2020年最強コスパWi-Fiルーター Redmi路由器 AC2100 (前編)

Xiaomi Redmi ルーター AC2100

次々に購入しなくてはならなくていつも悩まされているWi-Fiルーター(APとして使用)だが、コスパ最強なある機種がどうしても欲しくてとうとう買ってしまったという話。普通ならコスパ最強なら悩む必要ないんだけど、今回はちょっとね・・・
で、購入したのがXiaomiが中国向けだけに販売している「Redmi路由器 AC2100」。 路由器ってのはルーターのことね。

「えっ、それアカンやつちゃうの?」

一応ちゃんとします。

RedmiというのはXiaomi(シャオミ)という中国のスマホメーカーのサブブランドorシリーズ。最初はインド向けブランドとか言ってたような気がするが高コスパ製品は欧州や中国向けにもRedmiブランド(orシリーズ)で出してるので、最高性能や高級感を求めないコスパ重視の製品がRedmiブランドという感じ。

「がとらぼ」ではRedmi AC2100については別ページで紹介しているので概略はそちらを参照していただくとして、購入前から判っている良い点・悪い点。

良い点
  • とにかく価格。AC2100クラス(Wi-Fi5で最大通信速度2100Mbps)が3000円台というのはなかなか無いよね。
  • 有線ポートがすべてGbE。2019年前半まではコスパ最強だと代償として子ポート(LAN)が100Mbpsに制限されてるのが多かった。
  • カバレッジ360度なので置く向き気にしなくて良い。
  • 実用範囲で128端末を接続できる。家庭用なら十分。

悪い点
  • 技適がない。
  • 対応周波数帯が中国仕様。
  • グローバル版だと英語切り替えがあるけどこれは中国専用品なのでUIの言語が中国語だけ。
  • 中国向け製品なので日本への取り寄せに日数がかかる。
  • 日本の家庭用ブロードバンドルーター用としてはPPPoEには対応するがDS-LiteとMAP-Eは非対応。
  • アンテナがボコスコ生えてて無粋。

一応書いておくと、日本(と欧州)で使えるWi-Fiの周波数帯は2.4GHzと5.2GHz, 5.3GHz, 5.6GHz。中国は2.4GHzと5.2GHz, 5.3GHz, 5.8GHz。日本で使える5.6GHzが中国で使えなくて逆に中国で使える5.8GHzが日本で使えない。
Redmi AC2100は2.4GHzと5.2GHz(初期値Off), 5.8GHz(初期値On)に対応している。中国向けだけど中国で使える筈の5.3GHzには対応していない。
だからRedmi AC2100と日本の使用可能周波数帯で合うのは2.4GHzと5.2GHzだけとなる。個人的には所謂5GHzはDFSもTPCも関係ない5.2GHzしか使わないので問題ないが、比較的空いている等の理由で5.3, 5.6GHz帯を使いたいというならRedmi AC2100はNGとなる。
また、最大の問題として、

「Redmi AC2100のデフォルトは5.8GHzがオン」

であることを挙げておく。中国向け製品で5.8GHz対応なら当然デフォルトはオンな筈だが、日本で使うとなればそれは大問題。5.8GHz帯のOn/Off切り替えがハードウエアスイッチならOffにするだけで済むのだろうが、そんなの見たことがないので切り替えはソフトウエアスイッチ。そうすると、電源をオンにしないとOn/Offを切り替えられないのだが、電源をOnにしたら初期状態では5.8GHzで電波を出してしまう。これは後ほど。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100購入
いつもどおりAliExpressで購入。配送がシンガポールポストだったので発送から配達まで1ヶ月かかった。遅すぎる。1ヶ月も経つと注文時最安値よりも販売価格が数百円下がって何か高値で掴まされたみたいな気分になるのよね。(ある意味錯覚なんだけど)

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 1
出前がスイスイスイっと届けてくれる出前館じゃないので、すっかり忘れかけた頃に届いたビニール入りピザボックス。右は大きさ比較用の500mlのペットボトル。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 2
輸送日数長いときあるあるだがベコベコ潰れてる。中国からの輸送でこういう薄い箱は製品の箱を直接ビニール梱包ではなく外箱に入れてくれた方が安心だよね。送料は高くなるけど。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 3
製品の箱の裏面。中国専用品なので中国語しか書いてない。そしてベコベコなのは裏の方がひどい。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 4
まぁ中身は問題ないんですけどね。右半分がルーター本体を白いビニールで包んだもの。6本のアンテナは最初から本体につながっている。アンテナは取り外せないみたい。左側はACアダプタとLANケーブル1本だけ。とても潔いのでこれは好感。しかし、このトレイ、紙繊維がボロボロ出過ぎでホコリだらけ。これは酷い。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 5
アンテナ6本を立てた本体上面の様子。本体は穴だらけだけどこれは放熱のためらしい。ホコリが多いところに設置するなら対策を考えた方が良さそう。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 6
本体後ろの面。長いスリットが2本。その下に左からリセット用の穴、ACアダプタを接続するソケット。RJ45ポートが4つ並んでいる中で一番左がWANポート、他3ポートはLAN用。この4ポートはすべてGbE対応。昨年の高コスパルーターのXiaomi Router 4Aを買うことができなかったのはここがアヤフヤでLAN側3ポートが100Mbpsと1000Mbpsの2パターンの製品があって価格差があるので通販で買うと1000Mbps版の価格で100Mbps版を送ってきそうで怖かったからなのね。昨年は技適の特例制度も無かったので仮に購入してもブログには書けないし。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 7
下面。放熱用の穴が上面より大きめ。壁掛けにも対応。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 8
そして、この下面には重要な情報が書かれている。「MIIT ID」と「SN」は後で「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の届け出をするのに必要な情報。「2.4G Wi-Fi」は2.4GHz用のSSIDの初期値。「5G Wi-Fi」は5GHz用のSSIDの初期値。「MAC」はLAN側の設定で使う(こともある)MAC Address。
中国専用品なのでCCC認証マークはあるけどCE(EU), FCC(北米)といったよく見る認証マークは無い。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 9
付属のACアダプタはUSタイプ(日本でも使えるやつ)。一応Xiaomiのマークが付いた純正品?US基準なので家のコンセントに差し込む刃(金具)に3mmの穴がない。100-240Vで50Hz/60Hz両対応なので東日本(50Hz)でも大丈夫。(アメリカは60Hz)

