車のヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換

実家のクルマは古いので昔ながらの橙色のハロゲン灯。これは正直とても暗いので運転のド素人かつ鳥目(夜盲症)の傾向がある「がとらぼ」の中の人は夜に運転するのにとても困るし怖い。
そこで、最近はすっかり安くなったLEDのランプに交換することにした。
古いクルマということもありヘッドライトのユニットがリフレクタ式でハロゲン灯なのでフィラメントの位置が重要。光源の位置が正しくないとリフレクタの設計通りの方向に光が飛ばない(配光)。最近のクルマはHIDバルブや最初からLEDバルブでヘッドライトユニットはプロジェクタ式になっていてヘッドライトユニットの中にある目玉のようなレンズで光を収束させて前方を照らす。方式自体が違うのでそこを無視してデタラメにLEDバルブを選択してしまうと失敗する筈。
今回はハロゲン灯を模したLEDバルブを購入することに。

リフレクタ式ヘッドライトユニットに、正面方向に遮るものがなく光が出るタイプのバルブを取り付けると、水平より上方向への光がダダ漏れになるので対向車の運転手が幻惑します。危険なのでリフレクタ式ヘッドライトでは絶対に正面への光が遮られていて上と下に光るバルブを使って下さい。(元のハロゲン灯と同じ光り方をするものです)

そして、最近まではLEDバルブは後側にヒートシンクと冷却ファンが飛び出て付いているのが多かったが、最近は後ろに飛び出ずにほぼハロゲン灯のサイズ(ということになっている)LEDバルブをちょくちょく見かけるようになったのでそういう製品を選んでみた。エンジンルーム内が狭くてバルブが後ろに僅かでも飛び出していると入らないというようなクルマに向いている。うちのクルマは僅か数センチが入らないというほどは狭くないけど。

AILEO Fighter H4 Led 9003 HB2 Car Headlight Bulb

2個セットで2600円程度、1灯なら約半分の1400円程度でとても安い。
12V/24V車で使用できる(実際は6V〜36Vまでいけるらしい)H4コネクタ対応バルブ。
ハロゲン灯を模したタイプ。
LEDチップは最近流行りのベース直実装のCSPチップというやつ。
消費電力はペアで使って80W (1灯40W)。ハロゲンは1灯50〜60Wなのでそれよりは少し省エネ。
色温度は6000Kで太陽より少し白っぽい程度。青白ではないので色だけに限れば車検も通るはず。
明るさは1灯で8000lmということになっているけど、これは怪しいし、しかも最大電力時の光量なのでクルマでの実使用ではどうかしら?
想定されている寿命は5万時間以上。中華製品なのでこれも怪しいけど。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 1
中国郵政の書留便で届いた。この便は最近は一時期ほどは遅くなくて、今回も注文から9日で届いた。なお、これは10月上旬の到着なので独身の日やブラックフライデー、クリスマス、国慶節などが絡むともっとかかるかも。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 2
外装のビニール袋から取り出すとこんな梱包だった。ビニール筏みたいなのだが結構丈夫なやつで空気圧も高めになっているので角打ちでなければ多くの衝撃は吸収できそう。プチプチよりずっと良いかも。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 3
外箱は高級品を演出? 外箱なんかどうでも良いので中身が高品質なのが欲しいのよね。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 4
今回はクルマのヘッドライトなのでバルブ2個入りを購入した。なので箱の中に2つ入っている。アルミ製なのでここまでの見た感じは悪くないよね。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 5
バルブの後方側。今回装着するクルマはH4コネクタなのでそれに合ったもので3極出ている。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 6
本体の下面。ヒートシンクを冷やすための冷却ファンが見えている。つまり、バルブの固定金具よりも先側(ヘッドライトユニットの内側)に冷却ファンがあるということになる。爆熱だとヘッドライトのユニット内で空気が循環するのはどうかしらと思うけどハロゲンよりは熱が少ないだろうし、ホコリだらけのユニットの外(エンジンルーム内)で冷却ファンを回すのよりは良いのかもしれない。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 7
飛行機・新幹線の先端みたいな形状のところにある黄緑色の四角2つがLED。先端方向が覆われているのはハロゲン灯を模しているなら当然だけど、根本側のヒートシンクが大きすぎてその方向の光が邪魔されていないかしら?

