキュメントの数が多いので初回は一通りさらっと流し読みしてその後に気になる部分からじっくり読み込むと理解しやすいです。AdSenseの要件はGoogle検索向けのポリシーと被る部分が多いのでGoogle検索, SEO関係のドキュメントにも目を通しましょう。
Google パブリッシャー向けポリシー
- コンテンツ ポリシー
- 違法なコンテンツ
- 知的財産権の侵害
- 危険または中傷的なコンテンツ
- 動物への残虐行為
- 不適切な表示に関連するコンテンツ
- 不正行為を助長する商品やサービス
- 悪意のあるソフトウェアまたは望ましくないソフトウェア
- 性的描写が露骨なコンテンツ
- 報酬を伴う性的行為
- 国際結婚の斡旋
- 家族向けコンテンツに含まれる成人向けのテーマ
- 児童の性的虐待と性的搾取
最もしっかり読み込んでおくべきドキュメントです。これを理解しなければAdSenseの審査が通りにくい、検索インデックスに登録されない、検索の表示順位が上がらないことになりかねません。
AdSense申請で確認するドキュメント
申し込み前- AdSense プログラム ポリシー
- AdSense ポリシー: 初心者向けガイド
- Google AdSense のコンテンツとユーザー エクスペリエンス
- Google パブリッシャー向け制限コンテンツ
- Google サイト運営者 / パブリッシャー向けポリシーと制限コンテンツについて
- パブリッシャーのコンテンツを含まない画面における Google が配信する広告の扱い
- コンテキスト外広告
- "コンテンツが複製された画面における Google が配信する広告の扱い
- パブリッシャーのコンテンツよりも広告や有料の宣伝用資料の方が多い
- サイトのページが AdSense のご利用条件を満たしているか確認する
- AdSense の資格要件
- AdSense で使用するサイトの所有権
- AdSense アカウントの年齢要件
- AdSense で使用するサイトの所有権
- AdSense と他の広告ネットワークを併用する
- 広告のプレースメントに関するポリシー
- 誤クリックの回避
- 誤クリックの誘導
- 広告の不自然なアピール
- 誤解を招く見出しの下での広告配置
- 画像と広告の並列配置
- 広告フォーマットに似せたコンテンツ
- 報酬の提供
- 広告と Flash ゲームの間隔
- 適切な広告配置
- 自動更新広告
- 動的なコンテンツが主な要素となっているページやサイトでの広告掲載
- メールでの広告掲載
- ソフトウェア アプリケーションでの広告掲載
- 別ウィンドウでの広告掲載
- ポップアップ / ポップアンダー ウィンドウでの広告掲載
- ポップアップまたはポップアンダーを表示するサイトでの広告掲載
- Google が評価できないコンテンツでの広告掲載
- 他のサイト運営者様と同じページやサイトでの広告掲載
- ホスト型サイト(Blogger など)での広告掲載
AdSenseのプログラムポリシーはもちろん重要ですが、「Google AdSense のコンテンツとユーザー エクスペリエンス」がわかりやすく書かれているのでしっかり理解したいものです。
申込み後- AdSense にお支払い情報を入力する
- サイトを AdSense にリンクする
- AdSense アカウントを有効にできない場合の対処法
- サイトのコンテンツの問題を解決する方法
- AdSense 広告コードの修正
- 新しいウィンドウに広告を表示する
- AdSense のポリシーで許可されている広告の特殊な掲載方法
- 無効なトラフィックやポリシー違反によりアカウントが停止した場合の対処法
- 広告配信に影響を与えるポリシー違反を解決する
- ポリシーに関する問題と広告配信ステータスについて
- ポリシー違反によるアカウントの警告と停止
- 広告配信の制限
- アカウントの閉鎖につながった無効なトラフィックとポリシー違反
- ポリシー違反による AdSense アカウント無効化の警告メッセージを受け取った場合
- ポリシー上の理由により AdSense アカウントが無効となっている場合
- ページまたはサイトで広告配信が停止された場合
- ポリシー センターの概要
- 新しいポリシー センターのご紹介
- Better Ads Standards (英語) Google外
ポリシー違反関係は、知っていれば違反行為自体を避けやすく、もしもポリシー違反を指摘されたときも戸惑わずに済みます。
Google検索セントラル Google検索の基本事項
(旧)Google 検索のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)です。

- 概要
- Google 検索の技術要件
- Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
- クローキング
- 誘導ページ
- ハッキングされたコンテンツ
- 隠しテキストと隠しリンク
- キーワードの乱用
- リンクスパム
- 機械生成トラフィック
- マルウェアや悪意のある動作
- 誤解を招く機能
- 無断で複製されたコンテンツ
- 不正なリダイレクト
- スパム行為のある自動生成コンテンツ
- 内容の薄いアフィリエイト ページ
- ユーザー生成スパム
- ランキングの降格や削除につながる可能性のあるその他の行為
- Google にウェブサイトを表示する
- Google 検索結果への表示に関する基本的なチェックリスト
- ユーザーに質の高いコンテンツを提供しているか?
