WordPress用ファイルキャッシュ Yasakani Cache

WordPress用にYasakani Cacheという新しいキャッシュプラグインが登場した。
日本人が作っていて日本語の説明ページもあるのでこの手のプラグインが苦手な人も安心。

Yasakani Cacheはファイルキャッシュ(データキャッシュ)。
ファイルキャッシュ系のプラグインは設定が難しく動作に罠があったりで苦労させられることが多い。ウェブサーバ側の設定にも手を付けなければならないことも多いのでとっつき難いという印象も。プラグインによっては.htaccessなどにmod_rewrite周りの設定を自動的に追加してくれるのでウェブサーバがApacheであれば難しくないという場合もあるけど勝手に変えられたせいで自分が指定した設定が台無しになることも。
Yasakani Cacheではキャッシュを高速なSQLiteデータベースファイルに置くという方法を採ることでウェブサーバ側に設定を追加する必要がなくなっていて、ウェブサーバがApache以外でも面倒が無い。そもそも導入については殆ど何も考える必要がない。Yasakani CacheプラグインをWordPressの管理画面の「プラグイン」から検索・ダウンロード・有効にしてYasakani Cache設定ページで「ページキャッシュ」を「有効」にするだけ。

Yasakani Cache 1
Yasakani Cacheの設定画面でページキャッシュを「有効」、ログモードを「All request url」にして「設定更新」。
利用しているホスティングサーバでSQLiteモジュールが使えない場合はこんなエラー。(左下のphp_errorの薄橙の部分にマウスポインタを置いて1秒待つとエラー内容が表示される。)
もちろんYasakani Cacheの設定でキャッシュを「有効」にしていても機能しない。
PHPのSQLiteモジュールが使えない(ホスティング)サーバでは使用を諦めるしかない。

Yasakani Cache 2
SQLiteモジュールが使えるサーバで設定は上と同じ。設定後に管理者画面からログアウトしてサイトのページを表示・再表示するとこんな感じのログになる。ログは新しいのが上、古いのが下。
左下のType列で「Store」になっているのがキャッシュ作成。「not_modified」はキャッシュが読み出されている。

キャッシュされているページ数は一番上の[Valid Cache]に表示される。

投稿や固定ページを更新した場合などはキャッシュは自動的に再作成されることになるようだが、テンプレートを編集したとかメニューやウィジェットを変更した場合は「キャッシュクリア」してやる必要があるみたい。

動作確認後の通常運用時のログモードは「無効」で良い筈。

記事にしたことがあるWP Super Cacheなどに比べると変なクセが無いのとNginxなどApache以外のウェブサーバでも何も考えずに気軽に使えるので凄く良いと思う。
ただし、データキャッシュ方式なので例えばテンプレートのPHPファイル内でアクセスしてきたブラウザのリファラを基に条件分岐してPC用とスマホ用に表示分けするような仕組みのサイトだと導入するべきでないし、動的に表示を変えるようなサイトでもやはり使うわけにはいかないと思われる。レスポンシブなテンプレートの場合はサーバからブラウザに送るデータは同じで、ブラウザ側でレイアウトを調整するのでデータキャッシュとの相性は良い。
(Yasakani Cacheはwp_is_mobile()を使ったPC用/モバイル用の表示分けには対応しているらしいのでwp_is_mobile()以外の分岐が要注意)

他のデータキャッシュと併用しても表示速度向上は望めない。例えば一つ前の記事のAPCuと併用しても意味が無い。

関連記事: