ダイソーの300円USBスピーカーでコンクリートスピーカーを作る

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする

ダイソーの300円USBスピーカーを改造する記事はすでにたくさん出ていますが、「がとらぼ」ではまだ扱っていなかったので、とりあえず購入してみました。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 1
お馴染みのダイソー300円スピーカーの箱です。欲しくないときには店頭に並んでいるのに、欲しいと思て店に行くと在庫切れになっている、あの商品です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 2
箱の背面です。ロット番号がシールで貼られています。

ダイソー300円スピーカー仕様

出力: 3W x 2
インピーダンス: 6Ω
周波数特性: 35 - 20KHz
本体: 横63mm x 縦75mm x 奥行55mm
スピーカーユニット: 直径35mm、外周込み46mm
アンプ: 右スピーカーユニットに内蔵
入力: 3.5mmステレオミニプラグ (オス)
電源: 5V (USB-Aオス)

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 3
もう皆さんすっかり見飽きていると思われる中身です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 4
このダイソー300円スピーカーは、モデルチェンジでアンプが変わり低音が出るようになったと話題になっていましたが、2020年1月に入って購入したものは再び古いモデルに戻っていました。また、新型アンプ搭載版では筐体の音量ダイヤル部分に「+−」の印が付いていましたが、筐体も古いタイプに戻っています。本体背面の製造年月シールは新しい日付だったので、たまたま古い在庫を引いたわけではなさそうです。

ところで、このスピーカーは見た目から完全に密閉型(sealed enclosure)だと思い込んでいましたが、製造年月のシールの下にある穴はネジ穴ではなく、実はバスレフポート(bass reflex port)でした。空気室の共鳴を利用して低音を補強する仕組みです。改めて調べたら、そう説明している人もちゃんと存在していました。自分の思い込みが強すぎて、以前読んだ情報が頭に入っていなかっただけです。ただし、音量ダイヤル部分は内側が完全に仕切られているわけではなく、空気室と直通しているため、ダイヤルの横からも空気が漏れています。この辺りは少し雑な作りです。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 5
EST-8002ACという型番の古い基板です。樹脂のエンクロージャーだけでなく、中の基板も古いバージョンでした。右下の赤枠部分がスピーカーへの出力ラインなので、はんだごてで温めて丁寧に配線を外します。右側に縦に2本あるのが電源ライン、左端に3本あるのが音声入力です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 6
スピーカーにつながっているケーブルも、はんだごてで温めて丁寧に外します。

300円USBスピーカーが古いバージョンだったことに、自分でもびっくりするくらいガッカリしてしまい、そのせいで購入後2ヶ月以上放置することになりました。
しかし、ある日YouTubeでコンクリートスピーカーの動画を見て、突然「スピーカーを作ろう」という気になりました。
コンクリートスピーカーとは、スピーカーの駆動部自体は普通のものを使い、エンクロージャー(箱の部分)を木材や樹脂ではなくコンクリートで作るものです。今回は小石・砂利を入れない「セメント+砂+水」の配合なので、正確にはコンクリートではなくモルタルです。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 7
購入したのは、スピーカーと同サイズのパッシブラジエーター(passive radiator)です。以前はドローンコーンとも呼ばれていました。要するに磁石のないスピーカーで、それ自身では音を出せません。ドライバーユニット付きのスピーカーとパイプなどで空気室がつながっており、メインのスピーカーが動くと空気の動きでパッシブラジエーター自身も振動します。ただし、空気の動きに100%同期するわけではなく、共振周波数で効果的に低音を補強します。
画像の手前の黒いパーツはゴム膜のようなものが張ってあり、中央に重りとなる板が貼り付けてあるタイプです。裏面もほぼ同じ見た目になっています。奥側がダイソー300円スピーカーです。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 8
今回のコンクリートスピーカーの空気室になる部分です。外径60mmの塩ビパイプを適当に切断して2つ貼り合わせました。単純に2つ並べるだけだと接触面積が狭すぎるため、片側の一部を取り除いて20mm×60mmの面積でつなげています。これが40mmの深さでモルタルに埋もれる形で空気室を形成します。今回はパイプに切れ目を入れずに使いましたが、コンクリートから剥がすときは最初にパイプを切っておいた方が遥かに楽だった筈です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 9
養生テープで隙間がないように全体を覆いました。特にパイプの底面は重要です。底面に隙間があるとモルタルが流れ込んで大変なことになります。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 10
今回のエンクロージャーの型枠は、ダイソーの積み重ね収納ボックスの小型のものです。その中に2つ横に繋いだパイプを浮かべるように配置します。このとき、片側の底面にストローを刺して収納ボックスの底面とつなぎます。収納ボックスの底面に穴をあけて直径3mmほどのビニール紐を貫通させ、パイプの底面とボックスの底面をストローで固定します。紐の両端には結び目を作って抜けないようにしました。これが後でスピーカーケーブルを通す貫通穴になります。

