
中編では、座席やコンソールボックスを外しフロアカーペットを剥がして車内を丸裸にしました。今回はいよいよ制振材と遮音シートを施工して車内の静音化を行います。することは多くなく、写真も少なめですが、ここから丸1日近くの時間がかかります。今回は年末休暇を利用しましたが、独りDIYでフロアの静音化を行うのであれば連続した2,3日を確保しておいた方が良さそうです。

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アルミシート面には塗装と凹凸模様が施されており、圧着状態を視覚的に確認しやすくなっています。制振効果を最大限に引き出すには、鉄板にしっかり密着させる必要があり、模様が潰れる程度まで強く圧着します。ただし、その分施工後の見た目はあまり良くありません。美観を重視する場合は、表面が平滑なタイプの制振材を選ぶのも一案でしょう。 ブチルゴム面は粘着層になっており、剥離紙を剥がして鉄板に直接貼り付けます。剥離紙は破れやすく、手がゴム成分で汚れることがあるため注意が必要です。また、アルミ層は薄く硬いため指先や手の甲が傷だらけになります。切り出し作業では軍手などを着用して手を保護した方が安全です。 遮音シートには、大建工業の遮音シートGB03053E (940SS)を使用しました。サイズは940mm × 10m × 1.2mmで、重量は1巻あたり約19kgあります。住宅の壁や床向けの建材で、車専用品ではありませんが、遮音性能と価格のバランスに優れています。 940SSは黒いゴムのような見た目ですが、素材は塩化ビニル系で、ゴム特有の強い臭いはありません。同じ大建工業のGB0307 (455H)は本物のゴムシートで遮音性能はさらに高いものの、狭い車内で使用するとゴム臭が気になる可能性があります。
制振材の施工

フロアカーペット、フェルトパネル、発泡スチロールパネルを外した後、清掃と脱脂を行いました。制振材施工において、この工程は非常に重要なため、時間をかけて丁寧に行います。狭い車内なのですぐ終わると思っていましたが、実際には1時間以上かかりました。
長い時間素手でシリコンオフを使ったところ、手がひどく荒れました。脱脂作業では手袋の着用を強くおすすめします。

フロア後方です。写真中央上に小さな黒い四角い制振材が写っていますが、この車でメーカー施工されていた制振材は、この右後部の1箇所のみでした。反対側の左後部にはなく、特定の振動を抑えたかった意図が感じられますが、この面積では効果は限定的でしょう。

制振材を施工しました。写真は助手席側です。ダッシュボード下のフェルトマット下にも、手が入る範囲で制振材を貼っています。制振材は可能な限り隙間をなく貼り、フロアの95%以上をカバーしました。
センタートンネル上部には制振材を貼っていません。ここには安全系統のケーブルやセンサー・機械部品らしきものが配置されており、詳細が不明なため、念のため施工を避けました。清掃時も触れないように掃除機でホコリを吸う程度に留めています。また、シートレール固定部にも貼っていません。

写真は運転席側です。助手席同様、フェルトマット下まで施工しています。ただし、給油口オープナーユニットが当たるサイドシル部分、車体番号刻印部、シートレール固定部には貼っていません。また、発泡スチロール固定用の穴部分も避けています。
制振材を貼っていないところを叩くとコァーンと長く響くのがわかります。

写真左が車両前方です。前席スライドレール間(2本の桟の間)と後席足元は、鉄板が薄く平坦なため特に響きが強い部分でした。桟を含め、可能な限り制振材を貼っています。後席脚固定部周辺とリアドアのサイドシル部には貼っていません。

フロア全体はこのような状態です。制振材施工だけで4時間以上かかりました。切り分け作業だけでなく、ローラーや丸棒で強く圧着する工程に、かなりの時間と体力を使いました。
遮音シートの施工

遮音シートは左右2枚を前から後まで貼るという方法を検討しましたが、94cm幅のため余りが大きくなり、また一枚施工は難易度が高いと判断しました。そこで、94cm × 70cmを2枚(運転席・助手席用)、94cm × 50cmを1枚(前席下)、94cm × 170cmを1枚(後席下・横向き)の計5枚に分割しました。これで遮音シートの無駄が殆どありません。
固定には3Mのカーペット用両面テープを使用し、30mm × 15mを約1.5巻使用しています。貼り付け直後の貼り直しはしやすいですが、圧着後はよく接着され剥がしにくくなるため慎重に作業します。