- 所有するローカル ビジネスが Google に表示されているか?
- ウェブサイトのコンテンツにどのデバイスからでも速く簡単にアクセスできるか?
- 所有するウェブサイトは安全か?
- さらにサポートが必要か?
- コンテンツは特定のトピックに関するものか?
- Google 検索の仕組みと検索結果について
- 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
- コンテンツの自己評価を行う
- ユーザーを第一に考えたコンテンツに焦点を当てる
- 検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する
- E-A-T と品質評価ガイドラインについて
- 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
- SEO 業者の利用を検討する
- ウェブサイトの SEO の管理
- 検索について: デベロッパー ガイド
「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」には「Google のポリシーに違反しているサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります」という恐ろしい1文が書かれています。ポリシー違反内容の多くは常識的なものなのでヘンなことをしなければ大丈夫な筈ですが、気をつけたいのが「リンクスパム」です。
「質の低いディレクトリやブックマーク サイトのリンク」「過剰な相互リンク(「リンクする代わりにリンクしてもらう」)や、相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成する」が挙げられています。リンクが欲しいのは解ります。ググると「被リンクを増やしましょう」と書かれていることが多いですしそれは正しいでしょう。しかし、「なんとか村」や「なんとかランキング」にブログを登録して非リンクを得ましょうなんて書いてあるのも多く、素直にそうしている人達を見かけます。これはGoogleさんのドキュメントの言葉どおりならポリシー違反ですし、そもそも「なんとか村」や「なんとかランキング」利用者サイトからの非リンクなんて全然価値がありません。ポリシー違反で検索結果の掲載順位が下げられるなら超マイナスです。なお、どの程度でポリシー違反を指摘されるかは不明です。
「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」にはとても重要なことが書かれています。これは古いSEO関係の記事には書かれていませんし、古い小手先SEOの知識しかない人は知りません。
専門的な知識を扱う場合はそれを書いた人や情報の出処が重要視されます。つまり専門家がその専門分野で根拠のある情報を扱うことが求められます。そして、その専門家は自称ではなく世間からある程度認知されていることが求められます。ド素人が勝手に「○○士の私がオススメするのは〜です」と書いてもそれは専門家が書いたとは認められません。
「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する」は2022年夏以降に展開されたヘルプフルコンテンツアップデートの核心です。古いSEOの知識を基にウェブを作ると真逆だったということになることもあるので十分に注意するべきです。最近は雑記ブログが検索上位に表示されにくくなっていたりAdSenseで稼ぎにくくなっているのは「いずれかが検索結果の上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを制作していますか。」「既存のユーザー層のためではなく、ただ話題になっているという理由で記事を書いていますか。」という文言にも現れています。