今回使ったのはコメリのプライベートブランド「砂入りインスタントセメント」です。安かったのですが予想以上に良いモルタルでした。砂が調合済みなので、重量を量って指定された水を加えて混ぜるだけです。夏場の猛暑でなければ水量は少しだけ少なめに(蕎麦打ちの水分量をイメージ)。混ぜ始めは「水が全然足りない?」と思うくらいで十分です。

これを流し込む前に、灯油をキッチンペーパーに染み込ませて、ダイソー収納ボックスの内側とパイプの外側に薄く塗っておきます(離型剤の代わり)。軽く、スッと塗る程度で十分です。底のストローは塗る必要はありません。

モルタルを流し込んだら、バイブレーターでなるべく気泡を追い出します。業務用の専用品は不要で、マッサージ用のバイブレーターにマイナスドライバーをガムテープで固定し、モルタルの中に先端を突っ込んでグルッと数周かき回します。特に枠に近い側と底面を丁寧に気泡抜きをしたつもりでしたが、水分少なめだったため細かい気泡が少し残りました。大きな気泡さえなければ問題ありません。

コンクリートを打ったら、途中で触りたくなるのを我慢して24時間放置します。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 11
24時間後、まだ完全には固まっていませんが扱いやすい硬さになっていたので、キッチンペーパーを水で湿らせて型枠の内側に飛び散ったモルタルをきれいに拭き取ります。水分があれば簡単に取れます。これを怠ると後で型枠から中身を抜くのが大変です。次にパイプ2つを繋いだ空気室の枠を抜き取ります。切ってある方のパイプを内側に力を入れるときれいに剥がれます。今回は片方のパイプを切っていなかったのでワイヤーカッターでパイプを切って取り出しました。
空気室のパイプを取り出したら、上下をひっくり返します(上の画像)。スピーカーケーブルを通す部分に紐が通っていて、ケースの外側すぐのところに結び目が見えています。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 12
その結び目をニッパーで切り落とし、紐の切断部を型枠の内側に押し込みます。これで空気が入りやすくなり、プッチンプリンのような状態になります。無理のない程度に型枠ごと上下に揺すると、中身の重さで少しずつ下がってきます。モルタルの塊が半分ほど抜けたら直接掴んでまっすぐ引き抜きます。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 13
きれいに抜けました。このモルタルは初心者でも本当にきれいに仕上がります。空気室側の紐の結び目を引っ張るとストローもきれいに抜けます。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 14
空気室側の仕上がりはこのようになりました。見えにくいかもしれませんが、奥側の底にはスピーカーケーブルの穴も写っています。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 15
スピーカーとパッシブラジエーターの裏側の4辺に1mm厚のゴムシートを貼り付けます。オモテ側は45度斜めにゴムシートを貼ります。これで4隅のネジ穴は塞がれます。モルタルなのでネジ止めは使っているうちに砕ける可能性が高く、アンカーも論外です。モルタルが経年で痩せてきたときにスピーカーがガタつくのも避けたいため、ゴムシートを介してモルタルに接着する方式にしました。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 16
吸音材のメインはメラミンスポンジです。100均ストアで売っている掃除用の白いものです。カッターナイフでサクサク切れるので加工しやすさは抜群です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 17
今回は空気室が狭くスピーカーも小型なので、吸音材は薄めにしました。広いエンクロージャーならスピーカー裏面に吸音材は不要ですが、今回は空気室が狭いためスピーカー裏の金属部分の面積比率が大きくなります。そこで気休め程度に薄くメラミンスポンジを貼りました。ただし、スピーカーと側面の距離が近いので、裏面は必要最小限の面積に留めています(マグネットが大きいと空気の通りが悪くなりやすいため)。

