
これまでオーディオ用のネットワークメディアプレーヤーとして、長くVolumioを使用してきました。Raspberry Pi Zeroと安価なI2S DACの組み合わせですが、音質は耳の遠くなりかけたおっさんには十分すぎるほどです。ただ、Volumio自体が最近ではサブスクリプション型の有料オプションを強く推しており、無料ユーザーとしては少し違和感と居心地の悪さを感じていました。
そこで、Volumioから離れて別のオープンソース系メディアプレーヤーに乗り換えることを検討していたのですが、機材をどうするかを考えたときAndroidテレビボックスが有力な代替候補として気になる存在になりました。最近は安価なテレビボックスでも以前より強力なSoCを搭載したモデルが登場しており、本物のAndroid 14を採用する機種も増えています。そのため、オーディオプレーヤー・メディアプレーヤーとしても十分実用的になってきたと感じています。
従来のAndroidでは48kHz/16bitへの強制リサンプリングがかかり、オーディオ再生には向かないという欠点がありましたが、Android 14以降ではUSB DACのサポートが拡張され、この不可解な強制リサンプリングが回避できるようになりました(※すべてのデバイスで無条件に対応するわけではありません)。これにより、超低価格のAndroidデバイスでもロスレス再生が可能となり、オーディオマニアの方々からも軽視されない存在になりつつあるといえるでしょう。
テレビボックス
今回は、Amlogic製のS905X5MというSoCを搭載したテレビボックスを探しました。Amlogicというと、これまでは低性能チップの代名詞のような印象がありましたが、S905X5およびS905X5Mは従来とは一線を画しています。
特にこの第6世代S9シリーズのSoCは、製造プロセスが6nmでTDPが5Wという省電力設計のため、大掛かりな冷却機構を備えていない安価な小型テレビボックスでも熱による性能低下を起こしにくく、安定した動作が期待できます。
それでいて、同価格帯で採用例の多いAllwinner H616, H618(28nm)と比べると、実に2倍以上の処理性能を誇ります。もちろん、AllwinnerにもH728のようにS905X5やS905X5Mを上回る性能を持つチップがあり、性能に応じた価格で販売されています。しかし、Allwinnerのチップは実際のパフォーマンスがスペックほど出ないことも多く、H728は発熱が大きいため高温時に性能が低下する懸念もあります。
さらに上位にはRockchip RK3588やNVIDIA Tegra X1+などを搭載したAIボックス的な製品も存在しますが、これらは価格がAmlogic S905X5M搭載機の5倍から一桁違います。コストパフォーマンスを重視するなら、2025年後半時点でのベストチョイスはAmlogic S905X5Mだと判断しました。また、この新チップを採用したテレビボックスは比較的新しいモデルが多く、Android 14搭載という条件も満たしやすい点が魅力です。
なお、ハードウエアが良くても安価な中華テレビボックスはビルトインのソフトウエアが期待に及ばないことが多々あります。ただし、AndroidのようなメジャーなOSであればユーザー自身で改善できます。(この点については次回以降)
AliExpressのブラックフライデーセール数週間前の月末にリンクを作成したため、記事掲載時には価格がやや高めに表示されているかもしれません。通常時やセール時には、4GBメモリ・32GBストレージモデルが約5,000円前後まで下がることが多いです。それより大幅に高い場合は、セール前などの一時的な価格調整期間の可能性があるため、少し待ってから購入するのがおすすめです。なお、「SoCがAmlogic S905X5またはS905X5Mであること」が非常に重要です。Amlogic製チップ搭載のTV-Boxは多数ありますが、S905X5より下位のSoCでは動作が遅く、快適な操作性を期待できません。また、USB DACを使用する場合は、OSがAndroid 14以上であることを必ず確認してください。
最下位のバリアントは大幅に安いですが、2GBメモリでは動作のもたつきが大きいことが予想されるため4GB以上のメモリを搭載したバリアントを購入することをお薦めします。なお、公式にはS905X5Mは4GB、S905X5は8GBまでのサポートとなっています。 このRCA出力付きUSB DACは、購入時にAliExpressで最安の1つでした。リンク作成時はブラックフライデーセールのため見せかけの価格が吊り上がって高めで表示されている可能性があります。通常期では1500円前後の筈です。 USB DACではありますが、使用されているチップなど詳しい情報が一切不明の怪しい製品といえます。

AliExpressで単品(送料無料)購入しましたが、配送はエスポ便になり、1週間かからず到着しました。最近は配送がエスポ便になることが多いのですが、非常に早く届くので助かります。

白いビニール袋の中には黒い箱が入っていました。X88 Proシリーズには複数のモデルがありますが、Amlogic S905X5Mを搭載したモデルは「X88 Pro X5M」という名称になります。

