30年前のPC-9801を蘇らせる - FreeBSD初期設定編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - FreeBSD初期設定編

前回はFreeBSD(98)をPC-9801FAにインストールしました。
今回は、インストール直後の初期設定手順を説明します。

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インストールが完了した時点で「FreeBSD 設定メニュー」に戻っています。
初期設定で管理者(root)のパスワードを設定します。
「R Root パスワード」を選択して[Return]キーを押します。

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画面左下にプロンプトが表示されるので、新しいパスワードを2回入力します。2回とも同じパスワードを入力する必要があります。
これでrootアカウントのパスワード設定が完了します。

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「FreeBSD 設定メニュー」に戻ります。次はユーザーとグループを追加します。
「ユーザー管理」を選択し、[Return]キーを押して次のステップへ進みます。

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「ユーザー管理メニュー」には、「U ユーザー」と「G グループ」の2つの項目があります。まず新しいグループを作成し、その後で新しい一般ユーザーを登録するのが推奨される手順です。
そのため、最初に「G グループ」を選択して[Return]キーを押します。

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グループ名は、新しく登録するユーザー名と同じでも良いですが、例えば「user」など一般ユーザー全体向けのグループ名にしても問題ありません。
グループID (GID) は、初めてグループを作成する場合、初期値として1001が表示されます。この値は特に変更する必要がないため、そのままにしておきます。グループメンバーの設定も空で構いません。
最後に[OK]を選択し、[Return]キーを押してグループの作成を完了します。
[OK]を押します。

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新しいユーザーを登録するために「U ユーザー」を選択して[Return]キーを押します。

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「ログインID」には、新しい一般ユーザー名を入力します。英数字と一部の記号が使用可能です。ユーザーID (UID) も初めて登録する場合は1001が表示されますが、特に変更の必要はありません。次に、先ほど作成したグループのID「1001」(もしくは作成時に指定したGID) を入力します。
パスワードやフルネーム、ホームディレクトリの設定も適切に入力します。ホームディレクトリのデフォルトは通常「/home/ログインID」となりますが、必要があれば変更可能です。 ログインシェルに関しては、初期設定では「/bin/sh」が指定されていますが、FreeBSDではより扱いやすいCシェル(実体はtcsh)が用意されています。シェルの機能性や使い勝手を考慮すると、「/bin/csh」または「/bin/tcsh」に変更することをおすすめします。
なお、Linuxで一般的に使われるbashは、FreeBSDにはデフォルトでインストールされていませんが、必要に応じて後でパッケージとしてインストールできます。
個人的には、コマンド履歴機能が充実しているtcsh(csh)が便利です。入力が完了したら[OK]を押して、ユーザー登録を完了させます。

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「FreeBSD 設定メニュー」に戻ります。次はタイムゾーンを設定します。
「T タイムゾーン」を選択して[Return]キーを押します。

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PCのハードウェアクロック (リアルタイムクロック、RTC) をUTCで合わせるか国/地域の標準時で合わせるかどうかを選択する画面が表示されます。一般的には、[Yes]を選択してUTCでクロックを合わせるのが推奨されていますが、日本標準時でクロックを設定したい場合は[No]を選択します。
ただし、MS-DOSなどのレガシーなOSを使っている場合には、ハードウェアクロックを日本時間に合わせていることが多いので、その場合は[No]を選びます。今回は、日本標準時を使用するので[No]を選択し、[Return]キーを押します。

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タイムゾーンを選択するために、まず地域を選択します。日本標準時で合わせるなら「アジア」を選択して[Return]キーを押します。

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アジアの国/地域のリストが表示されます。日本で使用するのであれば、「19 Japan」を選択し、[Return]キーを押します。
タイムゾーンの指定は以上です。

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「FreeBSD 設定メニュー」に戻ります。次はネットワークの設定を行います。
「N ネットワーク」を選択し、[Return]キーを押して次に進みます。

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「ネットワークサービスメニュー」が表示されます。まずネットワークインターフェースの設定を行います。ネットワークインターフェースが正しく設定されず動作しない状態では、他のネットワーク関連の設定も無意味になります。
「I インターフェース」を選択し、[Return]キーを押して次に進みます。

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FreeBSDがインストールされたPCにサポートされているネットワークカードが搭載されている場合、そのリストが表示されます。PC-9801シリーズには標準でネットワークポートが搭載されていないので、FreeBSDに対応したネットワークインターフェースチップを搭載したネットワークカードを用意する必要があります。PC-9821型番のモデルにはネットワークインターフェースを搭載しているモデルがあります。
今回は、PC-9801FAに接続された「fe0 Fujitsu MB86960A/MB86965A based ethernet card」がリストに表示されていますので、それを選択して[Return]キーを押します。もし他のネットワークカードが認識されている場合は、そのカードを選択して[Return]キーを押します。

