
7月12日にNanoPi NEO3の販売が始まったことに気づいてそのまま注文。メモリ1GBでオプションはケースだけ。
FriendlyArmから通知された荷物番号がシンガポールボストだったのでコロナ騒ぎ期間輸送が停まっていた印象が強くて届くまで2ヶ月か3ヶ月かと覚悟を決めてたのに拍子抜けするくらいあっさり届いた。
ただ、シンガポールポストの伝票の上に中華郵政(台湾)の伝票が貼られていて、その中華郵政の伝票番号が通知されなかったので日本到着後税関からの追跡情報がわからないまま突然配達された感じ。
2週間での順調な輸送だったからか外箱に大きな潰れはなく綺麗そのもの。これまでと違って箱がだいぶ薄い。中身スカスカで深い箱を使うからグッシャリ潰れるのよね。(外箱: 160 x 160 x 45mm)
内箱。以前は無駄に綺麗な箱に入ってたけど普通のダンボールになった。個人的にはこの方が好感。(内箱: 95 x 90 x 41mm)
中身はプチプチに包まれたケースに組み込み済みのNanoPi NEO3。ちなみに付属品は紙ペラ1枚無し。まぁ以前付いてた紙ペラは正直要らんかった。プチプチはほぼ普通のプチが直径1cmタイプ。ただしシートが両面のほんのちょっとだけ良いやつ。
NanoPi NEO3の本体は基板だけだが、最初からオプションのケースに組み込まれた状態。なので、NanoPi NEO3のヒートシンクが本体に付属するのかケースに付属するのかは不明なまま。ヒートシンクという販売オプションが存在しないのでおそらく本体付属品とは思うけど。
最初はこちらが正面かと思っていたのでNEO3ではNEO,NEO2で後側にあった給電用USBポート(旧はmicroUSB)が前面側に来たのかと思った。なお、NEO3ではついにType-Cになった。どっちでもいいけど。給電は5V/2AなのでMicroUSBでも変わらないのよね。ACアダプタは例によってダイソーのG208を使う。
そしてUSBのType-AのポートはNEO, NEO2ではUSB2.0だったが、NEO3ではついに3.0になった。これは切望してたものなので本当に嬉しい。
背面だと思ってた側。mircoSDカードのスロットとリセット穴とLEDインジケーターが2つある。MicroSDカードのスロットはバネ式でカードを差し込んで固定した状態でケースと面が合う状態。カードを抜く際は爪をスロットに当ててカードを押す感じ。ケースから飛び出てるよりは良いかな。使用中にmicroSDカードが抜ける心配は不要だと思うけど、どうしても心配だったらケースの上からテープを貼ってカードが抜け出るのを抑えてやれば良さそう。
画像中央より左上方向に見えてるSTAT, PWRがLEDインジケータ。PWRは赤いランプで電源が入っていればずっと点灯するみたい。STATは何かの状態用っぽい。FriendyELECが提供するNanoPi NEO3用OSイメージを使用すると、OSが起動すると緑のLEDがチカチカ点滅するみたい。NEO, NEO2と同じくLEDはユーザーが自由に制御できる筈。
で、インジケーターがあってこの面の方がスッキリしてるのでNEO3ではむしろこちらが正面かなと思ったり。PCとかもケーブルコネクタ側が背面だしね。
上下を逆さまにした状態。基板の下側(画像では上側)にたくさんのスリットがある。これは4面すべてにあって、中にヒートシンクが見えている。この白いNEO3のケースは外寸が53 x 53 x 38mmという小さいものなのでヒートシンクとケースの内側の間に冷却ファンを入れる隙間はない。並んだスリットの1つ1つは5 x 1mmなので正直なところ自然の風通しは良くなさそう。一応はヒートシンク側が下だっていうことみたいだし、中のヒートシンクも小さそうだし、放熱という面ではどうかなのしら?