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 10
なんかホコリだらけなのは箱の中の紙繊維を固めて作ったトレイみたいなのが繊維がちらばる粗悪なやつだから。
付属のLANケーブルはCAT.5Eなので実用上問題なし。ただし、だいぶ短め。Cat.7だのCat.8だのというインチキケーブルを買わないと速度が出ないとか思う人がどうしても一定数いるみたいだけど、Cat.5e(かCat.6)で十分。というかRJ45コネクタでCat.7というのもおかしな話だし接続する両端の機器がUTP用のソケットなのにSTPケーブル挿すのもバカすぎるので「Cat.7とか欲しがるのは情弱」。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 11
届いた箱のルーター本体の下に隠れていた説明書。なんと紙切れ1枚、日本の常識じゃありえないけど普通に考えたらこれで十分なのよね。ルーター本体の脚(出っ張り)が接触し続けたと思われる4箇所がボコボコに。これはちょっと・・・

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 12
紙切れは1枚だけど裏面もある。写真のように全部中国語。個人的に中国語はわからないし簡体字はさらに元の字がわからないので困るが、所詮は家庭用ルーターなのでなんとなくはわかるもの。書かれてる量も少ないし。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 13
ルーターの電源を入れる前に総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」のページからウェブでの届け出を行う。マイナンバーカードがあって電子証明書が使える状態で「マイナポータルAP」アプリが使える環境であればユーザー登録と機器の届け出と合わせても30分もかからないと思う。ただし、機器の届け出は書き方に悩むことがあると少し時間がかかることもあるかも。

Xiaomi Redmi ルーター AC2100 14
製造者欄に中国企業の簡体字の社名をそのまま入力すると撥ねられるのでそこだけ注意。「小米通讯技术有限公司」だと「讯」と「术」がNGなので「小米通訊技術有限公司」のようにする。

技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の素晴らしいところは、「許可申請」ではなく「届け出」なので、許可が出るまで何日か待つという必要もなく、すぐにその機器を使えること。ただし、何らかの公的認証が無い手作り機器などは対象外のよう。また、海外製スマートフォンはSIMカードを使うモバイル通信が対象外。Wi-Fiだけなら良いみたいだけど、海外スマホを購入して「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度で届け出したら180日間は自由に使い放題だぜ」は間違いなのでご注意。(携帯電波の使用は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の対象外) あと、お役所らしいところは180日以内に廃止届け出をしなくてはならないところ。180日後に自動的に期限切れではないということ。別の実験に使う場合は再度届け出する必要がある。(同じ内容の実験では届け出できない)

届け出は簡単だが、ここで最大の問題。電源オン=即5.8GHz帯出力(初期値状態)。これだけは何か対応しないとAC2100の電源をオンにできない。中国で5.8GHzを使わない設定に変更してから日本に持ち込むのが一番簡単な方法ではあるけど通販で購入したら無理よね。日本だとビルの地下の機械室で設定するのはアリかもというか一番現実的。(MDF室は上が開いてることがあるかもなので注意) AC2100とACアダプタとスマホを持ち込んでAC2100を起動し、スマホでWi-Fi2.4GHzでAC2100に接続してウェブで5.8GHzから5.2GHzに切り替えるだけ。
個人宅でSHF帯対応のファラデーケージがなければ、ラインフィルター(か直径が大きめのフェライトコア)を用意して機器を結線し(電源の他にWANポートをPCに接続も忘れずに)、ケーブル類はラインフィルタに通して(巻いて)、機器とラインフィルタごとアルミホイルでグルングルン(5重以上)に巻く。このとき隙間がないよう丁寧に。やってみると結構難しいので既存の家庭用ブロードバンドルーター(技適有り)の5.6GHz帯で実験してからが良いかと。

後編はXiaomi Redmi路由器 AC2100の5.8GHz帯をオフにしてAPにする設定。