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「IPv6の設定を行いますか?」のポップアップが表示されるので、[Yes]を選択して[Return]キーを押します。
特定の環境や理由があってIPv6を無効にしたい場合は、どうしてもIPv6を使用したくない場合は[No]を選択します。
今回は、IPv6を使わない理由がないため[Yes]を選択します。

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FreeBSDでは伝統的にIPv6の詳細な設定画面は表示されません。これは、IPv6がSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration)という自動設定プロトコルに基づいて動作するためです。
SLAACでは、ネットワークに接続されたデバイスが自動的にIPv6アドレスを取得する仕組みが取られており、ルーターからの広告パケットが必要です。ルーターがIPv6のルーター広告を送信することで、ネットワーク内のデバイスが適切なアドレスを自動的に設定します。

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IPv4の設定は、一般的にはDHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)を使用して自動化することが可能です。ネットワーク内にDHCPサーバが存在し、手動で設定する手間を避けたい場合は、[Yes]を選択します。DHCPを利用することで、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどが自動的に設定されます。
一方、手動設定を希望する場合は[No]を選択します。手動設定では、IPアドレスやゲートウェイ、DNSサーバーの情報を自身で入力する必要があります。これは、特定の環境でカスタマイズされた設定を行いたい場合に便利です。

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前の画面で[Yes]を選択して、DHCPによる自動設定を選んだ場合、「DHCPサーバーをスキャンしています…」というポップアップが数秒間表示されます。この間、FreeBSDはネットワーク内でDHCPサーバを探し、自動的に設定を取得します。
もし[No]を選択して手動設定を行う場合は、このポップアップ表示はされません。(次)

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IPv4の手動設定の画面が表示されます。DHCPによる自動設定を選択した場合でも、この画面は表示されます。この場合、この画面で手動設定を行っても無視されます。手動設定では必要な項目を適切に入力してから[OK]を選択して[Return]キーを押します。

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「ネットワークサービスメニュー」画面に戻ります。
inetdの設定を行います。「i inetd」の行を選択して、[Return]キーを押します。inetdは、ネットワークサービスを一括して管理するデーモンで、telnetやftpなどの古いプロトコルのサービスを提供する際に使用されます。

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現在のセキュリティ標準では、telnet, ftpなどのプロトコルの利用は非常に危険です。そのため、非常に古いFreeBSDバージョンでinetdを使用してtelnetやftpサービスを提供することは全く勧められません。特にインターネットに接続する環境では、これらのサービスを無効にするのが基本です。 inetdを自動起動させないようにするため、[No]を選択して[Return]キーを押します。

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FreeBSDを起動した際に自動的にNTPサーバを参照して時刻合わせを行うために、ntpdateの設定を行います。NTP (Network Time Protocol)は、ネットワークを通じて正確な時刻を取得するためのプロトコルです。
「N Ntpdate」の行を選択し、[Return]キーを押します。

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各国/地域の公共NTPサーバのリストが表示されますが、FreeBSD 4.11のインストーラーに登録されているリストは約20年前の古いもので、現在利用可能であることが保証されていません。
公共NTPサーバは時刻参照の集中により負荷がかかることがあるため、できればLAN内にあるNTPサーバを参照することが推奨されます。
今回は[O その他]を選択し、手動でNTPサーバを指定します。一般家庭でも、ブロードバンドルーターがNTPサーバ機能を持つことが多いため、それを利用するのも一つの方法です。

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NTPサーバのFQDNまたはIPアドレスを指定して[Return]キーを押します。ネットワーク環境に応じて、最も近いNTPサーバや自分のLAN内に設置したサーバを選択することが重要です。例えば「がとらぼ」の人のLANには複数のNTPサーバが存在しており、その1つを選択して設定を行いました。

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FreeBSDはデフォルトでsshd (SSHデーモン)が自動起動するように設定されていますが、セキュリティ上の理由から、これを無効にしておくことが推奨されます。特に約20年前のバージョンであるFreeBSD 4.11では、sshdがOpenSSH 3.5p1に基づいており、現在の標準とは異なるセキュリティプロトコル(SSHプロトコル1)が使用されています。
最近ではSSHプロトコル2のみが使用されるのが一般的であり、プロトコルの互換性や暗号化方式が異なると接続に失敗する可能性があります。そのため、sshdを起動することに意味がない状態です。
sshdの自動起動をオフにするには、[S Sshd]の行を選択し、[Return]キーを押して、メニュー内の[X]を[ ]に変更します。これで、sshdが自動的に起動しなくなります。このsshdの設定にはサブ画面はありません。

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ネットワークサービスメニューの先頭まで戻ります。
[X 終了]の行を選択し、[Return]キーを押します。

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「FreeBSD設定メニュー」に戻ります。
リスト先頭の[X 終了]の行を選択して[Return]キーを押します。

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「カスタムインストレーションオプションの選択」画面に戻ります。
[X 終了]の行を選択し、[Return]キーを押します。