ヒートシンクの大きさを見たかったしどんな風にSoCに取り付けられてるかも見たかったのでケースを開けたいと思ったけど、このケースはネジ式じゃなくてプラの爪で固定されてるっぽい。開封用のヘラとかテレカみたいなのがあれば開けられるかもしれないけど爪が折れてもイヤだし素材的に少なからずは結合部の変形または傷が付きそうな感じなので開けるのは諦めた。
いつもArmbianを使っているのでNanoPi NEO3でもArmbianを使おうとした。起動はしたし、DHCPでIPアドレスも自動設定されSSHで接続するところまではできた。しかし、Armbianの初期接続用の root / 1234 ではログインできなかった。テキトーにありそうなのも試したがすべてNG。ArmbianのNanoPi NEO3用は2020年7月27日時点ではまだWIP(Work In Progress)のステージなのでアチコチおかしくても文句は言えない。
そこで、Armbianは一旦あきらめて、FriendlyELECが提供するOSイメージを使用することに。NanoPi NEO3用WikiページにOSイメージのダウンロード用リンクがあるので、そこからUbuntu Core版をダウンロード。MicroSDカードに焼いてNaniPi NEO3を起動。これは、一般ユーザーの初期IDとパスワードは pi / pi 、管理者用は root / fa 。
これもDHCPのネットワークなら自動的にネットワーク設定されるのでarp -aなどで新しく追加されたホストの存在を調べてsshでログインするだけ。
ベンチマーク
$ suso apt update $ sudo apt install cpufrequtils
Armbianなら最初からCPUの周波数周りの情報を得られるけどFriendlyELECのイメージでは入っていないのでcpufrequtilsパッケージを追加インストールする。
$ cpufreq-info -s
408000:83572, 600000:2491, 816000:1012, 1008000:1985, 1200000:779, 1296000:3491 (1867)
408MHzから1296MHz(1.3GHz)まで使うみたい。で、OS起動後のアイドリングが多かったので408MHzで動いていた時間が長いっぽい。
UNIX Benchmarksをダウンロードして動かす。
$ wget https://storage.googleapis.com/google-code-archive-downloads/v2/code.google.com/byte-unixbench/UnixBench5.1.3.tgz $ tar -zxvf UnixBench5.1.3.tgz $ cd ./UnixBench $ ./Run -c 1 -c 4 #シングルと4パラレルの2回実施 ======================================================================== BYTE UNIX Benchmarks (Version 5.1.3) System: NanoPi-NEO3: GNU/Linux OS: GNU/Linux -- 5.4.40 -- #63 SMP PREEMPT Thu May 14 14:36:07 CST 2020 Machine: aarch64 (aarch64) Language: en_US.utf8 (charmap="ANSI_X3.4-1968", collate="ANSI_X3.4-1968") 06:26:45 up 20 min, 1 user, load average: 0.98, 0.53, 0.33; runlevel 5 ------------------------------------------------------------------------ Benchmark Run: Mon Jul 27 2020 06:26:46 - 06:56:25 0 CPUs in system; running 1 parallel copy of tests Dhrystone 2 using register variables 6323478.9 lps (10.0 s, 7 samples) Double-Precision Whetstone 1253.5 MWIPS (9.8 s, 7 samples) Execl Throughput 763.4 lps (29.8 s, 2 samples) File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 65414.5 KBps (30.2 s, 2 samples) File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 17665.5 KBps (30.0 s, 2 samples) File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 214384.7 KBps (30.0 s, 2 samples) Pipe Throughput 240266.7 lps (10.0 s, 7 samples) Pipe-based Context Switching 34742.7 lps (10.0 s, 7 samples) Process Creation 1445.8 lps (30.0 s, 2 samples) Shell Scripts (1 concurrent) 1887.2 lpm (60.0 s, 2 samples) Shell Scripts (8 concurrent) 584.4 lpm (60.1 s, 2 samples) System Call Overhead 396953.6 lps (10.0 s, 7 samples) System Benchmarks Index Values BASELINE RESULT INDEX Dhrystone 2 using register variables 116700.0 6323478.9 541.9 Double-Precision Whetstone 55.0 1253.5 227.9 Execl Throughput 43.0 763.4 177.5 File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 3960.0 65414.5 165.2 File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 1655.0 17665.5 106.7 File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 5800.0 214384.7 369.6 Pipe Throughput 12440.0 240266.7 193.1 Pipe-based Context Switching 4000.0 34742.7 86.9 Process Creation 126.0 1445.8 114.7 Shell Scripts (1 concurrent) 42.4 1887.2 445.1 Shell Scripts (8 concurrent) 