
実家に高齢の親がいるのだが、正直健康面で心配な部分がある。そこでリビングに生存確認用のカメラを置きたいと思った。これぞ本当のリビングカメラ。何をしているのか細かく観たいというものではないので画質はどうでも良い。むしろ動いていることさえ判れば十分。そこでESP32-CAMを置いてみてリビングカメラとしてお試し。良いようであれば改めて新しいカメラを買いたい。
基板むき出しのESP32-CAMそのままというのもあんまりなのでケースに入れることに。安さ優先でダミーカメラをケースにすることにした。全部で約1000円。
届いたダミー監視カメラ。カメラの形をしてるけど中はLEDだけでカメラなし。これはよく施設の天井などに張り付いてるようなタイプ。手前の単3電池4本は大きさ比較用。中身の価格が300〜500円程度なので箱も安っぽい。
箱の中身。ダミーカメラ本体と取り付け用ネジなど。取説なんてものは無い。単3電池は大きさ比較用。
ダミーカメラ本体も安っぽい。知らない人でも見た瞬間に本物のカメラじゃないってわかるくらい。
ウラ面は壁面(天井)取付用のネジ穴とLED点灯用の電池の蓋だけ。
AA電池(単3電池)2本が入るようになっている。今回は内蔵LEDを使わないのでこの電池入れには用はない。
ダミーカメラの中身。一応レンズの向きは変更可能だがLEDのコードに引っ張られて真上を向くクセが付いているっぽい。ドームは少し回すと外れるもの。
電池ケースからLED1個と抵抗1個が繋がったシンプルイズベストな回路。Arduinoで最初にやりたがる人が多いLチカに良さそう。
今回は要らないのでLEDを抜いて配線も切り取った。
同じく購入したESP32-CAMのDEVキット。ESP32-CAMの基板(約500円)の他にmicroUSB端子(w/USB-Serialチップ)などのMBモジュール基板が付いたもの。MBモジュール基板があれば普通のUSBケーブルでPCと接続するだけで通信できる。MBモジュール基板は必須ではないけど+100円程度と安価なので電子工作の類が苦手な人は一緒に買う(セットを買う)のがオススメ。
単3電池4本は大きさ比較用。
2段重ねの上側でESP32-CAMと書いてある方の基板が本体。下に見えている方がMBモジュールのハット基板。ハットなのに下側だけど。その右にあるのがカメラモジュール。このカメラモジュールはいろいろな種類から選べる。またフィルムケーブル(フレキシブルフラットケーブル)の長さも選べる。(購入するショップでの取扱いしだい)
で、カメラの標準の向きが90度違うことがあるので設置方法によってはそのカメラの向きは重要になってくる。勝手な推測だけどフィルムケーブルに書いてある型番の向きがカメラの向きだと思う。つまり向きの違うカメラを選ぶと標準の映像が横倒しになる。(それが良いという人もいるだろうけど)
ハットを外したところ。左の基板がESP32-CAM本体。右側の基板がESP32-CAM用のMBモジュール基板。これがあると厚みがだいぶ増すので邪魔といえば邪魔だけど圧倒的にラク。
ESP32-Sと書かれた銀色部分、これがESP32-Sの本体。この切手みたいな部分がまた基板になっている。これ自体がチップではないので銀色の板を外すといろいろ入ってる。
左上に技適に似たマークがあるけど似てるだけで技適じゃない。そもそも番号無いし。このマークは何処の国の認証なのかは知らない。何か言われたら「技適マークだと心の底から信じてた」と強弁する方法もあるかもしれないがオススメはできない。その下にFCCIDが書いてあるのだから素直に技適未取得機器の実験として特例申請をした方が堂々と使えて気持ち良い筈。なお、FCCIDで特例申請する場合はジャンパ抵抗を付け替えて外部アンテナ接続をするというのはNGかも。
カメラモジュールの取り付けは、先ずフィルムケーブル差込口の黒いバーを起こす。
カメラモジュールのケーブル端部を刺さる範囲で奥まで差し込む。
黒いバーを倒して元に戻す。
