![クルマの近代化改修 スマホでHUD](/images/blog/2024/07/14/hud.avif)
"Boeing 737 classic (300 or 500) with HUD... SWA (LUV) of course" by wbaiv is licensed under CC BY-SA 2.0 .
うちのクルマは古い安物なのでヘッドアップディスプレイ(HUD)なんて装備はありません。走行中に速度を確認しようとすると視線をインパネのメーターまで下げる必要があります。また、クルマの前方(遠方)を見て近くの速度計を見て再び前方を見ると、その都度ピント合わせのやり直しが発生しますが、おっさんで眼が衰えているのでそれがやや難しくなりつつあります。
最近のクルマでやや高級モデルだとダッシュボード下に埋め込まれたHUDが搭載されていてフロントガラスに投影するようになっています。そのHUDには凹面鏡やレンズやミラーが使用されていてHUDから運転手の眼までの距離よりも大幅に焦点距離が伸ばされていて遠景とHUDを見比べる際にピントの合わせ直しが必要ない(少ない)ようになってることが多いようです。
HUDを後付けしようとすると、ダッシュボード下に投影器を埋め込むことはできないのでカーブが計算された凹面鏡型のハーフミラー(リフレクタ,コンバイナ)をフロントガラスの手前に置いてそれに投影するのがベターです。しかし、ハーフミラーは透明度が高くはないので「視界に邪魔者がある感」は高めです。また、計算された凹面鏡であっても、見る位置(運転手のアタマの位置)がズレると意図通りに見えないかもしれません。ハーフミラーのリフレクタが凹面鏡になっているものは設計が良好であれば焦点距離が伸びてピント合わせが必要ない(または少ない)かもしれませんが、安物だと期待しない方が良いかもしれません。
フロントガラスの手前にリフレクタ,コンバイナがあるのは邪魔だと思うならフロントガラスに投影するタイプがありますが、HUDの投影が想定されていない普通のガラスだとガラスの表と裏の表面で2回以上の反射が発生するため投影された映像が多重に見えることになります。また、ダッシュボード上に置く後付HUDはフロントガラスに投影するまでに焦点距離を伸ばす仕組みがないため遠景と投影映像の見比べでピントの合わせ直しが必要です。メーターまで視線を下げなくても良いという以外のメリットが殆ど得られないことになります。
後付HUDで投影する映像としては、デジタルのLEDとGPSで速度だけ、OBDなどで取得した数種類の数値を表示、スマートフォンのアプリ画面の表示、スマートフォンの画面を(ほぼそのまま)Android Autoなどで投影専用ディスプレイで表示、スマートフォンのBluetoothなどで幾つかの情報を投影専用ディスプレイで表示、などがあるようです。
Android Autoの投影タイプではHUDWAYのHUDWAY Driveが有名ですが高価です。中華の似たような製品は大幅に安め(意味不明におそろしく高価で販売されていることもあります)で、この製品と同じ筐体のHUD製品が複数のブランドから販売されています。リフレクタが前方の視界を遮ることがあってはいけないので運転手の目線でダッシュボード〜ボンネットが見える範囲にリフレクタが存在するように設置する必要があると思われます。(保安基準) スマホアプリで幾つか限られた情報を投影するタイプでは多く出回っている製品。これはC3ですが、姉妹モデルのC1, C2があります。それぞれナビ表示対応の有無があります。C1,C2,C3は筐体以外大きな違いなし?リフレクタが前方の視界を遮ることがあってはいけないので運転手の目線でダッシュボード〜ボンネットが見える範囲にリフレクタが存在するように設置する必要があると思われます。(保安基準) 今回は、スマートフォン画面をフロントガラスに投影するために試しにハーフミラーのシートだけを買ってみました。ただし、このハーフミラーのシートをフロントガラスに貼ると運転手の前方の視界を遮る障害物となり保安基準を満たさない可能性が高いです。日本で公道を走行する際にはシートを剥がしておく必要があると思われます。
今回購入したハーフミラーのシートです。ハーフミラーは透明度が高くないとは覚悟していましたが、やはり暗め(黒っぽい)です。
今回はスマートフォンの画面を映します。緊急地震速報の通知画面が黄色で目立つのでテスト用に利用することにしました。
スマートフォンをダッシュボードに置こうとしても、クルマが停まっていてもツルツル滑って意図した位置に留め置くことができないので滑り止めシートを使うことにしました。
運転席側のダッシュボードの上でフロントガラスに近いところにスマートフォンを置きました。これはハンドルの上から斜め下を覗き込む形(近め)で撮影しています。シャッターが閉まった状態で暗めな車庫内なのでスマートフォンの画面がフロントガラスによく映っています。
運転手の目線の位置で撮影しました。スマートフォンの画面がフロントガラスに映っているのは1つ前の写真と同じですが、遠めなので何が映っているかは見えにくくなりました。
スマートフォンのHUDアプリのHUDWAY Go (やSygic GPS Navigation & Maps)を使って速度と地図表示をしてみました。暗い車庫ではかろうじて速度の数字が見えますが、フロントガラス表面の反射があるので多重に見えます。これによりかなり見づらいです。また、地図は全く見えていません。
購入したハーフミラーシートをフロントガラスに貼ってみました。速度の数値が白飛びするほどで、地図も見えています。ただ、この距離だとスマートフォンは遠いということもあり地図の内容はよく判りません。
屋外で昼間の明るい時間です。太陽は斜め後ろで影響がほぼ無いはずですが、ハーフミラーシートをフロントガラスに貼っていてもスマートフォンの画面が投影されているとは思えないほどほぼ見えません。もちろんフロントガラスに直接投影では全くカケラも見えません。ダメじゃん。
ちなみに、ハーフミラーシートは糊で貼り付けるのではなく静電気でガラスに吸い付かせるものなので簡単に貼ったり剥がしたりできます。ガラスに貼る面はツルツルではなく若干ベタッとした感があります。貼るのは簡単ですが、気泡が入りやすいのとホコリが挟まりやすいです。どちらも結構目立つので上手く貼らないといけません。これはスマートフォンの画面保護フィルムと同様です。しかし、車種によってはフロントガラスが傾斜していてガラス下部に貼るのが難易度高めな場合があります。
結果
夜など周囲が暗ければスマートフォンの画面でも見えるようですが、その夜でも速度表示の数字を大きくしないと何が映っているのかよく見えないと思われます。HUDアプリは文字の大きさを調整できるようにはなっています。また、地図なども黒地に白で道だけが強調表示できるようになっています。
何にしても、昼にまったく見えないので夜に運転することがほぼ無い「がとらぼ」の人には意味がありません。
ハーフミラーシートはフロントガラス直接投影のように多重に見えることがなく、フロントガラスよりは反射率が高いのではっきり見えやすいのですが、スマートフォンの画面の輝度では暗すぎて昼には何も見えません。仮に見えても画面にごちゃごちゃ表示させたところで(視力が良くないと)ほぼ読み取れません。
また、フロントガラスにハーフミラーを貼るのはおそらく保安基準的にアウトで走行時に使えないので意味ありません。フロントガラス+ハーフミラーシートの可視光線透過率はほぼ間違いなく保安基準の70%を下回る筈です。
このハーフミラーシートを購入したのは5月の連休頃でしたが、まったく使い物にならないことが判ったので記事にしていませんでした。
しかし、最近HUDのGPS速度計を購入したので記事化しました。HUD速度計は次回で。