大人の冬休み宿題工作 マイ警告灯を作ろう 後編

大人の冬休み宿題工作 マイ警告灯を作ろう 前編の続きです。

警告灯動作テスト 1

USBリレーモジュールをPCに接続すると、最近のLinuxでは自動的にUSBシリアルポートとして認識されます。通常は /dev/ttyUSB0 や /dev/ttyUSB1 といったデバイスファイルになります。
ただし、一般ユーザーではアクセス権限が制限されているため、そのままでは操作できません。

$ ls -l /dev | grep ttyUSB
crw-rw----  1 root dialout 188,   0 12月 18 20:11 ttyUSB0
$ sudo chgrp root /dev/ttyUSB0  もしくは
$ sudo chmod 777 /dev/ttyUSB0

chgrp でグループを変更した場合は、以後のコマンドも sudo を付けて実行する必要があります。これでLinux上からUSBリレーモジュールと通信できるようになります。

このモジュール(ICSE012)を調べると、初期化のために特定のコマンドを送信する必要があるようです。具体的には0x50を送信すると0xABが返ってきて、次に0x51を送信すると制御可能になるという情報があります。

$ echo '50' | xxd -r -p >> /dev/ttyUSB0
$ echo '51' | xxd -r -p >> /dev/ttyUSB0
$ echo '0f' | xxd -r -p >> /dev/ttyUSB0

50と51だけを送っただけではすぐに制御できない場合があります。何度か試すと動くようになりますが、より確実な方法として以下のようにまとめて送信する方法もあります。

$ echo '50 51 0f' | xxd -r -p >> /dev/ttyUSB0

他にも、xxdを使わずにechoだけで送信する方法があります。

$ echo -e -m '\x01' > /dev/ttyUSB0

後半の動画ではこの方法を使用しています。

このモジュールは4chリレーなので、00から0Fまでの4ビット(16通り)の値を送信して制御します。注意点として、このUSBリレーモジュールでは「ビットを1に立てるとOFF」になるため、通常のオン/オフの感覚と逆になります。

以下の表は、1=OFF、0=ONとしてまとめています。
リレースイッチ1 = 赤ランプ
リレースイッチ2 = 黄ランプ
リレースイッチ3 = 緑ランプ
リレースイッチ4 = ブザー(鳴/静)

     赤 黄 緑 鳴
00   0  0  0  0  赤+黄+緑+鳴
01   1  0  0  0  黄+緑+鳴
02   0  1  0  0  赤+緑+鳴
03   1  1  0  0  緑+鳴
04   0  0  1  0  赤+黄+鳴
05   1  0  1  0  黄+鳴
06   0  1  1  0  赤+鳴
07   1  1  1  0  鳴
08   0  0  0  1  赤+黄+緑+静
09   1  0  0  1  黄+緑+静
0a   0  1  0  1  赤+緑+静  何故か鳴る
0b   1  1  0  1  緑+静
0c   0  0  1  1  赤+黄+静
0d   1  0  1  1  黄+静
0e   0  1  1  1  赤+静
0f   1  1  1  1  静

この内、0aを送信したときはランプの点灯パターンは想定通りですが、なぜかブザーが鳴ってしまいます。これはモジュールの仕様(またはバグ)と思われます。
各リレーの現在の状態を取得する方法は存在しないようです。初期化時に0xABが返ってくる以外は応答がないため、コマンドを送りっぱなしで制御することになります。状態を把握したい場合は、別途プログラム側で管理する必要があります。

警告灯動作テスト 2
赤点灯

警告灯動作テスト 3
黄点灯

警告灯動作テスト 4
写真ではほぼ白色に見えますが、実際には緑色です。

赤・黄・緑から複数色を同時に点灯させると中間色(オレンジなど)になりますが、遠くから一目で色を識別しにくいため、基本は単色(赤・黄・緑)のみを使うのがおすすめです。ブザーについては、静かな部屋では音が大きすぎ、サーバールームのような騒音環境では逆に音量不足で、中途半端に感じます。今回は使用しない方向で考えています。後日、この警告灯をシステム監視用途で活用する予定です。

後日、この警告灯をシステム監視用途で活用する予定です。

関連記事:

大人の冬休み宿題工作 マイ警告灯を作ろう 前編

この記事で紹介する「警告灯」とは、自動車のコンソールパネルのランプのようなものではなく、工場や生産ライン、システム監視でよく使われるものです。一般の方には、スーパーのセルフレジで見かける2〜4色の筒型信号機のようなものをイメージするとわかりやすいでしょう。
日本では「積層信号灯」や「シグナルタワー」などと呼ばれ、英語圏ではWarning Light、Tower Signal、Stack Lampなどさまざまな名称があります。

この警告灯は、サーバーや機器を監視する方(SMO担当者など)にとって、機器の状態を一目で確認できる便利なアイテムです。
ただし、日本でスイッチ付きの完成品を購入すると高価になりやすいため、自分で作るのがこの工作の趣旨です。工作自体は、部材が揃っていれば小学生でも取り組める簡単な内容です。なお、アルミを削る作業は子供にはさせず、大人が行ってください(削りカスが目や皮膚に刺さる危険があります)。「2〜4色の筒型信号機」と書きましたが、「がとらぼ」の人にとっては色が明確に分かれたタイプに良い思い出がなく(視覚的にストレスを感じやすい)、色分けランプではない一体型を選びました。中身は色別のLEDランプとブザーなので、基本的な仕組みは同じです。背の低い缶型もありますが、ここではタワー型を選択しています。