空気室の側面はコットンシートを貼っただけです。接着はすべてエポキシ接着剤を使いました。

左側の底面(立てて使うときの背面側)にはスピーカーケーブルを通す穴があるので、ケーブルを通してからたっぷりのエポキシ接着剤で穴を完全に塞ぎます。奥まで充填しないと空気漏れが起き、パッシブラジエーターの効果が台無しになります。穴を塞いだら、底面にもメラミンスポンジとコットンシートを貼り、空気室の内側にはモルタル露出しないように全部覆いました。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 18
ゴムシートを付けたスピーカーとパッシブラジエーターは、エポキシ接着剤でモルタルに固定します。完全に密閉するため接着剤はふんだんに使用します。音の面ではゴムシートの有無による影響は現時点ではわかりません。
ここで、想定より前面側のコンクリート面が狭いことに気づきました。コンクリートを継ぎ打ちする際に面積が狭いと剥がれやすくなるため、次回作では要検討です。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 19
セメントを継ぎ打ちするための外枠は、ダイソーケースの底面を切り落としたものを使います(1つだけ)。すでに固まっている上面(スピーカー前面側)の表面を金属ブラシで擦って荒らしてから枠を付け、スピーカーとパッシブラジエーターの上には円筒を貼り付けます。この円筒はクリアケースの樹脂シートを必要な直径に丸め、内側底面側にガムテープを3mmはみ出して巻いたものです。隙間があるとモルタルがスピーカーの上に流れ込むので要注意です。
円筒を付けたら、上面のモルタルに霧吹きでたっぷり水を吹きかけます。これを省略すると継ぎ打ちしたモルタルが密着しません。今回は継ぎ打ちが15mm程度と薄いので、外枠に灯油は塗らなくても大丈夫です。

先に使用したコメリのインスタントセメントがもう無かったので、家庭科学工業の「日曜セメント」を使いましたが、コメリのものより水分量の調整が難しかったです。水は少なめが重要ですが、足りないと砂っぽく、少し足すとベシャベシャになります。計量して混ぜたものの足りない気がして少し足したら水っぽくなってしまいました。水分が多いと強度が落ちるため良くないのですが、残りが少ないのでやり直せずそのまま継ぎ打ち。結果、バイブレーターを入れたら液状化して表面に水が浮き、乾いたときにバイブレーターの跡が凹になりました。また、枠と接していた部分がボロボロに…。色もグレーだったので継ぎ目が目立ちました。ただし水分多めだったため、継ぎ打ち部分は見た目上一体化しているように見えます(強度的には問題ありそうです)。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 20
継ぎ打ちしてから24時間はさわらずに我慢します。24時間が過ぎたらスピーカーを保護していた円筒を慎重に剥がします。円筒の外側から内側に力を入れて1周し、円筒内側とスピーカー外周に張り付いたガムテープも、スピーカーのコーン外周部(他所の記事でウレタンエッジと書いてあったのでウレタンだと思っていましたが、実際はビニールエッジのようです)を傷つけないよう注意して剥がします。ダイソーケースの外枠は四辺を内側から指で押して剥がし、すぐに抜かずさらに1日固まらせてから抜きました。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 21
水分が多かった影響で固まって余剰水分が抜けると「ひび割れ」が発生しました。表面だけでなく結構深いひびのようで怖いです。また、表面に水が浮いたせいでセメント成分がボロボロになっています。ブラシで擦ってある程度除去しました。ディスクグラインダーで表面を削ってきれいに仕上げたいところですが、継ぎ打ち部分から剥がれそうなので今回は見送りです。エンクロージャの角の部分やスピーカーホールの縁の部分はモルタルが上下逆のレの字状に崩れやすいので、ある程度は仕方ありません。今回はこの状態で完成とします。

「あれっ、パッシブラジエーターに重りを増減して共振周波数を調整しないの?」
ド素人の家にそんなことをするための測定器はありません(断言)。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 22
スピーカーの側面方向から光を当てて表面の凹凸を強調して撮影しました。左側のスピーカーの右辺から下辺にかけてのバイブレーター通過跡の凹みが特に目立ちますが、これは影の強調効果で、実際は記事冒頭の写真程度の見栄えです。それでも完璧にきれいとは言えません。