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「sysinstall Main Menu」画面に戻ります。
[Tab]キーまたは[→]キーを押して「X 導入終了」を選択し、[Return]キーを押します。

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インストーラーの終了確認画面が表示されます。
この画面で、[Yes]が初期状態で選択されていますので、フロッピーディスクドライブからフロッピーディスクを取り外してから[Return]キーを押します。
インストーラーを終了せずに設定画面に戻りたい場合は、[No]を選択したうえで[Return]キーを押すことで戻ることができます。
その後、システムは再起動します

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複数のハードディスクを搭載している場合、FreeBSDのインストーラーによって自動的にブートセレクターメニューを上書きされている可能性があります。このメニューは、複数のOSやディスクの間で選択しやすいように設計されています。画面左列でハードディスクを選択し、中央列で起動したいOSを選択してから、[Enter]キーを押します。
項目を移動するには矢印キーを使用し、間違えて別の項目を選んでしまった場合も矢印キーで簡単に変更が可能です。
この画面が表示される場合は次の画像の「固定ディスク起動メニュープログラム」画面は表示されません。

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1つ前の画面が表示されない場合は、この画面(またはMS-DOSとFreeBSD以外のOSによってインストールされたブートセレクタ画面)が表示されているでしょう。
もし1台のハードディスクに複数のOSがインストールされている場合で、FreeBSDのインストーラーがブートセレクターメニューを書き換えていない場合は、「固定ディスク起動メニュープログラム」が自動的に起動します。このメニューは、MS-DOSによってインストールされたもので、OSの選択項目に「FreeBSD」が追加されています。
ここで「FreeBSD」を矢印キーで選択し、[Return]キーを押すとFreeBSDの起動が始まります。

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FreeBSDの起動には通常1〜3分の時間がかかるため、しばらく待ちます。起動が完了すると、「login:」というプロンプトが表示されます。
このプロンプトが出たら、登録したユーザー名とパスワードを使ってログインできます。また、管理者権限での作業が必要な場合、rootアカウントで直接ログインすることも可能です。
FreeBSDで一般ユーザーが管理者になる場合には、「su -」コマンドを使用します。このコマンドは、wheelグループに所属しているユーザーのみが実行できるため、/etc/groupファイルのwheelグループ行に該当ユーザーを追加しておく必要があります。

30年前のPC-9801を蘇らせる - FreeBSD初期設定編 88
ネットワーク設定が正しく行われているか確認します。
コマンド ifconfig -a を実行すると、システム上で有効なすべてのネットワークインターフェースの情報が表示され、IPv4およびIPv6のアドレスが正しく設定されているかを確認することができます。
問題がなければ、LAN内のNTPサーバにアクセスして手動で時刻合わせを行うことで、LANとの通信が正常にできているかを確認します。

30年前のPC-9801を蘇らせる - FreeBSD初期設定編 89
インターネットとの接続を確認します。まず、IPv6で接続を確認するには、ping6 -c 2 宛先 と入力します。
-c 2 というオプションはpingを2回送信することを指定しています。
同様に、IPv4で接続を確認するには ping -c 2 宛先 を実行します。
こちらも、インターネットに問題なく接続できている場合には応答が返ってきます。これで、インターネットとの接続も確認が完了しました。

搭載されているCPUは何でしょう?

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FreeBSD 4.11の起動プロセス中、カーネルコンフィグレーションの前にシステムが取得したCPU情報が表示されます。
上記の画像は、PC-9801FAにオーバードライブプロセッサまたはCPUアクセラレータが搭載された環境での表示内容を示しています。この画面には、CPU-IDとして「0x433」と表示されていますが、これはIntelのA80486DX2-66プロセッサを示しています。この情報から、このシステムにはIntel i486 DX2 66MHz (33MHz x 2)のアクセラレータが装備されていることが分かります。なお、PC-9801FAが16MHz系なので実際には32MHz x 2の64MHzだと思われます。
これで、PC-9801FAに搭載されたCPUアクセラレータが実際にどのチップであるか、購入当初から不明だったその正体が今回の確認で判明しました。

PC-9801FAのCPUはi486SX 16MHzなのでクロックだけみても4倍の高速化となっています。さらに、DX2-66プロセッサには486SXには搭載されていない数値演算コプロセッサが搭載されているのでさらに高速化することが期待されます。
なお、PC-9801FAのシステムクロックは通常(Hi状態で)16MHzであるため、CPUアクセラレータ基板によりシステムクロックの2倍動作になり、DX2プロセッサによりさらに2倍動作になります。つまり、486DX2-66本来の33MHz x 2動作ではなく、(16MHz x 2) x 2 = 64MHzで動作している筈です。ただし、本当にそのクロックで動作しているかは不明です。と、いうのもゲームをしてみると、CPUアクセラレータを外した状態と「もたつき具合」がほぼ変わりません。

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