
今年の夏、ラゲッジルームの床板の下に遮音シートを敷きました。作業自体は非常に簡単でしたが、その効果は想像以上で、車内が驚くほど静かになりました。さらに後日、スペアタイヤを格納するエリアの薄い鉄板部分に制振材を貼り付け、鉄板の振動によるノイズを防ぐようにしました。ただし、遮音シートとの重複部分であるためか効果を体感できるほどではありませんでした。2つの施工によりラゲッジエリアの床下からのノイズは減少したものの、周囲からの音は依然として気になるレベルでした。特に、走行中に発生するロードノイズや原因不明のバタつき音は、リアのタイヤハウス、リアクォーターパネル、そしてリアハッチから発生しているように思われます。(今回はリア部分の施工について述べます)

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この写真はラゲッジエリアの車内側からリアハッチを撮影したものです。リアハッチの内張りはすでに外してあります。この内張りは、リアハッチを開けることなく、下部に指をかけて車内前方に引っ張るだけで簡単に外すことができます。この車の場合、リアハッチ内側には制振材も吸音材も一切使用されておらず、軽量化のためかインナーパネルに大きな開口部が設けられています。そのため、外部との間は薄いアウターパネルと樹脂の内張りのみで仕切られています。当然ながら、外部の音が車内に伝わりやすく、走行中は薄い外板がシンバルのように震えてノイズを発生させます。この構造が、同クラスの低価格車よりも騒音が大きい原因の一つと言えるでしょう。

リアハッチは上方向に跳ね上げるタイプのため、サイドドアのように重い制振材を多量に貼ることはできません。制振材を貼りすぎると、ダンパーで支えきれずにハッチが下がってしまうからです。そのため、凹凸の多い部分や、叩いても音が響かない場所には制振材を貼らず、主にアウターパネルの響きやすい部分だけに施工しました。インナーパネルには、叩いて反響した中央下部の2箇所のみに制振材を貼っています。
写真には写していませんが、アウターパネルとインナーパネルの間には1cm厚の吸音材の「シンサレート」をロール状にして挟み込みました。

リアハッチの内張り裏側には、重量増加を防ぐため、最低限の制振材のみを間隔を空けて貼りました。軽く叩いてみて、わずかに響かない程度のバランスで施工しています。

リアハッチの内部にシンサレートを使ったら残りが無くなってしまったので内張りの裏側には同じく1cm厚のニードルフェルトを貼りました。内張りには3箇所の突起があり、これがリアハッチのフレームと接触するようになっていました。接触部分には布のようなクッション材が貼ってあり、これにより走行中に振動してカタカタ鳴るのを防ぐようになっていました。そこで、その突起部分はニードルフェルトに穴を開けて通しました。

リアハッチの内張りを固定する白いクリップは主に上段・中段に取り付けられていたものが劣化して爪が砕けていました。土台面の皿も砕けて欠けているものがありました。そこで、以前にAliExpressで購入して放置していたトヨタ用クリップセットに入っていた同型クリップと交換しました。15年落ちほどの車になると光が当たらない部分のクリップであっても樹脂が黄色っぽく変色して脆く砕けるようです。

内張りをリアハッチに再装着しました。位置を合わせて軽く叩くと、クリップがパチンと嵌まり固定されます。リアハッチを開ける必要はありません。

リアのタイヤハウス部分の内張りを外すには、まずラゲッジルームの床板を外します。床板は置いてあるだけなので、持ち上げるだけで簡単に外せます。黒いフックが10mmの六角ナットで床に固定されているため、左右に2つずつ外します。このフックの片側はリア座面下のカバーを留めているため、それも同時に外します。写真で白く見える汚れは、結露した水が乾いて残ったカルシウム分などと思われます。濡れた雑巾で拭けば簡単に除去できます。

タイヤハウスの内張りを外す際は、リアシートベルトの固定ネジが邪魔になるため、これを外します。固定には14mmの六角ネジとクリップが使われています。写真右下に見えるリアシート座面の固定金具は外す必要はありません。

タイヤハウスの内張りは、下部を内側に引っ張ることで剥がすことができます。この内張りパネルは上部に爪があり別の内張りパネルに引っ掛けてあるため、上部から引っ張ってはいけません。また、この作業の前に、リアハッチ開口部下側中央の樹脂製カバー(敷居部分)を外しておく必要があります。このカバーはリアハッチを開けなければ取り外せません。

内張りを裏返すと、フェルト製の吸音材が貼られていました。この吸音材の効果は限定的ですが、このように静音対策がほとんど施されていない車種でもメーカーが吸音材を配置しているということは、それだけノイズの発生が多い部分であることを意味します。つまり、タイヤハウスの車内側に制振材を貼ることで、高いノイズ抑制効果が期待できます。