「がとらぼ」の人が購入した製品とは若干異なりますが、ほぼ同等品です。
非点灯時には白色(1色)のランプのように見えますが、内部に3色のLEDが搭載されており、単独発光や同時発光で複数の色を表現できます。
USBで制御できる4chリレーモジュール。
USBでPCから制御できる4チャンネル(4ch)リレーモジュールです。Wi-Fiタイプも存在しますが、技適認証の不明瞭さや専用API・常時インターネット接続の必要性から、有線USBタイプを選びました。PCにUSB接続するとシリアルポートとして認識され、簡単なコマンドで各リレーをON/OFFできます。USBは制御信号だけでなく、リレーモジュール本体への電力供給も兼ねています(警告灯本体への電力は別途供給)。今回は警告灯の赤・黄・緑ランプ+ブザーの計4つを制御するため、4chモジュールを使用します。
警告灯に直流24Vを供給するためのACアダプター(24V/1A程度)です。日本国内の家庭用コンセントで使う場合は、プラグ形状「US」を選びます。DC側のプラグは外径5.5mm・内径2.5mmのタイプです。
今回「がとらぼ」の人が購入したストアではありませんが同じ製品です。
電子工作用の黒いアルミボックス(120×97×40mm)です。警告灯とリレーモジュールを収納します。
エンクロージャ側面のDC電源ソケット。
エンクロージャ側面に取り付けるACアダプターとつながる直流電源入力ソケットです。プラグ外径5.5mm・内径2.5mmに合わせ、内径5.5mmで芯棒2.1mmのものを選択しました(互換性を考慮した安全な組み合わせ)。
 
LED信号灯832円送料442円
USBリレーモジュール409円送料218円
24V ACアダプタ212円送料92円
アルミエンクロージャ758円送料無料
ACアダプタのソケット5.5mm/2.5mm51円送料10円
小計2262円送料762円
合計3024円

工作

警告灯を作る 1
アルミエンクロージャの上面に、警告灯の脚をネジ止めするための穴を4つと、警告灯から出るケーブルを通す穴を中央に1つ開けます。

警告灯を作る 2
警告灯の脚をネジ止めし、ケーブルを通した状態の内側はこのようになります。

警告灯を作る 3
外側はこのようになります。

警告灯を作る 4
次に、エンクロージャの底面に4つの穴を開けて、4chリレーモジュールの基板を内側にネジ止めします。基板を浮かせるスペーサーがないため、ナットを2枚ずつ重ねて代用しました。

警告灯を作る 5
使用したネジが皿ネジのため、穴をすり鉢状に広げましたが、アルミ板の厚みが不足しているので皿が少し飛び出しています。ただし、底面に滑り止めのゴム足を付けるので実用上問題ありません。

警告灯を作る 6
警告灯に貼られていた配線図です。警告灯からは5本のケーブルが出ており、先端はハンダ処理されただけの状態です。図のスイッチ部分は付属していないため、4chリレーを接続して制御します。

警告灯を作る 7
4chリレーモジュールには水色の四角いリレーが4つ並んでいます。各リレーの左側に3端子(COM・NO・NC)があります。中央の端子(COM)に電源のプラス線を共通接続し、上側の端子(NO)に警告灯の赤・黄・緑ランプ線とブザー線をそれぞれ接続します。下側の端子(NC)は使用しません。
警告灯の灰色線は電源のマイナス(GND)に接続します。
これでリレーをONにすると各回路が通電してランプやブザーが動作します(逆に常時ONでリレーOFF時に動作させたい場合はNOとNCを逆接続してください)。小学校1年生でも理解できるシンプルなスイッチ機構です。

警告灯を作る 8
エンクロージャ側面のパネルに、製造時の大きな縦キズがありました。写真では光の当たり方でわかりにくいです。なお、キズの上から塗装されており、このような傷モノをごまかして販売するのは中華製品らしい品質管理だと思います。

警告灯を作る 9
サンダーでキズの凹みがわからなくなるまで周辺を削り取りました。写真には写らないほどの僅かな線傷は残っていますが、この後に凹凸のある塗装を行うため大きな傷跡がなくなればOKとしました。

警告灯を作る 10
元は粉体塗装のような仕上がりでしたが、同等の道具がないため、代替塗装を行いました。きれいすぎると安っぽく見えるため、意図的に表面を荒らしたマット仕上げにしています。
通常の塗装工程とは異なり、1回目に厚めに塗料を吹き付け、半乾き時に凸凹の壁紙切れ端を押し当ててテクスチャを付けました。2回目以降は薄く丁寧に吹き付けて仕上げ、ほどよい凹凸のあるマット黒塗装が完成しました。

警告灯を作る 11
DC電源ソケットとmicro USB穴のある面です。micro USBはエンクロージャに別途ソケットを付けず、内部のリレーモジュールに直接挿せるよう、プラグのつまみ部分が通る大きめの穴を開けています。過去に作成したNanoPi NEO2用の百式風アルミケースと同じ手法です。

エンクロージャのキズ補修と塗装乾燥に時間がかかりましたが、塗装を省略すれば3時間以内で完成する簡単工作です。
次回(後編)では実際に動作させてみます。


2026年05月01日 現在、AliExpressで New Led Three-Color Indicator Lamp 3 Color in 1 layer Machine Warning Lamp Workshop Signal の取り扱いまたはプロモーションはありません。

2019年12月22日追記:
アルミボディのスタイリッシュな警告灯も登場しました。配線方法は本記事と同じようです。

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