30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - 内部清掃編

前回はPC-9801FAの外装をレトロブライトで綺麗にしました。今回はレトロブライトと平行して実施したPC-9801FA本体の内部清掃についてです。

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PC-9801FAの天板は、側面にあるネジ2本と背面上部のネジ2本を外し、背面側に約2cmスライドさせることで簡単に取り外せます。
上の写真は、天板を外し、Cバススロットのユニット(枠)を上から見下ろした状態です。Cバスカードは背面のネジ2本を外して背面方向に引き抜くだけですが、今回は天板を先に外したので、このような状態になっています。購入したPC-9801FAには、4つあるCバススロットのうち1つに謎のグラフィックカードが挿さっていました。その正体は「BUFFALO WAP-4000」というウインドウアクセラレータでした。Cirrus LogicのGD-5434 2Dアクセラレータチップと4MBのビデオメモリを搭載しており、当時としては豪華な仕様のカードです。Windows 3.0や3.1を使うには、PC-9801のノーマルモード(640x480ドット、16色)は厳しいため、前の所有者が追加したものと考えられます。

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左側のCバススロットユニットの裏にある基板に接続されている2本のコネクタを引き抜きます。これらは、Cバスユニットと増設メモリユニットにまたがる配線となっており、取り外しが必要です。PC-9801FAは、各ユニットを順に抜いて分解する構造になっているため、ユニット間にまたがる配線があると、分解作業の妨げになります。基本的に、PC-9801FAのユニット基板はソケットで接続されており、ユニットを抜き差しするだけで分解が可能です。ケーブルでの接続は、この写真に写っている2本と、マザーボード上の1箇所(後述)の計3本だけです。自作PCは現在でもケーブルだらけで見苦しいことがありますが、PC-9801FAは専用設計された高級機だけあって、非常にスマートな作りになっています。

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背面左端に挿さっていたSCSIカードは、日本テクサ製のEZPHA-FA02でした。これは、PC-9801-55互換のSCSI 1対応カードで、少々残念な点です。BlueSCSIをハードディスクの代わり取り付けてSDカードをストレージにする予定ですが、55互換IFボードでは互換性の問題で多少苦労するか、あるいはまったく使えない可能性もあります。
基板上部に見える青いディップスイッチは、左側がSW1で、左から3つがON-ON-OFFの設定になっており、これによりINT1 (IRQ5)が設定されています。また、4番と5番がON-ONで、DMAチャネル3となっています。SW1は出荷時のデフォルト設定のままのようです。
右側にある8連のディップスイッチSW2は、OFF-ON-ON-OFF-ON-ON-ON-ONの状態がデフォルトで、設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているディップスイッチの状態は全てデフォルトです。
SW2の右側に3つの白いジャンパスイッチの左の2つSW3,SW4はOFF-OFFがI/Oポートアドレス0CC0h,0CC2h,0CC4hでデフォルトのままです。
3つのジャンパスイッチの一番右のSW6と一つ離れた白いジャンパスイッチSW7は設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているジャンパスイッチの状態は全てデフォルトです。
さらに、写真ではスイッチの詳細は確認できませんが、背面パネル右上にある青いディップスイッチSW5も8連で、左から4つはOFF-OFF-OFF-OFF、5番目がオンでGTモード(デフォルト)、オフでDMAモード、6〜8番はSCSI-IDの設定用で、デフォルトのID7はON-ON-ONとなっています。このスイッチの設定は、3ビット左並び(ON-OFF-OFFがID 1)です。ヤフオクで購入したPC-9801FAに元から入っていたこのボードでは、DMAモードに切り替わっていた点だけがデフォルトと異なる設定になっていましたが、今後もDMAモードで使用する予定のため、そのままにしておきます。

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まず、電源ユニットを取り外しました。固定ネジを外し、上に引き抜くだけで簡単に取り外せます。ケーブルはありません。写真では、元々左下の空洞になっている部分にあった電源ユニットを抜き取ってCバスユニットの上に載せています。冷却ファンには大量の埃が溜まり、かなり汚い状態です。

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取り外した電源ユニットはトーキン製のPU716でした。SANKEN製に比べると、コンデンサの液漏れのリスクは低いようですが、古い電源なのでコンデンサの劣化は心配です。今回は清掃だけにとどめましたが、今年末から来年にかけて、マザーボードと一緒にコンデンサ交換を予定しています。ただし、「がとらぼ」の人は最近老眼が進んでおり、細かい作業が難しいため、PC-98の修理を専門に行っている業者さんに依頼する予定です。

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フロッピーディスクユニットとファイルスロットのユニットが見えます。2台のフロッピーディスクドライブには通信ケーブルと電源ケーブルが2系統接続されていますが、フロッピーディスクユニットだけを取り外す場合を除いてはこれらのケーブルを外す必要はありません。このフロッピーディスクユニットとファイルスロットユニットは、取り外す順序としては後回しにします。

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次に、拡張メモリスロット+スピーカーユニットを取り外しました。この作業には、非常に長いか非常に短いプラスドライバーが必要です。さらに、使用されているネジは磁石にくっつかないため、取り外しと取り付けには苦労する場面もあります。

