RTL-SDR.COMブログから新たにリリースされたドングルV4は、ちょうどお盆の時期に登場しました。前バージョンであるV3と比較して大きな変化はありませんが、いくつかの改良点が見受けられます。具体的には、チューナーチップがR860からR828Dに変更され、HF帯域での受信性能が向上し、フィルタリング機能も改善されています。また、強い信号を受信した際の位相ノイズが軽減され、発熱の抑制が期待されています。さらには、価格がより手頃になった点も特徴のひとつです。ただし、ADS-B受信に関しては、V3と比べて大きなメリットは見られず、むしろ感度が若干低下する可能性があります。
ADS-B受信を主な用途とするなら、V3を選ぶ方が賢明だという意見も聞かれます。しかし、10月4日にV4の在庫復活がアナウンスされたタイミングで、私はちょうど入院中で時間を持て余していたため、我慢できずに注文してしまいました。退院後にはすでに商品が届いていましたが、体力がまだ回復しておらず、そのまま放置していました。12月中旬になってようやく重い腰を上げ、ADS-B受信セットの中華の緑のRTL-SDRドングルを新しいRTL-SDR.COM V4に交換することにしました。

今回購入したRTL-SDR.COM V4ドングルは中国からの発送で、梱包内容はシンプルです。封筒の中に、ピンクの袋に包まれたUSBドングルと、1枚の説明書が入っていました。

ドングルの背面には、いくつかの認証マークなどが印刷されていますが、レシーバなので意味はないようです。

ドングルの形状は、従来の箱型ではなく樽型を採用しており、これはV3でも見られた特徴です。おそらく、粗悪な偽物対策としてこの独特な形状を取り入れているのでしょう。また、V3ではシルバーだったカラーリングが、V4ではブラックに変更されています。2023年秋の時点では、このブラックのデザインはRTL-SDR.COMの公式ドングルにしか使われておらず、偽物と見分けやすくなっています。とはいえ、すぐに同じような見た目の粗悪なコピー品が出回るかもしれませんが、今のところ安心して使えそうです。

ドングルの背面シールには「2023」と「9」に印が付いているため、2023年9月に製造されたものと推測されます。

交換前に使用していたのはノーブランドのRTL-SDRドングルで、これも怪しい中華製品ではありますが、意外にもそこそこまともな性能を発揮していました。現在でもAliExpressなどで販売されていますが、今回購入したRTL-SDR.COM V4と比べても、価格差はわずか1,000円ほどです。確実に信頼できる製品を求めるなら、今ならRTL-SDR.COM V3かV4を選ぶ方が良いでしょう。
RTL-SDR.COM V4用ドライバのビルド/インストール
RTL-SDR.COM V4はRTL-SDRドングルですが、LinuxでビルトインのRTL-SDRドライバをそのまま使用することはできません。過去に普通のRTL-SDRドングルを使っていてRTL-SDR.COM V4に交換すると「受信しない」「動かない」ということが発生します。また、BIAS-Tによる電源供給も行えません。
そこで、https://www.rtl-sdr.com/v4/に公式ドキュメントを参考にRTL-SDR.COM V4用ドライバをビルドして既存のRTL-SDR用ドライバと差し替えます。
まず、Debian系のOSなら、既存のRTL-SDR用ドライバを削除します。
sudo apt purge ^librtlsdr sudo rm -rvf /usr/lib/librtlsdr* /usr/include/rtl-sdr* /usr/local/lib/librtlsdr* /usr/local/include/rtl-sdr* /usr/local/include/rtl_* /usr/local/bin/rtl_*
RTL-SDR.COM V4用ドライバをビルドします。Debian系OSなら以下の様にパッケージをビルドしてインストールする方が良いでしょう。
#ビルドに必要なパッケージをインストールします。(以下3行) sudo apt update sudo apt install libusb-1.0-0-dev git cmake build-essential pkg-config sudo apt install debhelper #ただし、これだけでは足りない場合があるかもしれません。 #下のdpkg-buildpackageを実行してビルドに失敗した場合は、 #停止した直前に足りないパッケージが表示されるので #そのパッケージをsudo apt "足りなかったパッケージ名"で #インストールします。 git clone https://github.com/rtlsdrblog/rtl-sdr-blog cd rtl-sdr-blog sudo dpkg-buildpackage -b --no-sign cd .. #続けて上でビルドしたパッケージをインストール sudo dpkg -i librtlsdr0_*.deb sudo dpkg -i librtlsdr-dev_*.deb sudo dpkg -i rtl-sdr_*.deb
DVB-T TV用ドライバをブラックリストにします。
echo 'blacklist dvb_usb_rtl28xxu' | sudo tee --append /etc/modprobe.d/blacklist-dvb_usb_rtl28xxu.conf
システムをリブートします。
sudo shutdown -r now
RTL-SDR.COM V4を使ってみて

実際にドングルを交換したのは12月中旬のことでした。ちなみに、どの日に交換したかグラフをみて判るでしょうか?交換による停止時間はわずか5分以下だったため、受信データのグラフが大きく変動することはありませんでした。天候や曜日による航空機数の変動はありますが、交換後も特に目立った差は感じられませんでした。アンテナ直付けでの受信では、買い替えのメリットはほとんどなかったかもしれません。
交換前後ともに、LNA(低ノイズ増幅器)は使用していませんが、RTL-SDR.COM V4ドングルにはBIAS-T給電機能が搭載されているため、2024年中にはBIAS-T対応のLNAを導入しようと考えています。過去に使用していたLNAはすべて短期間で故障してしまいましたが、次のLNAはどうなるでしょうか?今後の結果が楽しみです。
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非常に興味深く拝見しました。
当方は、測定機器も専門知識もないので、こういう記事を探しておりました。
タリーズコーヒーの空缶で自作したアンテナ(?)でFR24FEEDERを楽しんでおります。
缶テナ作成の記事へのコメントかと思いますがありがとうございます。
私も専門知識はありませんが、短波以上の周波数のアンテナ作成では何かしら簡単な測定器はあった方が便利だと思います。