ownCloud/Nextcloudでパスワード管理

2017年7月24日追記:
最近のNextcloudではこの記事の「Passwords」より「Passman」の方がオススメかも。PassmanはNextcloudに管理者アカウントでログインしてアプリの一覧からインストール可能(全自動)。PasswordsとPassmanのどちらが良いかとなると一長一短はあるけどPassmanの方がスッキリしてる。

ppmaというパスワード管理ツールの記事のときにも書いたが、ネットが便利になるのと比例して管理すべきアカウント情報(パスワード含む)が膨大に増えている。問題はそれをどう管理するかだが、他所のネットワークサービスに預けるというのは何処でどう使われるのかわからず気持ち悪いので嫌い。もちろんアカウント情報だけでなく個人情報に関わるものすべて。できれば自前の設備で管理したいところ。

これまでいろいろなツールに手を出していたが、その手の個人情報はここのところ自然とownCloud/Nextcloudに集約するようになってきている。
ownCloud/Nextcloudには標準ではアカウント情報を管理する機能は無いが、プラグイン的なもので対応できる。そこで、今回はそれを使ってアカウント情報を登録するまでをやってみる。

ちなみにNextcloudはownCloudからフォークしたプロジェクト。ownCloudの主な開発者がNextCloudに移動したという噂。なので今後はNextCloudの開発が活発になるかなと思って最近になってNextCloudを利用し始めた。2016年10月上旬現在はownCloudとNextcloudの差は利用者的には全くというほどインストールの方法からインターフェースまで何もかも同じ。今後は変わってくるかもだけど。
で、プラグイン的なアプリもownCloud/Nextcloudのそれぞれどのバージョンに対応しているか書いてある筈なので自分が利用しているownCloud/Nextcloudに対応していることを確認してインストールのこと。

この記事ではPasswordsというアプリを利用する。2016年10月2日現在はバージョン19でownCloud 9.1とNextCloud 9/10に対応となっている。家ではNextcloud10を利用中なのでそれにインストールする。

Passwordsからファイルを取ってきて解凍する。
解凍直後はpasswords-19のようなバージョン番号付きのディレクトリ名なのでpasswordsに変更する。
passwordsディレクトリをownCloud/Nextcloud直下のapps下にコピーする。

passwordsディレクトリへのアクセス権をウェブサーバに与える。(下はFreeBSDの場合)
# chown -R www:www /usr/local/www/nextcloud/apps/passwords

データベースの拡張などはPasswordsアプリを有効にしたときに全自動で行われるのでこれでインストール終わり。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 1
画面1:
まずはownCloud/Nextcloudの管理者アカウントでログインする。
左上の「ファイル」をクリックすると利用可能なアプリとアプリ管理メニューの「+」アイコンが表示されるので「+」アイコンをクリック。
なお、画像に表示されている「アドレス帳」「カレンダー」は標準では無効のアプリなので表示されていなくても異常ではない。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 2
画面2:
先程インストールしたPasswordsはインストール直後は無効状態になっているので左メニューで「無効なアプリ」をクリックする。
右側に無効なアプリが表示されるが、Passwordsは2016年10月上旬現在は「実験的なアプリ」に分類されているので一番下までスクロールする。
Passwordsアプリを見つけたら「有効にする」をクリック。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 3
画面3:
今度は左メニューで「有効なアプリ」をクリック。上と同じく右側を一番下までスクロールしたらPasswordsが表示される筈。ここに出なければ何か異常でPasswordsアプリが有効になっていない。
また、Passwordsアプリは実験的なアプリなので左下の をクリックし「実験的なアプリを有効にする」にチェックを付ける。
管理者アカウントはここまで。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 4
画面4:
ユーザーアカウントでownCloud/Nextcloudにログインする。
Passwordsアプリを利用するには左上の「ファイル」をクリックし「パスワード」の「鍵」アイコンをクリックする。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 5
画面5:
Passwordsアプリの初期状態ではPasswordsアプリの利用の際にパスワード入力を求められるのでownCloud/NextCloudのユーザーのパスワードを入力する。
「続ける」ボタンをクリック。
パスワード入力を無しにする、またはユーザーのパスワードではなくマスターパスワードに変更することもできる。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 6
画面6:
Passwordsアプリでは右下に○とその中に数字が表示される。初期値では60からカウントダウンされるようになっていて何も操作しない状態が60秒を超えるとPasswordsからロックアウトされる。安全のための仕組みなので無効にはしない方が良いかとは思うが60秒は結構短いので最初は戸惑うかも。秒数の変更やカウントダウンを無効化することもできる(後述)。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 7
画面7:
何も登録されていなければ先ずはカテゴリを作成するのが良いかと思われる。左のメニューで「カテゴリを編集」をクリック。
右側に新規カテゴリの作成画面が表示されるので管理するアカウントのジャンルなどをいろいろ登録する。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 8
画面8:
たとえばこんな感じ。サーバ用のアカウントとか買い物用のアカウントとか銀行/証券サイト用などのアカウントなど。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 9
画面9:
カテゴリを作成したらいよいよアカウント/パスワードの登録。
左メニューで「新しいパスワードを追加」をクリック

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 10
画面10:
登録する項目は上からサイトのURL、メモ、カテゴリ(選択)、アカウントの題名、ユーザーID、パスワード。
パスワードを決めるのに苦労している人の為にパスワード生成機能もある。ブラウザの窓サイズによってはアカウント登録画面が全て表示されない場合もあるので登録ボタンが表示されていなければ下にスクロール。
なお、画面中央のアカウント登録画面以外をクリックするなどすると編集中の内容が失われるのでそれだけ注意。(うっかり他所をクリックしてイラッとなること多々)

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 11
画面11:
一番下の「追加」を押して登録完了。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 12
画面12:
登録したアカウント/パスワードが右上から表示される。
なお、上の画像はブラウザの窓サイズを800x500px程度にしているので全ての項目が表示されていない。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 13
画面13:
設定変更の方法(の半分)。
右上の自分のユーザー名をクリックし、続けて「個人」をクリックする。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 14
画面14:
設定画面になるので左メニューの「パスワード」をクリックする。
Passwordsアプリの右下に表示されるカウントダウンが気に入らないなら「Use Inactivity countdown」のチェックを外す。(非推奨)
カウントダウンが60秒なのが短すぎる(長過ぎる)と思うなら好きな秒数を指定する。
これ以外の設定項目が上下にあるので必要に応じて変更。

ownCloud/Nextcloudでパスワード管理 15
画面15:
アカウントをいろいろ登録するとこんな感じ。
上の画面はブラウザサイズを横幅1155pxにしているので全項目(列)が表示されている。
右下のカウントダウンは2分に変更している。
左下( )にPasswordsの設定の半分がある。
ここでPasswordアプリ起動時のパスワード入力の有無を変更できる。
「バックアップダウンロード」で登録したアカウント情報をCSV形式でダウンロードできる。ただし、「バックアップダウンロード」は管理者がPasswordsの設定画面で有効にしないと利用できない。
また、CSVインポート機能もあるのでウェブの画面で1つ1つポチポチ登録しなくてもExcelなどでアカウント情報の一覧を作成してCSVファイルにしてインポートすることもできる。

機能的にはppmaと殆ど変わらないけど多くのツールを使い散らすより1つのツールでいろいろできる方が便利よね。