大人の冬休み宿題工作 マイ警告灯を作ろう 前編

この記事でいう警告灯というのはクルマ用ではなくて、工場の生産ラインとかシステムの管理の人たちにはおなじみ、一般の人だと最近だとスーパーのセルフレジのところで見かける2〜4色程度の筒型の信号機みたいなやつ。
日本だと積層信号灯とかシグナルタワーとか?英語だとWarning Light, Tower Signal, Stack Lampとか呼ばれてるかな?まぁ、みんなバラバラに呼んでるよね。

こんなの。

この警告灯、SMOな方々なら自分が管理する機器の監視用に持っておきたい一品。
ただ、こういう警告灯を日本で制御スイッチ込みの製品として買うと結構お高い。なら自分で作っちゃえというのがこの記事。
工作といっても部材が揃っていれば小学生でもできる簡単なもの。ただし、アルミを削るのは子供にはさせないで。(削りカスが地味に危ない)
で、「2〜4色程度の筒型の信号機みたいなやつ」と書いておいてなんだけど、個人的にはそのタイプはあまり良い思い出がない(見るだけでストレスな)ので、色が分かれているランプではないタイプから選んでみた。中身自体は色別のランプとブザーが入っているだけなので同じと思って良い。浅田飴の缶を2つ重ねた程度の背の低いものもあるけど、一応タワー型を選択する。

「がとらぼ」の中の人が購入した商品ページが現在は表示できなくなっているので似た製品(購入したのとは違う)がこちら。点滅発光しないタイプの24Vタイプでブザー付きを購入した。発光部が1つのランプみたいだけど内部に3色のLEDが入っていて同時発光込みで3色以上に光るタイプ。
USBで制御できる4chリレーモジュール。Wi-Fiタイプもあるけど技適が不明なのと専用APIでインターネット接続必須な制御の製品が多くて面倒で不確実なので有線USBタイプを選んだ。USBでPCに繋ぐとシリアルポートとして認識されるのでコマンドを送るだけでリレーを操作できてとても簡単。USBは制御だけでなくリレーモジュールに電力を供給する役目も。(警告灯には電力を供給しない)
今回は警告灯本体の3色のランプとブザーの計4つを制御するので4chのモジュール。
警告灯に電力を供給するための24V/1AのACアダプタ。日本で普通に家庭用コンセントに挿して使うつもりならプラグのタイプは「US」を選択する。これはDC側のプラグが直径5.5mmで中央の穴が2.5mmのタイプ。
今回「がとらぼ」の中の人が購入した店ではありません。製品自体はこの記事の下で出てくるのと同じ120x97x40mmの黒のアルミエンクロージャ。
エンクロージャ側面のACアダプタ差込口になるソケット。
今回はACアダプタのプラグの径が5.5mmで中央の穴が2.5mmのタイプなので、ソケットは内径5.5mmの穴で芯棒が2.1mmを選択した。(ACアダプタ側の穴が2.5mmなら芯棒は2.5,2.1mmどちらも使えるが、2.1mmを選択する方が無難。ACアダプタ側の中央の穴が2.1mmタイプだったらソケットの芯棒が2.5mmタイプはNG)
 
LED信号灯832円送料442円
USBリレーモジュール409円送料218円
24V ACアダプタ212円送料92円
アルミエンクロージャ758円送料無料
ACアダプタのソケット5.5mm/2.5mm51円送料10円
小計2262円送料762円
合計3024円

工作

警告灯を作る 1
アルミエンクロージャの上面に警告灯の脚をネジ止めするための穴を4つと警告灯から出ているケーブルを通す穴を中央に一つ空ける。

警告灯を作る 2
警告灯の脚をネジ止めしてケーブルを通すとエンクロージャの内側はこんな感じ。

警告灯を作る 3
外側はこんな感じになる。

警告灯を作る 4
アルミエンクロージャの底面に4つ穴を空けて内側に4chリレーモジュールの基板を取り付けネジ止めする。基板をエンクロージャから浮かせるためのスペーサーは都合の良い長さの物を持っていないので例によってナットを使うことに。それぞれ2枚を噛ませた。

警告灯を作る 5
皿ネジなのでそれ用にすり鉢状に穴を空けているが、アルミの厚みが足りないので少し皿が飛び出した状態。しかし、エンクロージャの底面には滑り止めのゴム足を付けるので問題なし。

警告灯を作る 6
警告灯のケーブルに貼られた配線用の図。警告灯自体は5本のケーブルが出ていて末端がハンダ処理されただけのブツ切り。図の右上の方のスイッチのような部分は警告灯には付属していないので、4chリレーを繋ぐ。

警告灯を作る 7
4chリレーモジュールなので水色の四角いリレーが4つある。リレーの左側には4chとも3つの端子が並んでいる。中央それぞれの中央の端子には電源(ACアダプタ)からのプラス線を繋ぎ、上側の端子には警告灯の赤・黄・緑のランプ用のラインとオレンジのブザーのラインを接続する。それぞれの下側の端子には何も接続しない。
警告灯から出ている灰色のラインは電源のマイナスに接続。
これでそれぞれのリレーをオンにしたときにそれぞれスイッチが入る。(逆にリレーをオフにしたときにランプ・ブザーのスイッチをオンにするなら上側の端子ではなく下側の端子に接続。)
小学1年生でもわかる簡単なスイッチ。

警告灯を作る 8
エンクロージャの側面のパネルの1枚だが、中央に縦の大きなキズがある。写真ではキズの部分に光が当たっているので判らないだろうが、これは後からできたキズではなくキズの上から塗装されている。製造ラインの品質管理がしっかりしていればNG品として途中の段階で弾かれて当然のもの。このデタラメ作業はさすがの中華クオリティ。

警告灯を作る 9
サンダーでキズの凹みが消えるまで削った。写真には写っていないけど元のキズの場所にうっすらとキズが入ったときの力の跡が線として残ってはいる。思いっきりガリガリッてやったっぽい。しかし、凹が無くなればOKとする。

警告灯を作る 10
元は粉体塗装っぽいが、そんな道具は持っていないので代替の塗装を行う。鉄板の表面にきれいに塗料を吹いても安っぽくなってしまうので、逆に表面を荒らした塗装にすることにした。
一回目の塗装の際に厚めに塗料を吹き付けて、半乾きのときに表面が凸凹の壁紙の切れ端などを塗面に押し当てて壁紙側に塗料を移す。何度も壁紙をベタベタやると塗面が凸凹に破壊し尽される。その状態で乾かしてからUSB端子とACアダプタのソケットの穴を空ける。洗浄してから2度めの塗装。今度は距離を取って薄く丁寧に数回吹き付ける。これで表面に少しデコボコがあるマット黒の塗装が完成。

警告灯を作る 11
ACアダプタのソケットとmicro USBの穴のある面。micro USBはエンクロージャにソケットを設けずに直接中のリレーモジュールのmicro USBソケットまで挿せるように、micro USBプラグの持ち手(つまみ)部分がちょうど入る大きな穴になっている。(以前に作ったNanoPi NEO2用の百式風アルミケースと同じ。)

キズを削ってそこの塗装と乾燥に時間がかかったけど、塗装がなければ3時間もかからずに完成したんじゃないかしら。
次回は動かしてみる。

2019年12月22日追記: なんかアルミボディの格好良さそうな警告灯が出てた。配線はこの記事と同じ。
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