ダイソー300円USBスピーカーをコンクリートスピーカーにする 23
スピーカーエンクロージャ背面側です。こちらは細かい気泡はありますが、型枠とモルタルの相性が良く一応きれいに仕上がりました。スピーカーの下に敷いているのは家具の脚によるキズ防止のためのスポンジパッド(昔ダイソーで買ったもの)です。左右で色が違うように見えますが、光の影響で実際は同じ色です。

コンクリートスピーカーを聴いてみた。

赤黒のスピーカーケーブル(オーディオ用ではありません)を、元のダイソー300円スピーカーの内蔵アンプにハンダ付けで繋ぎました。アンプまで変えてしまうと改造前との比較ができなくなるためです。

音を鳴らしてみたところ、まず、音量が違います。これはパッシブラジエーターが効いていると思われます。ダイソーアンプの音量ダイヤルに印を付けて、改造前と同じ条件で録音して比べても明らかに音量が増えています。

重量のあるコンクリート(モルタル)の塊のおかげで、元のペラペラ樹脂エンクロージャーのようなホワホワした反響音や雑味がなくなり、中域から高域がとても自然で豊かに聞こえます。必要な部分はサクッとキビキビした印象です(ただし若干硬めの音色になるので、人によっては気になるかもしれません)。苦労したからという贔屓目ではなく、本当に改善しています。特にクラリネットやトランペットの中域の軽やかな音がよく出ます。ただ、低域はやはりほとんど出ていません。イコライザーで低域をバッサリカットしたような音です。それでもパッシブラジエーターのおかげで、改造前よりピアノの中低域は改善しました。ベース音もわずかな改善止まりです。これは低音が出せるアンプに交換しないとどうにもなりません。

以前「がとらぼ」でも紹介した2000円以下の定番スピーカーLogicool Z120BWとも比べてみましたが、以前「音が良い」と褒めたのが恥ずかしくなるくらい、実はホワホワした音だったと気づきました。音の自然さではZ120BWよりこのコンクリートスピーカーの方が遥かに勝っています。

低音はZ120BWの方が少し出ていますが、それもホワッとした低音です。軽量・小口径スピーカーではズンズンする力のある重低音は難しいですね。

今回作ったコンクリートスピーカーはデスクトップPC用として使う予定です。

というわけで、コンクリートスピーカーの音はとても気に入ったので、いつかダイソーの大きい積み重ねケースを使って直径10cm程度のスピーカーで新たなコンクリートスピーカーを作る予定です。次回は継ぎ打ちではなく1回の流し込みでスピーカー+空気室を一緒に沈め込む作り方に挑戦します。だいぶ大きくなるので、ただのモルタルではなくガラス繊維を混ぜた強化コンクリートにしたいと思います。

書き忘れていましたが、このエンクロージャーは片側で2.4kgです。元の樹脂エンクロージャーが中身入りで130g程度だったので約18倍、内臓を抜くと40g程度なので約60倍の重さになります。ヘボい人用のダンベルくらいの重さなので、足に落としたら骨が砕けるかもしれません。

モルタルなのでとにかく安価です。10kgの袋に入った砂入りインスタントセメントで500円前後。普通のセメントならもっと安くなります。型枠の100均ケース、メラミンスポンジ、端材のパイプやケーブルなどを使ったので、ダイソースピーカーの他には1000円かかっていません。最近流行りの高級スピーカーには音質で負けるかもしれませんが、コストパフォーマンスは抜群です。そういえば、ガッチガチに固めるという点では「純セレブスピーカー」とは真逆のアプローチですね。

関連記事:

NECの家庭用Wi-Fiルーター Aterm WG1200HS3

Wi-Fiルーターというのは、購入したら技術的に時代遅れになって買い直すのでもなければずっと使えそうに思えるけど実は消耗品。だいたい2年もすると無線通信部分の挙動が怪しくなり始める。それですぐに使えなくなるわけではないけど時々途切れるとか何か微妙にヘンというのが続いて、ある日完全に無線通信が使えなくなる感じ?機械的に動く部品が入っているわけでもないのになんで消耗品なのかは知らないけど実際そうなんだから仕方ない。Wi-Fiルーターを購入するならその時から次の購入も計画しておかなくてはならない。

家庭用ブロードバンドルーターとして使っているなら無線が壊れても有線のルーターとしては使えるけど、「がとらぼ」の中の人はWi-Fiルーターはルーターとして使っているわけではなくてWi-Fiのアクセスポイント(ブリッジ)として使っているのでWi-Fi部分が壊れるとその機械はもう何の役にも立たない。だから個人的には2年で交換を前提で購入予定を立てるようにした。そうすることにしたのは最近になってからだから、まぁエラそうなことは言えない。

ところで、フレッツ回線を契約しているとポイントが溜まって商品等と交換できる。残念ながらNTT東日本のフレッツ光メンバーズクラブだとロクなものがないが、NTT西日本のCLUB NTT-Westだとだいたい1年毎に6000円分くらいのポイントが貰えてルーターを含むいろんな商品を得ることができる。といっても、家電量販店で廉価に購入できる製品がけっこう割高価格相当で、ラインナップも残念な製品が多いけど。幸い西日本の実家用にフレッツを1回線契約しているのでおよそ4年で家庭向けWi-Fiルーターを3台得られる計算になる。4台のWi-Fiルーターを2年毎に更新する計画なら4年で8台必要なので5台購入すれば良いことになる。3台買わなくて済むとなると地味に助かる。NTT東日本もNTT西日本なみにサービスを改善してくれたら良いのにね。

本当はXiaomi, Huawei, TendaあたりのWi-Fiルーターを買って、さすがにそのまま中華製品を使うのは怖いのでファームウエアをOpenWrtにしたい(新しめの機種の対応が厳しいが)とか思うんだけど、それをやっちゃうと技適警察の人に怒られるのでブログには何も書けなくなるのよね。

で、今年は初めてNECの家庭用Wi-Fiルーター(ブロードバンドルーター)を選んでみた。それがタイトルにあるAterm WG1200HS3。5GHzの2x2 MU-MIMOのIEEE802.11acで理論値最大867Mbps、2.4GHz側は最大300Mbps、合わせて最大1167Mbps(≒1200Mbps)というのがウリらしい。IEEE802.11ac対応だから最近の言い方だと一応Wi-Fi 5。
フレッツのポイントで引き換えできる景品級なのでNECの家庭用ブロードバンドルーターのラインナップの中では下位の機種。2ストリームとなってるからまぁそんなんでしょう、この機種はアンテナが本体から飛び出てないから判らないけどアンテナが2.4GHz, 5GHzそれぞれ2本ずつと思えば良いかと。書かれている同時接続台数は15台、これは快適に利用できる範囲の最大数とのことなので15台を越えてはいけないということではなさそうだけど、まぁ家庭用のWi-Fi APなら普通は10台は越えないようにするよね。(1台あたりの同時接続数を考慮してもそんなもん)

Aterm WG1200HS3 1
Aterm WG1200HS3のパッケージ。昔からあまり代わり映えしない雰囲気。表面が波打ったダンボールに印刷してるので船の外板の「やせ馬」みたいな感じであんまり良い印象がない。潔く普通のダンボールに必要なことだけ記載で良くない?右に在るのは大きさ比較用のウェットティッシュの入れ物。

Aterm WG1200HS3 2
上蓋を開けて説明書をめくるとこんなの。右下に本体。左下にACアダプタ。右上に縦置き用の脚。左上にLANケーブル。左上寄りのダンボールの大きな箱みたいなのはスペーサー。じゃあこんな大きな箱要らなくない?

Aterm WG1200HS3 3
本体の正面側。(インジケーターが光るのが見える側)
右隣がACアダプタ。
こうして見ると本体は家庭向け据え置き用としては小型だなぁと。最近は家庭用でも横幅がPCのフルキーボードくらいのデッカイのもあるもんね。(アンテナをこれでもかと言わんばかりに生やすために)

Aterm WG1200HS3 4
RJ45ソケットが並んでいる側。
左から電源アダプタの挿さるソケット。
RJ45のWAN側。(とはいえ、APモードだとLANに繋がる側だけど。)
L2SWとして3ポートがLAN1〜LAN3。
上の画像だと暗くて見えにくいけどモード切替スイッチ。
らくらくスタートボタン。なんだそれ?

Aterm WG1200HS3 5
背面側。工場出荷時(フルリセット時)の設定が書かれている。MACアドレスも。(これはユーザーによる変更は不可の値)。
LAN内に稼働中のDHCPサーバがあってAtermにDHCPで固定的にアドレスを割り当てるならDHCPサーバにMACアドレスと割り当てたいIPアドレスを登録する。今回はDHCPでIPアドレスを割り当てずにAterm側の設定で静的IPアドレスを設定する。
赤枠の部分が接続と設定に必要な情報。Web PWはウェブ管理画面にアクセスするためのパスワード。SSIDの2つは2.4GHzと5GHzの初期SSID。暗号化キーはWi-Fiで接続するときに使うパスワード。上の画像では敢えて隠していないけど、赤枠部分は基本的には他人には知られてはいけない情報。あくまでも初期状態がこの値というだけなので変更して使うのであれば、この白いシールに書かれている赤枠部分の情報(初期値)は公にしても大丈夫。まぁ当然変更して使ってます。

Aterm WG1200HS3 6
付属のLANケーブル。折り曲げクセがあって短いのは使い勝手悪いのよね。まぁ使わないかな。ケーブルの種類はCat.5eということで必要十分で問題は無い。ただし、ちょっとだけ興味がある程度の初心者だとCat.6でないと速度が出ないんじゃないかと思う人もいるかもなのでケチくさいことをせずにCat.6を付けた方が良い気もしないでもない。Cat.6にしたところで実利用の範囲で速度的には変わらないし、Cat.6はケーブルの中の十字の仕切りのせいで硬くて取り回しし辛いからやっぱりCat.5eが正解か?
なお、Cat.7は論外でNG。家庭用ブロードバンドルーターの類はUTPのソケットだからCat.7を含むSTPケーブルはダメよ。「Cat.7(STPケーブル)はシールドがあるからノイズに強いんじゃない?」っていうのも両端がSTP対応機器で且つ両端の機器が等電位ボンディング(低インピーダンスな状態)でアースしてないと実際は思惑と反対に作用するから。つまり長いシールドが途切れた状態は逆に「アンテナ現象」でノイズを拾うのでダメ。ノイズ拾うといっても家庭レベルのノイズだと速度低下は僅かだけどね。家庭向け機材で高いケーブル買う価値は無いし、そもそも家電量販店とかで販売されてるCat.7ケーブルというか、RJ45コネクタなのにCat.7(準拠)って銘打ったケーブルってそもそもCat.7じゃありませんからぁ・・・・残念!!
家電量販店のCat.7は情弱向けの騙し商品。憶えておこう。

シールドがダメってCat.6AのAXテープはどうなのよと思う人がいるかもだけど、AXテープはSTPケーブルのシールドと違い、ランダムな間隔で短く(非連続で)付けられているのでノイズを押さえEMCの低下は少ないということになっています。でも、Cat.6Aは10Gpbsの企業向けだから家庭用で買うもんじゃないよ。

Aterm WG1200HS3 7
(ケーブル類が挿さる側に戻って、) 今回はルーターとして使うのではなく、Wi-FiのAP(アクセスポイント)として使うのでモード切替スイッチはBR (BRidgeの略?)に切り替える。WG1200HS3ではこの切替スイッチは真ん中がBR。
そして、WG1200HS3をLANに接続する前にネットワーク設定をするのであれば、先に右の「らくらくスタートボタン」を押した状態で、WG1200HS3に電源を接続する。(次)

Aterm WG1200HS3 8
電源投入から30秒程度ボタンは押したまま。1番下のCONVERTERのインジケーターがピカッ・・・・・・・・・ピカッ・・・・・・・・・・ピカッと点滅するようになったらボタンを離す。それでブリッジモードで且つWG1200HS3のDHCPサーバ機能がONの状態で起動する。う〜ん、30秒押し続けるのツラい。全然「らくらくボタン」じゃない・・・