箱の裏面を見ると、やや大きく潰れていましたが、中身には問題なさそうです。ラベルには「RAM: 4G」「ROM: 32G」「OS: Android 14.0」と記載されており、注文内容どおりの仕様でした。

黒い箱のフタを開けると、左側にテレビボックス本体、右側にアクセサリ類が収められている箱状の仕切りが見えます。

内容物は写真の通りです。左がテレビボックス本体、中央がリモコン、右手前がACアダプタ(USプラグ)、右奥がHDMIケーブル、そしてマニュアルです。

テレビボックスの上面には「X88 PRO X5M」と型番が印字されています。全面が樹脂製で、表面仕上げに高級感はありません。

背面には入出力端子が集中しています。左から順にDC5V電源、SPDIF、HDMI、RJ45 (有線LAN)、コンポジットAV出力です。

左側面にはUSBポートが2つとmicroSDカードスロットがあります。右側面には何もありません。

底面には放熱用の穴が空けられています。4つの足はやや柔らかい樹脂素材で、設置面を傷つけにくくなっています。

テレビボックス本体の重量は106gでした。最近のスマートフォンの半分ほどで、非常に軽量です。実際に手に取ると、空のプラスチックケースのように軽く感じます。

リモコンの重さは電池なしで46g、電池を入れると69gになります。

ACアダプタはUSプラグ仕様ですが、日本のコンセントでも抜け落ちにくい爪に穴が開いているタイプです。出力は5V/2A (最大10W)です。

付属のHDMIケーブルはやや安っぽい作りで、4K非対応でした。このケーブルを使ってテレビボックスを4Kテレビに接続したところ、解像度の設定で1080pまでしか選択できず「4K対応のテレビボックスというのは嘘だったのか?」と思いました。しかし、手持ちの4K対応HDMIケーブルに交換したところ、4K解像度が選択可能になり正常に表示されました。したがって、この付属ケーブルは使用しない方が無難です。

リモコンは多くのテレビボックスで採用されている汎用品のようです。通常操作に加え、右上のマウスボタンで「選択モード」と「マウスモード」を切り替えられ、白いリング状の方向キーでマウスポインタを移動できます。
ただし、実際の操作感はあまり良くなく、USBマウスを併用した方が快適です。つまり、リモコンは主に選択操作、マウスはポインタ移動用として使い分けるのがおすすめです。
購入時にリモコンの種類を変更できる場合もありますが、写真のものは最も安価なタイプです。

このリモコンは単4電池2本で動作します。電池は付属していません。

テレビボックス本体の一辺は約10cmです。

本体の厚みは18mmで、さらに約4mmの足が飛び出ています。
USB DAC
テレビボックスにはSPDIF(光デジタル出力)があったため、SPDIF対応のDACも同時期に注文しました。しかし、そのDACは普通郵便扱いで第三国経由の発送となったようで、1か月以上経った現在も未着です。
3週間ほど待っても届かなかった時点でしびれを切らせ、改めて購入を検討しましたが、SPDIF DACは評判が良くないため、USB DACを購入することにしました。SPDIF DACは1,000円以下で購入できる点は魅力ですが、オーディオマニアからの評価は低めです。
一方、RCA出力対応のUSB DACは2,000円前後からありますが、一般的には5,000円以上が多い印象です。中華製品では「高級DACチップ搭載」と謳われていても真偽が不明なものが多く、5,000円以上を出すのはためらわれました。
そこで今回は、RCA出力対応で群を抜いて安い(約1500円)ノーブランドUSB DACを購入しました。搭載されているチップの記載は一切ありません。

今回もエスポ便で届きました。写真ではビニール袋の左上が破れているように見えますが、実際には破れていません。

袋の中には製品の箱が入っており、今回は潰れもなくきれいな状態でした。

箱の中には底面に薄いスポンジシートが1枚敷かれているだけで、緩衝材は他にはありませんでした。USBケーブルとDAC本体が透明なビニール袋に入っていました。

内容物はUSBケーブル(A-B)、USB DAC本体、三つ折りの英語マニュアル1枚です。

DAC本体の側面には何もありません。シンプルなデザインです。

このDACは入力がUSB(Type-B)のみで、電源と音声データ入力を兼ねています。写真で見えているSPDIF端子は出力専用です。その右側には同軸のコンポジット出力端子があります。

反対側にはRCAステレオ出力(左右)と3.5mmヘッドホン出力があります。どのようなヘッドホンアンプが内蔵されているかは不明ですが、どのようなアンプであってもボリュームが無いため使い勝手は良くなさそうです。
使用レポートについては、次回の記事で紹介します。
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