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続いてCバスユニットを取り外しました。Cバスユニットの取り外しには留意する部分はありません。
Cバスユニットを取り外した後は、左端にあるSCSIカードと「籠」ユニット、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを取り外します。特に、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを外す前に、写真の赤丸で示したハーネスを外すことを忘れないよう注意が必要です。忘れがちなポイントなので、気をつけます。

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フロッピードライブ+ファイルスロットユニットのハーネスを取り外しました。この際、ケーブルを引っ張って無理に外さないように注意します。

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マザーボードに横から光を当てて確認しました。表面には埃がたまっており、砂埃ではなく油分がからんだ繊維埃が固着しているようです。そのため、ブロアーを使っても落ちませんでした。

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こちらは、前オーナーが取り付けたと思われるCPUアクセラレータです。右下にあるi486SX CPUに冷却ファンが無いことからもわかるように、この世代のパソコンのCPUは発熱が少なく冷却ファンが搭載されていませんでした。しかし、この周囲は特に埃が多く、汚れがひどいです。

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マザーボードまで取り外し作業が完了しました。マザーボードを直接ネジで留めているネジ穴とユニットの脚を挟むネジ穴を憶えておく必要があります。マザーボードの裏面はあまり汚れていませんでしたが、周囲にはかなりの埃がたまっていました。

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前回のレトロブライト作業の記事でも触れましたが、リセットボタンのカバーを外すにはここまで分解する必要があります。黄ばみが目立つ部品であるにも関わらず、取り外しが面倒です。

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CPUアクセラレータを外すには、ソケット横のレバーを少し右に押しつつ引き上げます。
角型マウスコネクタ周辺にも多くの埃がたまっていました。

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CPUアクセラレータを真上に引き抜き、ひっくり返してCPUの上に置いてみました。予想通り、ソケットもかなり汚れていました。

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CPUアクセラレータを元に戻し、斜めから観察すると、2段構成のゲタ基板になっています。下段の基板には「HDX-ASUB-A」と記載されています。

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上段の基板には「BUFFALO HDX-32A-A」と記されていますが、最後の「A」はおそらくリビジョンを示しているのでしょう。基板には「HDX-32A」とありますが、製品としては「HDX-16(HFA-16)」シリーズのもので、PC-9801FA搭載CPUの16MHzに対して倍速(33MHz)の「HDX-16W」、4倍速(64MHz)の「HDX-16Q」、6倍速(96MHz)の「HFA-16H」あたりだと思われます。ゲタ基板だけでは搭載されているCPUの詳細はわかりません。通常ならCPUの型番は上面に記載されていますが、今回はCPUとヒートシンクの間に銅箔が挟まれているため、これを取り外すのは断念しました。OSを起動してソフトウェアでCPUを判別する方が賢明でしょう。

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PC-9801FAのマザーボードには、いわゆる「四級塩問題」を抱えるコンデンサが使用されています。このコンデンサは内部に強アルカリ性の液体があり、経年劣化によりゴムやアルミの封止が溶けて漏れ出し、基板を腐食させて破壊する可能性があります。目視した限りでは、コンデンサが交換された形跡はないようなので、このマザーボードはある意味で「時限爆弾」を抱えている状態です。四級塩を使用していないコンデンサに交換する必要があるでしょう。写真に写っている範囲では7個のコンデンサが確認できますが、もちろん、それ以外にも多数使用されています。

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左寄りに写っているのは、マザーボード上に搭載された電池です。見た目はボタン電池のようですが、実際には充電式電池であり、給電が行われます。そのため、充電非対応の普通のボタン電池に交換するのは避けるべきです。購入したPC-9801FAは、日付と時間は設定すれば記憶してくれるものの、時間が進まない状態だったため、電池の寿命が尽きていると考えられます。30年以上前の機器なので、電池が交換されていなければ寿命が尽きているのも当然でしょう。同等の電池に交換が必要です。

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マザーボードの清掃に関しては、通常の砂埃であればブロアーで吹き飛ばすだけで十分ですが、今回の基板には油分や繊維埃が付着しており、ブロアーだけではほとんど汚れが取れませんでした。そこで、綿棒にイソプロピルアルコールを浸し、丁寧に清掃しました。チップの表面は、アルカリ電解水で拭き取るだけで簡単にきれいにできました。なお、コンデンサが液漏れしていた場合、水を使った洗浄も考えられますが、短時間に完全に乾燥させる自信がありません。

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電源ユニットも清掃し、冷却ファン周りもきれいになりました。ファンの動作を確認したところ、まだまだ問題なく使えそうです。最近の中国製の安価なファンとは異なり、この時代の国産ブラシレスファンは耐久性が高いようです。

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SCSIカードはほとんど汚れていませんでしたが、念のためブロアーで埃を吹き飛ばしました。清掃前後で大きな変化はありません。

繊維埃や油分を取り除いたことで、全体的に非常にすっきりとした状態になりました。今回はブロアーがあまり役立たない汚れだったため、分解して拭き掃除を行ったのは正解でした。

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