蓮華寺 (米原市)

前回、蓮華寺は門の外まで見て帰ったが、今回ようやく中を見ることができた。

蓮華寺はJR米原駅から東に直線距離で2.5km、北陸自動車道の米原インターチェンジから南西に直線距離で1.5km程度のところにある。乗合バスはJR米原駅西口発(東口経由)で「蓮華寺下」バス停下車(湖国バス 醒ヶ井養鱒場線 養鱒場行 乗車約10分)。同じバス路線でJR東海道線醒ヶ井駅からも乗車約10分。

門の外までは前回書いてるのでいきなり境内から。

蓮華寺 1
境内の中央あたりの立て札。「勅額」と書いてあり「蓮華寺」の扁額を本堂正面に掲ぐとある。書いたのは徳川秀忠・家光が将軍の頃に天皇だった第108代後水尾天皇。なお、下賜が元禄5年(1693年)だと崩御後13年も経っていることになるので本当なのかな?

蓮華寺 2
かなり大きな本堂の正面。中央の青地に金文字の扁額の「蓮華寺」が後水尾天皇の字とされるもの。

蓮華寺 3
その本堂の右側(南側)を回り込んで本堂の裏に進む。

蓮華寺 4
巨木が見えてきた。写真だと手前の看板や別の木で遠近感が狂ってそんなに巨木に見えないけど奥の木。

蓮華寺 5
「一向杉」と書かれている。樹齢700年以上らしい。後で出る一向俊聖が1287年に没した時に植えられた木とか。
人が全然いないので大きさの比較になるものがなくてなんか残念だなぁ。ネット上の情報によると高さ30mで幹周りが5.6mだそうな。

蓮華寺 6
その「一向杉」を見上げる。横に出てる枝でもそこいらの巨木の幹くらいあるのね。

蓮華寺 7
「一向杉」の北側に五輪塔がある。「番場の忠太郎」の供養塔ということみたい。供養も何も架空の人物だからなぁ。
周りの柵状の石柱、入口右側が「瞼の母」の作者の長谷川伸。他、正面左から島田正吾、中村勘三郎、市川壽海、片岡仁左衛門(仁左エ門)、右側面(上の写真には写っていないけど)が片岡千恵蔵、長谷川一夫、三門博、広沢菊春という錚々たるメンバー。年代的に最後の二人は聞いたことも無いけどググると昔の有名な人らしい。

蓮華寺 8
階段を登った上にあるのは「忠太郎地蔵尊」とのこと。親子の縁、家族の縁を願う人にということのようだけど物語の主人公(架空の人物)由来と考えると正直微妙。

蓮華寺 9
「忠太郎地蔵尊」の近くから本堂方向を見下ろす。なんか雰囲気良さげな縁側と日本庭園があるっぽい。

蓮華寺 10
再び本堂の前(南西)まで戻り、左(南方向)に折れる。

蓮華寺 11
山王日吉神社がある。殆ど人が来ないこともあってか石段の苔が踏み荒らされて無くて良い感じに生している。

蓮華寺 12
山王日吉神社。こちらは由来とか不明。

蓮華寺 13
道に戻り南進。登り道ではあるが傾斜は緩く段差も低め距離も短いので足腰弱くても大丈夫。

蓮華寺 14
「北条仲時及従兵四百余人 記念碑」いよいよ近づいてきた。

蓮華寺 15
上の記念碑から20~30m程度でしょうか。青い看板の辺りが本命。

蓮華寺 16
六波羅探題北方の北条仲時一族(郎党)432名の墓所・五輪塔群に到着。
北条仲時らは鎌倉幕府滅亡で京都から東国に退却中に佐々木道誉(京極高氏)に攻められて蓮華寺で集団自刃。一緒に逃げていた後伏見上皇(第95代天皇)、後伏見上皇の弟の花園上皇(第95代天皇)や後伏見上皇の子である光厳天皇(北朝初代)は佐々木道誉に捕らえられたが命は助かっている。

蓮華寺 17
蓮華寺といったら結局この写真。左斜め前から。

蓮華寺 18
同じく右斜め前から。

蓮華寺 19
少し離れてこんな感じ。

蓮華寺 20
北条仲時一族の墓所からもう少し登る。

蓮華寺 21
一向俊聖(一向上人)の墓。一向俊聖が作った教団が一向宗。生年没年がほぼ同時期の一遍の一向宗(時宗)と混同されているようだが本来は別らしい。また、それより少し早い時期に活躍した親鸞の浄土真宗の一向宗とも本来は違うみたいだけど後に信者が浄土真宗に吸収されたようなのでこちらは違うとはいえないのかな?
仏教は知らないので一向俊聖が時宗なのか浄土宗なのかその辺りもよく解らない。浄土宗を捨てて時宗?
蓮華寺は現在は浄土宗のお寺(本山)だが旧時宗では大本山。

左側の柱には「南無阿弥陀佛 奉修本山蓮華寺開創壱千四百年聖徳太子」と書かれている。一応、蓮華寺は615年に聖徳太子が開いたということになっている古い寺(旧名:法隆寺)でもあるのね。

蓮華寺 22
その一向俊聖の廟所の前には蓮華寺歴代住職の墓も並んでいる。写っているのは廟所に向いて左半分だけ。

由緒ある大寺院なのに現在は常駐する住職がいないとか。
一向杉の周囲の柵は存在するけど中途半端な囲い方なので触ってもいいっぽい。巨木に触れるのが好きな人にはたまらないかも。
あと、落ちてる葉の量を見ての推測だけどもしかして紅葉も楽しめる寺かも。京都の蓮華寺と違いこちらは紅葉では有名じゃないから違うのかな?機会があれば確認してみたいところ。