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 8
説明書などは入っていないので外箱の裏面に書いてある注意書きのみ。たぶん読まないと思うけど。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 29
交換前のヘッドライトを点灯状態で撮影。暗い上にオレンジ色なので古臭い印象がとても強い。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 9
交換前のハロゲン灯の光り方を近所のシャッター前で確認してみた。道路とシャッターのある建物はまっすぐ(水平・垂直)な筈だと思うけど、撮影しているクルマがある場所が左下がりの斜めなのでごめんなさい。また、本来は2.5mで見るらしいけど、倍の5m離れています。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 9a
上の写真にカットラインと特に明るい部分を示した。明るい部分はエルボー点近くの左側僅かに下側の筈。車検ではそこで光度を測定する筈なのでそこが暗いと車検が通らない。元がこんな感じなので交換後もこのようになれば良い。カットラインは右ハンドル車(左車線走行想定)ならエルボー点から左上に跳ね上がり、左ハンドル(右車線走行想定)ならエルボー点から右上が跳ね上がる。この写真ではクルマが左に傾いた場所にあるのでちょっとVっぽいけど一応左上に跳ね上がっている。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 10
ハイビームのときはこんな感じ。左下が下がってるのは前述のとおり。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 11
実家近くの殆どクルマが通らない周囲がひたすら真っ暗な道(農道?)に行ってみた。写真はすっごい暗いけど、本当にこんな感じなので凄い目を凝らしても怖くて夜は走れないの。
これはハイビーム時。以下、この場所の撮影はカメラをマニュアルの固定設定で、現像もすべて同じ値にしているけど、それでも撮影時に勝手に補正してしまう部分があるようなのでご容赦。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 12
ロービームにすると先が全く見えない。

ここから交換。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 13
マルチリフレクタのヘッドライトなのでユニットの中はガランドウでハロゲンバルブと左下側のポジション球がコンニチハしている。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 14
このクルマは運転席側のヘッドライトバルブの交換は広くて簡単なのだが、助手席側のヘッドライトはヒューズボックスとケーブル類が邪魔で非常にやりにくい。狭いと手に力を入れ難いのにアレもコレも硬いので本当に苦労した。

H4バルブのコネクタ(カプラ)は回そうとしないでまっすぐ後ろに引き抜く

バルブ未交換車は硬くてなかなか抜けないことも。車種によってはカプラに爪が付いていて左右から挟むように力を入れて後ろに引き抜くのもある。ツメのある場所の深さはモノによって違う。抜けないからといって無理やりバカ力で抜き取ろうとすると固定金具を外さないでバルブ本体を抜こうとするのと同じになるのでバルブの固定金具の台座を壊す可能性がある。あくまでも最初に外すのはコネクタ(カプラ)だけ。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 15
本来はH4ソケットを抜いてゴムキャップを外して止め金を外すという順なのだが、ゴムキャップとバルブが固着していてどうしてもゴムキャップが取り出せない状態になっていた(左右共に)。仕方がないのでゴムキャップの輪っかの部分だけ半分外して手を突っ込んで止め金を外したが、ゴムが邪魔で止め金が動かなくてこれを外すだけで30分ほど格闘した。上の写真は、その固着したゴムキャップとバルブ。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 16
マイナスドライバをゴムキャップの先端側に突っ込んで抜く方向に優しくゴリゴリと2〜3周してやったらゴムキャップを破損せずに外すことができた。ただし、これはお持ち帰りして数日後のこと。(左右とも)

