30年前のPC-9801を蘇らせる - OS/2インストール 失敗編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - OS/2インストール 失敗編

まず結論として、ヤフオクで購入したPC-9801FAにOS/2 Warpをインストールすることは失敗に終わりました。これは、OS/2 Warp V3の動作対象となるハードウェア要件を満たしていなかったためです。OS/2 Warp V3の対象機種は、i486SX以上のプロセッサを搭載したデスクトップ(MATE、Fellow、FINE、CanBe)、ラップトップ(PC-9821Ts)、サーバー(SV-98シリーズ)、PCMCIA2.1に対応し256色表示可能なノートPCとされており、PC-9801シリーズのうちMATE/Fellow以前のPC9801型番シリーズのPC-9801FAは対象機種に含まれていません。そのため、OS/2 WarpがPC-9801FAで動作することは期待薄でした。

OS/2 Warp V3の動作には5.6MB以上のメモリが必要とされています。また、OS/2のファイルシステムであるHPFSを使用する場合、6.6MB以上のメモリが必要で、8MB以上が推奨されています。今回使用するPC-9801FAは13MBに拡張済みなので、この要件をクリアしています。

インストールメディアはフロッピーディスクとCD-ROMの組み合わせで提供されています。したがって、CD-ROMドライブが必須です。PC-9801FAにはCD-ROMドライブが搭載されていませんが、SCSI接続のCD-ROMドライブを所有していたため、この点については問題ありませんでした。なお、CD-ROMからイメージファイルを作成し、BlueSCSIを使用してイメージファイルを仮想CD-ROMドライブとして対応させる方法も可能です。

ハードディスク容量については、最低50MBが必要で、推奨容量は140MB以上となっています。今回はBlueSCSIとSDカードを使用して2GBの仮想ハードディスクを用意し、OS/2用には十分すぎるストレージを確保しました。

事前に入手していた情報によると、OS/2のPC-98向けには非常に厳しいハードウェア要件があり、サードパーティ製の拡張ボードに対するサポートがほとんどないため、基本的に純正構成でなければ動作が難しいことが示唆されていました。したがって、OS/2 Warp V3の対応機種にPC-9801FAが含まれていたとしてもサードパーティのグラフィックアクセラレータカードやハードディスクインターフェースを使用すると動作しない可能性が高かったでしょう。

OS/2は、MicrosoftとIBMにより共同で開発され、MS-DOSの次の世代のOSとして誕生しました。OS/2 Warpは、OS/2のVersion 3以降にあたり、IBMが主体となって開発を進めたシリーズです。OS/2の大きな特徴は、MS-DOSやWindows 3.0、Windows 3.1アプリケーションをマルチタスク環境で安定して動作させる点にあります。(Windowsアプリケーションの動作はWIN-OS/2対応バリアントに限ります) これは、当時としては非常に革新的なもので、MicrosoftのWindowsシステムよりもはるかに高い安定性を提供していました。

OS/2 Warpの競合OSとしては、MicrosoftがIBMとの提携を解消し、自社で開発したWindows NTシリーズ (NT 3.1、3.5、3.51など) がありました。しかし、当時のWindows NTはハードウェア要件が高く、対応アプリケーションも少なく、さらに動作が重く不安定な側面がありました。そのため、軽快さと安定性を求めるユーザーは、高性能なマルチタスクと安定性を提供するOS/2 Warpに魅力を感じていました。なお、コンシューマー市場で圧倒的な支持を得ていたのは、低スペックのPCでも動作可能なMicrosoft Windows 3.1やWindows 95です。(ビジネスユーザーを除きます)

「がとらぼ」の人は、当時Windows 3.1の不安定さに不満を感じ、IBM互換機でOS/2 V2.11およびOS/2 Warp V3を使用していました。サーバー用OSにはFreeBSD 2.0.5以降を採用し、パーソナル用途にはSolarisやWindows NT 4.0を使用するようになりました。Windows NTはバージョン3.5から導入していましたが、当時は対応ソフトウェアが限られていたため、あまり活用していませんでした。

OS/2 Warp Version 3のインストール

OS/2 Warp Version 3のインストールメディアは、フロッピーディスク2枚とインストールCD1枚で構成されており、これを使ってインストールを行います。
まず、インストールCDをPCのCD-ROMドライブにセットし準備します。

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次に、「インストールディスク」をフロッピーディスクドライブに挿入し、PC-9801を起動します。画面左上に「OS/2」の表示が出た状態がしばらく続き、ディスクの読み込みが行われます。