6.0 584.4 974.0 System Call Overhead 15000.0 396953.6 264.6 ======== System Benchmarks Index Score 237.1 ------------------------------------------------------------------------ Benchmark Run: Mon Jul 27 2020 06:56:25 - 07:24:59 0 CPUs in system; running 4 parallel copies of tests Dhrystone 2 using register variables 25328528.8 lps (10.0 s, 7 samples) Double-Precision Whetstone 5010.0 MWIPS (9.8 s, 7 samples) Execl Throughput 2349.0 lps (29.9 s, 2 samples) File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 93186.3 KBps (30.0 s, 2 samples) File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 24195.5 KBps (30.0 s, 2 samples) File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 328497.0 KBps (30.0 s, 2 samples) Pipe Throughput 956477.1 lps (10.0 s, 7 samples) Pipe-based Context Switching 146859.6 lps (10.0 s, 7 samples) Process Creation 4088.7 lps (30.0 s, 2 samples) Shell Scripts (1 concurrent) 4704.9 lpm (60.0 s, 2 samples) Shell Scripts (8 concurrent) 626.3 lpm (60.1 s, 2 samples) System Call Overhead 1550078.2 lps (10.0 s, 7 samples) System Benchmarks Index Values BASELINE RESULT INDEX Dhrystone 2 using register variables 116700.0 25328528.8 2170.4 Double-Precision Whetstone 55.0 5010.0 910.9 Execl Throughput 43.0 2349.0 546.3 File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 3960.0 93186.3 235.3 File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 1655.0 24195.5 146.2 File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 5800.0 328497.0 566.4 Pipe Throughput 12440.0 956477.1 768.9 Pipe-based Context Switching 4000.0 146859.6 367.1 Process Creation 126.0 4088.7 324.5 Shell Scripts (1 concurrent) 42.4 4704.9 1109.6 Shell Scripts (8 concurrent) 6.0 626.3 1043.8 System Call Overhead 15000.0 1550078.2 1033.4 ======== System Benchmarks Index Score 602.9 $ cpufreq-info -s 408000:192820, 600000:3763, 816000:12140, 1008000:24824, 1200000:17065, 1296000:231971 (25607)一応、1296MHzで動いている時間がそれなりにあるのでベンチマーク計測中にこのOSで設定された上限の1.3GHzは使われている。SoCの温度が上がってクロックが落とされたかどうかは判らない。温度そのものを現在は見ていないし。
で、計測結果だけど正直なところ良くない。
事前にクロックが抑えられているという情報があったのでNanoPi NEO2より大幅に速いということはなさそうとは判ってはいたけど、計測してみたら3年前のNanoPi NEO2よりかなり遅い。
NanoPi NEO2のSoCはAllwinner H5で以前に計測したときのクロックは1080MHz。UnixBenchのインデックスはシングルが約300、4パラレルが約770。
NanoPi NEO3はSocがRockchip RK3328で、計測時の最高クロックは1300MHz。UnixBenchのインデックスはシングルが約240、4パラレルが約600。
つまり、UnixBenchのインデックススコアで比較するとNanoPi NEO3はNanoPi NEO2の8割の性能ということになる。
RK3328でもNEO2より速いSBCはあるし、それが1.5GHzで動いているようなのでNEO3が1.3GHzで動いていてなんでこんなに下がるのかしら?まぁ、インデックスでの比較だとSoCにあまり関係ない項目の評価も混じってるからSoCのクロックの差だけ気にしても意味ないんだけど。
それでもNanoPi NEO2とトントンくらいを期待してたから正直ガッカリ感がある。
これでUSB3.0も遅いとなるとNanoPi NEO3は期待ハズレになってしまうので、どうか期待程度には速度出ますように。
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私も同じnanopi neo3を入手し
UbuntuCoreベースのNanoPi NEO3用OSイメージを焼いてみましたが
SSHログインが拒否されてしまい、UIもないため全く状況も分からず苦慮しております。
貴殿は、無事SSHもできたということで特別な調整などを行ったのか知りたくコメントさせていただきました。
ご教示いただけますと幸いです。
不躾なコメント失礼いたしました。
よろしくお願いいたします。
この記事では先ずダウンロードしたarmbianのdebianの方がsshでログインできなかったのでFriendlyElecからダウンロードしたubuntu coreを使いました。ユーザー名とパスワードは記事中のものです。これは特に何かしたとかはなく、イメージファイルをTFカードに焼いてNEO3に挿して起動しただけです。
ちなみにログインできなかったarmbianの方も、NEO3を起動させた後しばらく置いてからだとログインできたというネット情報がありました。確認はしていません。
FriendlyElec提供のubuntu coreでも、起動後しばらく待ってみるのはアリかもしれません。