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 17
運転席側のヘッドライトに新しいLEDバルブを突っ込んだが、あと僅か直径1mmほどバルブが大きすぎて正しい位置まで入らない。予想していなかった部分で困った事態に。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 18
大きさを測ってみることに。バルブ本体の太さが約35mm。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 19
バルブを固定する金具部分からロービーム用のLEDの中心までが約37mm。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 20
バルブを固定する金具部分からハイビーム用のLEDの中心までが約29mm。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 21
元々入っていたハロゲン灯の固定金具からロービーム用フィラメントの中心までが約35mm。約2mm短いというか購入したLEDバルブが2mm長い。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 22
ハロゲン灯の固定金具からハイビーム用フィラメントの中心までが約27mm。こちらも同じく約2mm短いというか購入したLEDバルブが2mm長い。ただし、金具の形状が違ってハロゲン灯の金具は2〜3mmの段になっているので、段の部分から測るとほぼ変わらないということかも。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 23
ヘッドライトユニットのバルブ用の穴が小さすぎるのでヤスリで削ることにした。写真は助手席側で、手の力が入らない場所なので削るのに非常に苦労した。運転席側が1時間かからずに削り終わったのに対して助手席側は数時間。実際には3週間(3回)に分けて行った。そして、軍手をすると感覚が判りにくいので外して作業したら手がスリキズだらけに。
ヘッドライトユニット内部が削りカスで真っ白になるのでポジション球を外してから作業した方が良いと思う。また、清掃には圧縮空気を使うのでコンプレッサーからホースが届くことが重要です。パソコン掃除用の缶のエアダスターとかはおそらく弱すぎてダメだと思う。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 24
交換後の点灯。期待通り光が白い。これでヘッドライトの光り方が古臭い印象が少し減りそう。ただ、レンズの汚れというか細かいキズがハロゲンよりも影響するのかポリカのカバーのせいで光が篭もる感じで強烈に眩しい(爆光)というほどではない。それでも元のハロゲンよりは明るいよう。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 25
交換前と同じく5mほど離れたシャッターにロービームを照射。距離が空いているのでくっきりではないが、カットラインはしっかり出ている。一番あかるい部分も交換前とあまり変わらないがやや左にずれているような。そのせいでエルボー点部分が暗い感じ。写真はカメラが自動で修正しているようで交換前の写真と同じ設定なのに実際より暗く写っている。色味のせいもあるかもしれないけど。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 26
ハイビームは正面はかなり明るい印象。ロービームで照らされていた近くの下方向は暗くなる。LEDの発光体はローとハイで同じものがそれぞれ6個(片面3つ、ただしぱっと見では細長い1つ)なのでローとハイでは発光量は変わらなくて照らす方向が変わるだけ。なのでハイビーム時に遠くを広く照らすリフレクタだとハイがとても暗く感じるかも。
写真だと右が暗い?これもカメラが何かを修正したっぽくて写真では実際より暗い印象になっている。目で見ると左右の差は感じなかった。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 27
真っ暗な道でロービーム。写真では暗いけど眼で見ると明るい。しかし、色味のせいか道端の草などはオレンジ色の光で照らした方が認識しやすいのかも。雪道もそうよね。

ヘッドライトのハロゲンバルブをLEDバルブに交換 28
同じく真っ暗な道でハイビーム。カメラのせいですごく暗くて全然写っていないし、手前もすごく暗い感じだけど、実際にはこんなに暗くないし遠くまで照らされていて照らす範囲も広い印象。(手前の方はハイビーム時は照らされないので暗い。)
とりあえず眼を凝らさなくても見える感じ。だだし、色味のせいで見えるものの印象は弱め。

24V車のヘッドライトユニットだと削らなくても最初から穴が大きいとかあるのかしら?
ハロゲン灯を外して代わりにポン付けできるというのが売りだった筈だが凄い苦労して取り付けることになった。うちのクルマはエンジンルームのバルブ周りがまだ広い方だろうけど、狭くてバルブ交換しにくいクルマだとユニットを外さないと削れないだろうし、そもそも削るってどうなのよというものある。リフレクタ式のユニットは光源からの反射をきっちり考慮して設計してあるので勝手に削ると意図した配光が崩れる可能性があるよね。
それでも、一応明るくて安くて高寿命(中華製なので信用できないけど)なので、(すぐに切れたりしなければ)この製品は悪くはないと思う。

忘れてたので公開直後に追記:
うちのクルマは一応ヘッドライトがマイナスコントロールということになっているのでコンソールのハイビームのインジケーター(運転席のコンソールの青ランプのこと)が点灯しないという症状が発生しないか心配していたけど、それは無かった。なので穴を拡げる作業以外は本当にポン付けなのよね。

2022年10月28日追記:
この記事のようにLEDバルブに交換し光軸調整など特に行わずに2回車検を行いましたが問題なく合格しています。
なお、「ウチのクルマ」では車検を通りましたが他のすべてのクルマで車検が通るとは限りません。

記事中に書いたようにハロゲンよりは明るいです。しかし、もっと明るいLEDバルブも出回っています。この記事のバルブはハイビーム時に最も照らして欲しい中央部分がやや暗い傾向です。この中央部を明るく照らすバルブもあるのでそういう製品の方がオススメかもしれません。(お値段高いです)

この記事のバルブは複数種類あるようです。ファンレスタイプもあるようで、そのファンレスの方が評価高めかもしれません。購入を検討されている方は確認の上、後悔しないようにご注文ください。

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