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読み込みが完了すると、この画面が表示されます。メッセージに従い「インストールディスク」を取り出し、代わりに「ディスク1」を挿入してから[Return]キーを押します。

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今度は少しグラフィカルな画面で暫く待たされます。

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青い背景の画面が表示され、「1. 基本インストール」と「2. 拡張インストール」のどちらかを選択するよう指示されます。OS/2だけを1台のハードディスクにインストールする場合は「基本インストール」で十分ですが、他の条件がある場合には「拡張インストール」を選ぶのが適しています。

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「インストール・ドライブの選択」画面に移行します。この画面では「1. このドライブをそのまま受け入れる」か「2. 異なるドライブまたはパーティションを指定する」かの選択を求められます。「このドライブをそのまま受け入れる」という選択肢は、既にOS/2用パーティションが設定されている場合に選ぶものです。ここでは「2. 異なるドライブまたはパーティションを指定する」を選択し、[Return]キーを押します。

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「拡張インストール領域設定画面」が表示されます。
この画面では、接続されている複数のハードディスクが一覧表示されており、インストールするディスクを矢印キーで選択し、[Return]キーを押して決定します。

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「ディスク全体を初期化します」というメッセージが表示されます。ディスク全体ではなく一部の領域でOS/2を使用したい方を悩ませるメッセージですが、他に進む手段がないため[Return]キーを押します。

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OS/2用の領域の設定画面が表示されます。
まず「ファイルシステム」を選択します。「FAT」はMS-DOSと同じファイルシステムであり、「HPFS」はOS/2専用のファイルシステムです。OS/2の機能を最大限に活かすためには「HPFS」を選ぶのが良いでしょう。
矢印キーの左右でファイルシステムの種類を選択して[Return]キーを押します。

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OS/2に割り当てるディスク容量を指定します。
この画面では、矢印キーで項目を移動し、「確保容量」の項目で容量をメガバイト(MB)単位で指定します。HPFSの最大容量は理論上2TBですが、古いPC環境では16GB以下、特にPC-98環境では4GB以内が無難でしょう。

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矢印キーの上下で項目を移動します。「実行」にフォーカスして[Return]キーを押します。

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領域作成が完了するとターコイズブルーの背景に黄色という識別しにくい色の組み合わせでメッセージが表示されます。
「ディスク1」のフロッピーディスクを取り出し、「インストールディスク」を挿入して、[Return]キーを押します。

システムが再起動します。

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読み込みが完了すると、この画面が表示されます。
メッセージに従い「インストールディスク」を取り出し、代わりに「ディスク1」を挿入してから[Return]キーを押します。

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今度は少しグラフィカルな画面で暫く待たされます。

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既にパーティション設定を行っているので、今回は「1. このドライブをそのまま受け入れる」を選択して[Return]キーを押します。

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「起動ドライブ名の選択」画面です。
フロッピーディスクがA、Bドライブ、1台目のハードディスクがCドライブになるように設定する場合、「2. はい」を選びます。これはIBM PS/2, AT互換機のDOS,Windowsと同じドライブの並びです。
PC-98+DOSの伝統では、1台目のハードディスクがAドライブになるため、それに慣れている方は「1. いいえ」を選ぶと良いでしょう。

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ハードディスクに設定したOS/2用パーティションのフォーマットが行われます。操作はないので待つだけです。

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続いてCD-ROMから必要なファイルがハードディスクに転送されます。この処理には10分程度かかります。進行状況はプログレスバーで表示されます。

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ファイルの転送が完了すると、フロッピーディスクの取り出しを指示されるため、フロッピーディスクを抜き、[Return]キーを押します。
システムが再起動します。

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ここで本来であればOSの起動選択画面が表示されるかOS/2が立ち上がり初期設定が始まるはずですが、実際には黒画面のまま何も表示されず、OSの選択メニューも現れずインストール済みの他のOSも起動しません。結果として、OS/2 Warp V3のインストールはここで失敗に終わります。

OS/2をインストールしたハードディスクを取り外すと(BlueSCSIのSDカードからOS/2をインストールした仮想ハードディスクイメージファイルを削除すると)、以前と同様にOSの選択起動メニューが正常に表示され、選択したOSが正しく起動します。したがって、OS/2をインストールしたことにより他のOSが使用不能になり再インストールしなければならないといった事態は発生しないようです。
OS/2が起動しなかった原因は、PC-9801FAがIDEドライブをサポートせず、使用しているSCSIインターフェースがOS/2のサポート外であった可能性が高そうです。

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