床の形状に合わせて折り目や切れ目を入れ、両面テープで固定しました。写真ではリア側がまだ未固定の状態です。

助手席側です。ダッシュボード下の部分は、本来はフェルトマット下に遮音シートを貼るのが理想ですが、遮音シートが硬めで狭い隙間で捲るような作業が難しいため、今回はフェルトの上に施工しました。その結果、ダッシュボード奥(バルクヘッド下半分)まで覆うことができ、施工範囲はむしろ広がりました。タイヤハウス内側もしっかりカバーできています。
発泡スチロール固定用の穴は、指で位置を探してハサミで刺して切り取ります。今回使用した遮音シートは簡単に穴を開けたり切ったりできます。(逆に、折った部分が簡単に裂けるので注意が必要です)

運転席側も同様にフェルトマットの上へ施工しました。写真では前方サイドの両面テープ固定が未完了です。
遮音シートは制振材とは異なりローラーで押し付ける作業がないため短い時間で施工できると予想していましたが、実際にはサイズを正しく測り、切ったり折ったりするのに手間取り、これも3時間近くかかっています。
戻し作業

後席足元です。遮音シートの上に発泡スチロールパネルを載せました。制振材・遮音シートともに薄いため、発泡スチロールパネルには加工は不要でそのまま戻せました。桟にかける部分も余裕があり削る必要はありませんでした。
写真はありませんが、フロント側の発泡スチロールとフェルトも加工は不要でそのまま戻せました。その上からフロアカーペットを敷き戻します。フロアカーペットは運転席フロアマット用のフックを先に通す必要があるため、前席側から敷いていきます。

給油口オープナーユニットの固定にはやや苦労しましたが、カーペットを戻してサイド留具に固定しました。この後は各部品とシートの復旧作業です。

センタートンネルの上部には制振材と遮音材を殆ど貼ることができなかったので、その上に置くコンソールボックスの裏側に適量の制振材を貼りました。これにより樹脂の軽いコンソールボックスがかなり重くなりましたが、センタートンネルから上がってくるロードノイズと振動の抑制が期待されます。
フロアカーペットの清掃と戻し作業は簡単そうに見えて意外と手間取りました。当初は洗濯も考えていましたが、裏面にフェルトが貼られており、水洗いは断念しました。フェルトをゴムスポンジ系吸音材に交換する案も考えましたが、コスト面から採用しませんでした。掃除機で吸っても吸ってもカーペットに噛んだ砂が出てくるため掃除に時間がかかり、掃除とカーペットの固定に合わせて1時間半以上かかりましたが、徹底清掃ができたので満足しています。
フロアカーペットを戻した後の部品や座席の取り付け作業自体は1時間もかかりませんでした。
バッテリーのマイナス端子を外した状態で1日半放置したため、車載コンピューターは完全にリセットされました。うちの車は純正ナビからAndroidナビに換装済みなので、影響はエンジン学習と時計程度でしたが、車種によっては各種再設定が必要になる場合があります。リセット後はアイドリングで回転数が安定しない状態になるので2,30分ほど回して学習させます。
効果
フロア静音化の効果は、1日半の作業量に見合うどころか想像以上でした。エンジン停止時の静粛性から別次元で、施工前は聞こえていた外音がほぼ消え、「シーン」とした静けさに驚きます。
走行中もすれ違う車の音が明らかに違います。車のすれ違い音はドアへの静音施工の効果が一番大きいだろうと思っていましたが、フロア施工の方が変化は顕著でした。
ロードノイズも大幅に減りましたが、荒れた路面では依然として目立ちます。これはエコタイヤからコンフォートタイヤへの交換が必要でしょう。現在はスタッドレス装着中という点も影響しています。逆に、舗装の良い路面では異常なほど静かです。
一点想定外だったのは、エンジン音まで大きく低減したことです。エンジンが冷えているときを除き、2500回転以下ではほとんど聞こえず、アクセルの踏み込み始めの感覚が狂い、エンジンが吹けていないと思って強めに踏むと急加速になったり、(エンジン音の感覚では)30km/hのつもりで60km/h越えていたりと、まるで別の車に乗ってるかのような変な感じです。車の音というのは、意外と重要な情報源なのだと実感しました。
とはいえ、荒れた路面を除けば、車内の静粛性はまさに高級車レベルです。外観・内装が明らかに低グレードというか底グレード車なので、そのギャップが少し不思議ですが。
静音化が進むと、前回のフロントフェンダー周りの静音化後に気になっていた走行中の風切り音がさらに目立つようになりました。ドア周りの風切り音対策は必須です。また、ここまで来たら雨音対策として天井の施工も行いたくなります。ルーフの施工を行うなら断熱も行いたいところです。
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