カメラモジュールのウラ面に両面テープが貼られているなら保護シールを剥がしてカメラモジュールをmicroSDカードスロットに貼り付ける。両面テープが付いていなければ自分で両面テープで固定するなり。フィルムケーブルが長いものであれば別の適切な場所に取り付ける。新品のカメラレンズ表面にはレンズの保護フィルムが貼ってある筈だが、間違ってレンズに手で触って汚したり埃がレンズ穴に入らないよう運用直前まで剥がさない方が良いかと。(上の画像だと緑のタブが付いた保護シートがレンズに貼られている。)
ダミーカメラにESP32-CAMを当ててみて最終的な取り付け位置を決定する。今回はESP32-CAMのレンズを(工作前の)ダミーカメラのレンズと同じ位置にしようと思った。
ダミーレンズが取り付けられた黒い板は簡単に外すことができる。その裏面を見ると2箇所ほど筒型に飛び出ている。その内の1つはLED格納用。邪魔なのでLEDを外して筒部分をカットした。
オモテ面のダミーレンズも邪魔なので切り取るが、ダミーレンズと同サイズの穴を開けた型紙などを嵌めてから切断すると余計なキズが付きにくい。上の画像では既に少しだけ切断を始めている。
削り屑が付いたままだがダミーレンズを切断した状態。さらにesp32-camのピンヘッダ(ピンソケット)が通る溝を2つ空ける。
溝が2つできた。この黒い樹脂は充填密度が低いのか素材が悪いのかクッキーみたいなボソボソなもの。ダミーレンズの切断部分は密度が高いようだが溝を掘った板の部分は切断面が「岩おこし」みたい。力を入れると簡単にパキッといきそうなので加工時は要注意。
ESP32-CAMのMBモジュールのピンソケットを通してみた。ちょうどピッタリ。
ピンソケットを通した状態でESP32-CAMの基板を嵌めた。
ダミーカメラ本体に取り付けた。予定どおりで上手くできた。
ESP32-CAMのMBモジュールのmicroUSB端子の位置に合うようにUSBケーブルのプラグが通るサイズの穴を空ける。
空けた穴にUSBケーブルのプラグを通してみる。ぴったりすぎると自由度が下がるので少し大きめに空ける方が良いかも。
あと、できればプラグが小さく短くケーブルが細く柔らかいものがオススメ。
USBケーブルを接続し、ダミーカメラのドームをかぶせた。(カメラレンズの保護シートがまだ剥がされていないが)こんな感じで完成。
カメラレンズの保護シートを剥がした。フィルムケーブルに8225N V2.0 171026と書かれているが、この文字の向きとカメラが画像の向きが同じ。(すべてそうとは限らないかもだが)
ESP32-CAM用のサンプルスケッチのウェブカメラで動作試験を行った。色が悪く画質も良くはないが一応正常に機能して嬉しいかぎり。
しかし、カメラレンズ方向に光が当たってかつ被写体が暗い場合(逆光時)にフィルムケーブルに印字された白い文字が反射し、さらにドーム内側に反射して映り込むことが判った。
これはよろしくない。
反射対策が必要そう。取り敢えず「8225N」などが書かれたフィルムケーブル部分に黒いビニールテープを貼ってみた。みっともないので最終的には別の方法で黒くしたい。
さらにレンズ近くにmicroSDカードスロットの銀色部分がある。これも逆光時には悪さをするかもしれないので何らかの方法で黒くする方が良いかも。カメラモジュールのハーネス部分も白いが、これはドームの曲面による反射方向のおかげで影響しないっぽい。
明るさが少し違うが、フィルムケーブルの文字の反射が消えて問題無くなった。
画質は良くないものの、これで目的は達成できそうな感じ。サンプルスケッチそのままだと起動時にUSBケーブルでシリアル通信ができる相手(PC等)がいないとWi-Fi接続にたどり着かないようなので、Wi-Fi接続して映像のストリーミングを行うだけのメチャメチャ簡単なスケッチを作る予定。
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