前回、制振材が不足して中途半端に終わっていたスペアタイヤ収納部の横からタイヤハウス(車内側)にかけて、広く制振材を貼りました。フックのネジ穴などの機能部分は避けています。これで鉄板を叩いても響く箇所はなくなりました。写真には写っていませんが、タイヤハウス後部の開口部からリアクォーターパネル(アウターパネル)の内側にも、手の届く範囲で制振材を貼り付けました。写真は左側タイヤハウス部分で、この車ではガソリン給油口があるため、施工範囲は狭くなっています。

右側タイヤハウス車内側にも制振材を貼りました。左右で施工方法は少し異なります。写真の赤い矢印部分、タイヤハウス後部側にはリアクォーターパネルへ続く開口があり、右側には給油口がないため、奥まで広く制振材を貼ることができました。これによりリアクォーターパネルの振動も抑制できると考えられます。

ラゲッジエリアの床部分を撮影しています。ここは通常、リアシート座面の下に位置する場所です。この車ではリアシートを前方に押し出し、後席足元のスペースに倒し込むことでラゲッジエリアを拡大できます。先ほど外したフックと、フックのない10mm六角ナットを左右2つずつ外すことで、床カバーを取り外すことができます。カバーを外すと燃料ポンプのフタが見えます。このフタの周囲の鉄板は叩くと硬く響くため、制振材は無しで遮音シートだけを敷くことにしました。(次へ)

この部分にはリアシート固定用のループ金具が2箇所出ているため、その部分だけ穴を開けて遮音シートを敷きます。遮音シートは、スペアタイヤ側(後側)とフロント側の両方で数センチの余裕を持たせてカットしました。

遮音シートを敷いた上に床カバーを取り付けました。遮音シートがはみ出していますが、これは想定通りです。はみ出た部分が隣の遮音シートと重なることで、気密性と遮音性を高める役割を果たします。スペアタイヤ側は、床板(スペアタイヤと工具入れのフタ)を開けることがあるため、ガムテープなどで遮音シートを張り合わせてつなぐことはできません。

写真の中央部分が燃料ポンプの位置です。後席右側はすでに通常の状態に戻しています。左側(写真下半分)はリアシートを倒してラゲッジスペースを拡大した状態です。スペアタイヤ上の床板を戻したため、遮音シートのはみ出しは隠れています。前方に延びた遮音シートの一部は写真に写っていますが、左リアシートを戻すと座面下に隠れます。今後、前後シートを取り外してフロアカーペットを剥がす際には、この部分にさらに遮音シートを重ねて接着する予定です。
今回は左右のリアのドアにも制振材を施工しました。ただし、フロントドアのように全面施工はせず、アウターパネルを重点的に、インナーパネルと内張り(ドアトリム)には必要最小限のみ貼っています。今回は制振材でインナーパネルのサービスホールも塞ぐこともしていません。サービスホールは透明ビニールシートで塞ぎ、その上から吸音材のシンサレートを重ねました。なお、リアのドアには左右ともフェルト吸音材は一切貼られていませんでした。
リアハッチ、左右のタイヤハウス、リアドアに制振材を施工しましたが、今回は節約施工だったため5mロールのうち数十cmが余りました。残りの制振材でバルクヘッド部分の施工も可能かもしれません。
今回の施工効果として、走行中に車後部から聞こえていたバタつく音や、やや高めの「コーー」という音がほぼ消えました。ただし、「ゴー」という低音のロードノイズは依然として残っています。この車にはリアタイヤハウスカバーがなく、タイヤハウスのタイヤ側の車体に直接ザラザラとしたコーティングが施されているため、「ノックスドール オートプラストーン」のような厚いゴム層を追加施工すれば軽減できる可能性があります。ただし、車軸から伝わるノイズであれば効果は限定的でしょう。
今回の静音効果はかなり大きく、エンジン始動直後のアイドリングから明確に違いが感じられ、感動するほどでした。しかし、走行を始めて5分もするとその静けさに慣れてしまい、感動は薄れます。それでも、音楽が聞き取りやすくなるなど、ふとした折に改めて効果を実感することがあります。
リアドア、リアハッチ、タイヤハウス、燃料タンク上(床下)を同時に施工したため、どの箇所の効果が最も大きいかは判断できません。リア側からのノイズは確実に減少しましたが、その分、前方のエンジン音がより目立つようになりました。さらに、前輪側のロードノイズも大きいため、今後は前タイヤハウスとフロントフェンダー内側(フェンダーライナー)にも静音処理を行う予定です。また、バルクヘッドやボンネット裏にも何らかの対策を施したいと考えています。
元々この車は静音処理がほとんど施されていないため、効果を実感しやすく、やればやるほど静かになります。そのため、静音施工が楽しくなって止まらない――まさに“静音沼”にハマってしまいました。
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