古い車の近代化改修 ラゲッジルームの遮音

古い車の近代化改修 ラゲッジルームの遮音
©いらすとや.

うちの車は古いだけでなく低グレードなモデルなので、エンジン音に加えて走行中の車内は安っぽいノイズが響き、非常に騒がしいです。特にハッチバック車のため、後席とラゲッジエリアの間に仕切りがない構造上、リアからのロードノイズや表現しにくい雑音が目立ちます。
最近の車は低グレードでも静粛性に配慮し、制振材や吸音材が積極的に使われています。しかし、2010年頃までは、低価格モデルでは静粛性がほとんど考慮されておらず、コスト削減のため騒音に対する対策が手薄でした。

車の静粛性を高めるには、以下の3つのアプローチがあります。
  • 「制振」:車体の外板や部品の振動を抑え、ノイズの発生を防ぐ方法。振動は音の発生源となるため、制振材を貼ることで振動エネルギーを吸収したり共振を抑えて、音を低減します。
  • 「遮音」:重量のある素材や板で音の伝播経路を遮断し、外部からの音を車内に侵入させない方法。音は空気や固体を通じて伝わるため、隙間なく覆うことが重要です。
  • 「吸音」:車内の音の反射を抑える方法。柔らかい素材や多孔質の吸音材が音波のエネルギーを吸収し、車内での反響を軽減します。

この3つの内、最も手軽で即効性があるのは遮音ですが、隙間があると効果が大きく低下するため、車体全体または面全体を隙間なく覆う必要があります。車の場合、外板の振動がノイズの発生や増幅の原因となるため、制振も効果的です。ただし、制振材の施工は広範囲に及ぶだけでなく外板の内側にアクセスするため作業が大掛かりになります。
今回は静粛化の第一歩として、ラゲッジルームの床に遮音シートを敷く簡単な対策を試みました。
当然ながら、車の一部に制振、遮音、吸音のいずれかを施しただけでは劇的な静粛性向上は期待できません。十分な効果を得るには、車体全体の振動を抑え、広範囲に遮音材を施工し、音源周辺や車内で音の反射を減らす必要があります。古い低価格車では製造時にこれらの対策が手薄で、高級車では積極的に施されているのが一般的です。

使用したのは大建工業の遮音シートGB03053E (940SS)、サイズは940mm × 10mで、重量は1巻あたり19kgです。この遮音シートは住宅の壁や床に使用される建材で、車専用ではありませんが、コストパフォーマンスに優れています。940SSは黒いゴムのような見た目ですが、素材は塩化ビニル系で、ゴム特有の臭いはありません。同じ大建工業のGB0307 (455H)は本物のゴムシートで遮音性能が高いものの、狭い車内に使用するとゴム臭に悩まされる可能性があるため、今回は940SSを選びました。

古い車の近代化改修 ラゲッジルームの遮音 1
10mのロールは19kgと非常に重く、取り扱いには注意が必要です。既にロールのカバー紙が破れてしまった状態で撮影しましたが、ご了承ください。遮音シートを切り出す前のロールの様子や切断中の写真を撮ったのですが、スマートフォンのカメラ不調により保存されていませんでした。最近、撮影した画像の半分ほどが保存されないトラブルに悩まされています。

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ラゲッジエリアの床板用に1mほど切り出したため写っている遮音シートのロールはおそらく9m弱ほどしかありません。見た目がゴムシートのようなシートです。

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シートの片面は黒いゴムのような質感で、反対側には白い不織布が貼られています。この不織布は剥がすことが考慮されていないようです。表裏の指定は特にないようです。

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シート切断中の写真が保存されていなかったため、端切れにハサミを当てただけの写真を掲載します。不織布の面にはボールペンで線を引いて目印を付けられ、紙用のハサミより少し大きめのハサミで簡単に切断できます。写真のハサミはダイソーで購入したものですが、問題なく切れました。ただし、シートが重いため、切り分け中に大きく切り出した部分が垂れ下がると扱いにくくなる点は注意が必要です。

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シートの切断面は割れたり砕けたりせず、繊維の方向性もありません。直線でも曲線でも自由にカットでき、作業性は良好です。ただし、切り出したシートを曲げて重ねると自重で潰れて折れ目がつき、折り目が白っぽく変色することがあります。そのため、曲げた状態で長時間放置しないほうがよいでしょう。

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うちの車のラゲッジエリアは、床板を外すとスペアタイヤと工具が収納されています。この部分が走行中に騒々しいノイズの発生源となっており、運転中の不快感の原因です。ここに切り出した遮音シートを敷き、その上に床板を戻します。

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床板のサイズに合わせて遮音シートを切り出し、スペアタイヤと工具の上に敷きました。写真の奥には床板を立てた状態で、床板の裏面の一部が見えています。

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床板には制振材が貼られていないため、振動によるノイズ低減効果はほとんど期待できません。ただし、裏面には写真のように吸音材が貼られていて、床板の表面(上側)にはカーペットのような素材が貼られているため、多少の吸音・遮音効果はあるようです。しかし、全体としては静粛性への貢献度は低いと言えます。メーカーもこの部分の騒音は気にしたことが伺えますがもう少しなんとかして欲しかったです。

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遮音シートを敷いた上に床板を戻した状態です。床の左右にあるフックの切り欠き部分は、本来なら遮音シートを切り抜くべきですが、このフックはこれまで使ったことがなく、今後も使用予定がないため、切り抜かずそのままにしました。白い不織布の面が見えていますが、この状態で使用します。

遮音シートを1枚敷いただけですが、効果は予想以上でした。車内全体が劇的に静かになったわけではありませんが、ラゲッジエリアからのノイズが軽減されました。例えるなら、50人以上のパーティの歓談中、離れたテーブルの特に騒がしい人が2,3人がいなくなってそこからの騒がしい声が消えたような感覚です。他の人達も騒いでいるのでパーティー会場が静かになったわけではないのですが、特定方向の目立つ声がしなくなるだけでも騒がしさが大きく和らいだ感じがするのと同じです。
運転中、後ろのラゲッジエリアからの不明瞭なノイズがすっきりと消えたように感じ、これは誇張ではありません。後日、スペアタイヤの下に制振材を貼ってみましたが、遮音シートを敷いた状態ではほとんど追加の効果を感じませんでした。遮音材1枚を敷くだけで苦労して制振材を貼るのと同等以上の効果があったと思われます。この制振材については次回以降の記事で紹介します。

94cm×10mの遮音シートのうち、今回は1m(約2kg)のみ使用しました。今後は車内の床面全体に遮音シートを敷く予定で、内張りや座席、カーペットを全て取り外す大掛かりな作業が必要です。しかし、現在の暑い季節では作業が厳しいため、秋以降に実施する予定です。

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