既にLAN内にDHCPサーバが居てネットワークにいきなり見知らぬ機器を繋いでもIPアドレスが割り振られる家庭環境であればあればWG1200HS3のWANポートとLANケーブルで接続して普通に電源投入すればDHCPのクライアントとしてLAN内でIPアドレスを取得するする筈。IPアドレスが何になるかは arp -a などでLAN内のMACアドレスを調べてWG1200HS3背面のMACアドレスと比較すれば判る筈。(ただし「がとらぼ」の中の人の環境ではこれは試せないので未確認です。ごめんなさい。)

Aterm WG1200HS3 9
WG1200HS3が立ち上がったらPCやスマートフォンでWG1200HS3に接続する。今回はWindows 10で。
Windows 10では画面右下の地球アイコンからWi-Fiの接続切替画面が表示される。WG1200HS3が起動していればWG1200HS3のSSIDが表示される。今回使用したPCは2.4GHzのみの対応なので2.4GHzのSSIDしか表示されていない。

Aterm WG1200HS3 10
表示されているSSIDをクリックすると「接続」ボタンが表示されるので押す。

Aterm WG1200HS3 11
WG1200HS3の背面に書かれている暗号化キーを入力する。
「次へ」を押す。

Aterm WG1200HS3 12
「インターネットなし、セキュリティ保護あり」が表示されればOK。「インターネットなし」はWG1200HS3がインターネットと接続されていなくてインターネットには繋がらないという意味。今回はまだWG1200HS3をLANにさえつないでいないのでこれでOK。WG1200HS3とLANをケーブルで繋いで普通に電源を投入したなら「インターネットなし」ではないかもしれない。

Aterm WG1200HS3 13
ブラウザを起動する。
URL入力欄に 192.168.1.210 を入力して[Enter]。
今回の起動方法ではIPアドレスはこれになる筈だが、WG1200HS3をLANケーブルでLANと繋いで普通にWG1200HS3を起動したなら違うIPアドレスが割り当てられているかもしれない。その場合は先にも書いたがarp -aなどで調べ、そのIPアドレスを入力する。若しくは先にDHCPサーバ側にWG1200HS3のMACアドレスを登録して特定のIPアドレスがWG1200HS3に与えられるようにするか。

Aterm WG1200HS3 14
正しく接続されていてIPアドレスが合っていればログイン画面が表示される筈。
ユーザー名はadmin固定。パスワードはWG1200HS3の背面に書かれているWeb PW。(これは設定画面で変更できるが先に設定画面にログインしなくては話しにならない)
「ログイン」ボタンを押す。

Aterm WG1200HS3 15
ログインしたらメイン画面が表示される。今回はブリッジモードで起動している筈なので「動作モード」がそれであることを確認する。違うのだと困る。
下のメニューから「基本設定」→「基本設定」をクリック。

Aterm WG1200HS3 16
初期値は「DHCPクライアント機能」がオンになっているので、LAN内にDHCPサーバが居て知らない機器にもIPアドレスを割り振る設定ならWG1200HS3に勝手にIPアドレスが与えられる(筈)。
「DHCPクライアント機能」のスイッチをオフにする。これでその下のネットワーク設定が変更できるようになる。
IPアドレスとネットマスクはWG1200HS3に与えるIPアドレスとそのネットワークの大きさ指定。
ゲートウェイはWG1200HS3を参加させるLANから他のネットワーク(インターネット含む)に出るためのルーターのIPアドレス。今回はブリッジ(AP)モードなので閉鎖ネットワークでなければ他にルーターが居る筈。
DNSはWG1200HS3から到達できる範囲にあれば何でも良い。つまり参加させたLANがインターネットにつながっているならインターネット上のDNSでも良いし、到達できるならWG1200HS3を参加させたLANとは別のネットワークにいるDNSでも良い。もちろん、WG1200HS3を参加させたLAN内のDNSでも良い。これはWG1200HS3自身が使う名前解決用らしいので、WG1200HS3の設定画面からオンラインでファームウエアの更新などをしないなら指定無しでも良いかもしれない。(未確認)

Aterm WG1200HS3 17
一番下までスクロールして「設定ボタン」を押す。

Aterm WG1200HS3 18
「今すぐ再起動する」で再起動後に設定した内容が有効になる。つまり、再起動後はWG1200HS3のIPアドレスが変わるのでウェブ設定画面を表示するためのIPアドレスも変わる。
ここまで設定してきたPCは一旦Wi-Fiを切って再接続する方が良いかもしれない。