「E-A-T と品質評価ガイドラインについて」は個人ブログにとっては悪い方に影響の大きいものです。所謂YMYLです。これを知らずにSEOも糞もありません。個人ブログはGoogle検索からの流入を重視するところが多いでしょうが、それならYMYLなジャンル(テーマ)は避けた方が良さそうです。非専門家の個人ブログはYMYLで検索順位で上位の表示どころか最初の数ページに入ることすらキツいのでページビュー(PV)が低調なままということになります。PVが少なければAdSenseで稼ぐのは無理です。Google検索がダメならSNSなどGoogle検索以外からの流入に力を入れるというのありますが、それならAdSense以外で収益を得る方が良いでしょう。
なお、2022年12月15日付けで検索品質評価ガイドラインが更新されE-A-Tに経験(Experience)の頭文字Eが付いたE-E-A-Tになっていますが、まだ日本語への翻訳はされていません。
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
- クローキング
- 誘導ページ
- ハッキングされたコンテンツ
- 隠しテキストと隠しリンク
- キーワードの乱用
- リンクスパム
- 機械生成トラフィック
- マルウェアや悪意のある動作
- 誤解を招く機能
- 無断で複製されたコンテンツ
- 不正なリダイレクト
- スパム行為のある自動生成コンテンツ
- 内容の薄いアフィリエイト ページ
- ユーザー生成スパム
- ランキングの降格や削除につながる可能性のあるその他の行為
Google 検索のコンテンツ ポリシー
- Google 検索の全般的なコンテンツ ポリシー
- 児童への性的虐待の画像または児童搾取のコンテンツ
- 機密性の高い個人情報
- スパム
- ウェブマスターまたはサイト所有者からのリクエスト
- 有効な法的要請
- 検索機能のポリシー
- 広告
- 危険なコンテンツ
- 欺瞞行為
- ハラスメント コンテンツ
- ヘイト コンテンツ
- 操作されたメディア
- 医療のコンテンツ
- 規制品
- 露骨な性的描写を含むコンテンツ
- テロリストのコンテンツ
- 暴力や残虐行為
- 下品な言葉や罵倒語
- 機能固有のポリシー
Google検索、SEO関係で見ておくべきドキュメント
- Google 検索で自分のページが見つからない場合
- URL の再クロールを Google にリクエストする
- 検索品質評価ガイドライン(英語)
- Google 検索ランキング システムのご紹介
- Google 検索のヘルプフル コンテンツ システムとウェブサイト
- Google 検索の商品レビューに関するアップデートとウェブサイト
- 質の高い商品レビューを書く
以前のGoogleのドキュメントは日本語の体裁なのに1行も頭に入らないような謎のGoogle語で書かれていましたが、最近のGoogleのドキュメントはだいぶ解りやすいものになっています。そして、例も交えて丁寧に説明されているものが増えています。しっかり理解すれば、Googleさんが何を求めていて何を嫌っているかがわかるようになります。
なお、ドキュメントはアルゴリズムの変更やポリシーの変更に伴い更新・移動・追加・削除されます。1度確認して終わりではなく半年〜1年に1度程度は読み直しましょう。つまりGoogleさんの御心は変わってゆくものなので常に公式の最新情報を仕入れるようにしましょう。
ブログで稼ぎたいけど努力するのが嫌だから「WordPressの高機能テーマを購入しました」とか「ブログのコンサルをお願いしました」とかいう人がいますが、有料テーマを買ったら検索順位が上がるなんてことはなく、コンサルさんがあなたに代わって何かしてくれるということはなく、結局頑張らなければならないのはあなた(自分)というのは変わりません。金を払ったからといってラクになることは殆どありません。また、投資した金額をAdSenseで回収しようとすると道は長く険しいです。初期投資で気前よく金をばら撒かないようにしましょう。
アドバイスするだけのコンサルは害が少ないので置いといて、怪しいサービスを提供するSEO業者については「SEO 業者の利用を検討する」にもありますがご注意ください。