Aterm WG1200HS3 19
設定画面に再度ログインし、メイン画面から「Wi-Fi(無線LAN)設定」→「Wi-Fi詳細設定(2.4GHz)」と、「Wi-Fi(無線LAN)設定」→「Wi-Fi詳細設定(5GHz)」をそれぞれ設定する。
SSIDと暗号化キーは、このWG1200HS3が別のWi-Fi APからのリプレースであればリプレース前の設定と同じにするのがオススメ。そうすればそのWi-Fi APに接続する個々の機器側は設定を変更しなくてもそのまま使えるのでラク。そのためには最初からSSIDを初期値の「機種名+英数字」(WG1200HS3だとaterm-xxxxx)みたいなのではなく、オリジナルの名前などにしておくのがオススメ。でないと、たとえばエレコムでelecom-xxxxxっていうSSIDを使っててAtermに変えたのにelecom-xxxxxってSSIDを使うのはなんかマヌケでしょ?
これも設定を変更したら保存して再起動。他に同時に変更する項目があるなら再起動は後回しにしてそれら全てを変更して保存し、最後に再起動でも良い。

Aterm WG1200HS3は特にわかりにくいところはなかったが、ブリッジ(AP)モードでDHCPオンにして起動する方法がドキュメント無しでは無理だと思った。電源投入時にボタン30秒押しは長いわ。他はブラウザで設定画面を開くためのURL以外ドキュメントは要らないくらい簡単。今回はブリッジ(AP)モードだから特に簡単。ルーターモードだとインターネットに繋ぐ部分の設定がもしかしたら初心者には難しいかも。(他機種と比べてAterm WG1200HS3が難しいという意味ではない)

唯一まったくわからないのは「TVモード」、なんだそれ?どういう技術でどういうときに利用されるの?付属の説明書にはインジケーターに「TVモード」があることが書かれているだけで他まったく説明なし。そんな意味のわからないインジケーター付けるより、5GHzで使用中のチャンネルでレーダー波を感知してDFSが作動したときに目立つようにビッカンビッカン光らせるようにした方が良くない?「なんか突然通信が切れたけど壊れた?機種の不具合?」と思う初心者にもDFSのことを周知させる方が良い筈。で、そのDFSのことが説明書になんて書かれてるか。「親機としてご使用になる場合」の「ランプの説明」の項目。「5GHzランプ 橙(点滅)」「5GHzがW53、W56で動作している場合に、干渉する電波(レーダー波)がないか検出しているとき」
はい?何を意味しているのか全然わからないですね。DFS作動後にそのチャンネルを再度使う前に行う1分間のスキャンのことを言ってるのかしら?そんなの通知してもユーザーに1㍉も意味なくない?
ユーザーに知らせるべきは「ただいま5GHzで利用中だった通信を切断しました。切断した理由は通信に使っていた(W53 or W56の)チャンネルでレーダー波を感知したからです。レーダー波を感知したら通信を即座に停止しなければならないのは規則です。」これでしょ?そのために、DFSで通信断にしたらユーザーに知らせるべく派手にベッカンベッカンさせる。ユーザーが希望すれば通知オフはありとして。
考え方間違ってるかな?

2020年5月19日追記:
すっかり書くの忘れてたけど、使った感想。
APとしての利用なので全く何にも思うところがない。(だから書き忘れた)。つまりWi-Fi接続で問題は何も起きていない。新品でWi-Fiが途切れるまくるとかは返品レベルで、何も問題が発生しないのが普通。なお、W53,W56でレーダー受信たときに通信が切れるのは不具合じゃないから。(メーカーはそこをわかり易くした方が良い)
あえて書けば、売り文句の1つである「広範囲通信向けのハイパワー」は一応効いてるっぽい。ノートPCで離れて電波状態を見たら、リプレース前の機器よりは電波レベルは高かった。ところで、この「ハイパワー」って何?電波の出力は他の機種も大して変わらないよね?上限決まってて何処のメーカーもある程度それに近いので作ってるハズだし。

Up