NanoPi NEO2用に最新のarmbianをビルドして起動

追記: 2017年11月下旬にNanoPi NEO2はサポートボードに復活したのでイメージファイルはarmbian公式サイトからダウンロードできるようになっています。

2017年6月上旬以降にarmbianのNanoPi NEO2がハブンチョされたままになっている。NanoPi NEO2以外にもSoCにH5を搭載したボードやその他一部のボードも。NonoPi NEO(無印)は引き続き正式サポート。
正直なんでサポート外にされたのかよく理解していないが、NanoPi NEO2でarmbianが使えないというのは寂しい。(2017年6月上旬の古いイメージファイルは引き続き提供中)

そこで、今回はarmbianの最新のソースでNanoPi NEO2のOSイメージをビルドする。NanoPi NEO2以外のNanoPi NEO Plus2やOrangePi Prime, OrangePi PC2なども同様でいけると思う。(動作するかは未確認) 2017年8月3日追記: NanoPi NEO Plus2がdisabledにされた。

ビルド準備 (初回)

armbianのビルド環境構築についてはhttps://github.com/armbian/buildに解りやすく書いてある。
で、executionに書いてあるところまで実行する。

hoge@ubuntu:~$ apt-get -y install git
hoge@ubuntu:~$ git clone https://github.com/igorpecovnik/lib --depth 1
hoge@ubuntu:~$ cp lib/compile.sh ./  ←ここまで実行
hoge@ubuntu:~$ ./compile.sh           ←これは後で実行

2017年8月3日追記:
記事を書いた途端に変更になった。チッ

hoge@ubuntu:~$ apt-get -y install git
hoge@ubuntu:~$ git clone https://github.com/armbian/build
hoge@ubuntu:~$ cd build       ←ここまで実行
hoge@ubuntu:~/build$ ./compile.sh   ←これは後で実行

NanoPi NEO2(他H5搭載のボード等)はそのままではビルド対象として選択できない状態なのでビルド対象にしてやる。
2017年8月31日変更: 8月29日の変更によりこの手順は不要になった。

hoge@ubuntu:~$ cd ~/lib/config/boards
aw-som-a20.csc      hummingbird.csc     odroidc1.conf       orangepizero.conf
bananapi.conf       lamobo-r1.eos       odroidc2.conf       orangepizeroplus2-h3.conf
bananapim2.conf     lime2.conf          odroidxu4.conf      orangepizeroplus2-h5.wip
bananapim2plus.conf lime2-emmc.conf     olinux-som-a13.csc  pcduino2.conf
bananapim2ultra.csc lime-a10.eos        orangepi2.conf      pcduino3.conf
bananapim3.csc      lime-a33.conf       orangepi2g-iot.csc  pcduino3nano.conf
bananapipro.conf    lime.conf           orangepi.eos        pine64.conf
beelinkx2.conf      micro.conf          orangepilite.conf   pine64so.conf
clearfogbase.conf   miqi.conf           orangepimini.eos    pinebook-a64.conf
clearfogpro.conf    nanopiair.conf      orangepione.conf    roseapple.eos
cubieboard2.conf    nanopik2.wi         orangepipc2.wip     tinkerboard.conf
cubieboard4.csc     nanopim1.conf       orangepipc.conf     topwise-a721.csc
cubieboard.eos      nanopim1plus2.wip   orangepipcplus.conf udoo.conf
cubietruck.conf     nanopim1plus.conf   orangepiplus2e.conf udoo-neo.conf
cubox-i.conf        nanopineo2.wip      orangepiplus.conf
espressobin.wip     nanopineo.conf      orangepiprime.wip
guitar.eos          nanopineoplus2.wip  orangepiwin.wip
hoge@ubuntu:~$ ln -s nanopineo2.wip nanopineo2.conf
hoge@ubuntu:~$

2017年8月から ~/build/config/boards/に変更された。

要するに.wipなファイルのボードはビルド対象の選択メニューに表示されないので.confにしてやる。**.wipが更新されることもあるのでファイルコピーやリネームよりシンボリックリンクが良いかと。もちろんビルドしたいボードの.wipだけでいい。 2017年8月31日変更: 8月29日の変更によりこの手順は不要になったので取り消し線を付けた。

armbianでNanoPi NEO用をビルド1
画面1:
初めてarmbianをビルドする場合はcompile.shは初期値でいいと思う。何度かビルドして気に入らない部分だけ変更ということで。2017年8月3日追記: 8月に入ってからの変更で設定はconfファイルに記述するようになった。
すでにビルドしまくっている場合はタグを変更していることがあるかもなのでcompile.shのLIB_TAGを初期値(=空)に戻す。
なお、バージョンによっては項目名がLIB_TAGではないかも。(2017年7月29日現在の最新版ではLIB_TAG)

2017年8月31日追記: 8月29日の変更によりエキスパートモードでwipなボードをメニューから選択可能になった。compile.shを1度走らせるとconfig-default.confが作成されるのでそこに EXPERT="yes" を1行追加すると次回からエキスパートモードで実行される。または ./compile.sh EXPERT=yes で実行するか。

ビルド開始

hoge@ubuntu:~$ ./compile.sh
hoge@ubuntu:~/build$ ./compile.sh   ← ~/buildディレクトリで実行

初回はソースのダウンロード等でかなり時間がかかる。2回め以降の実行なら更新ファイルのダウンロードのみなのでそれほど時間はかからない。

armbianでNanoPi NEO用をビルド3
画面1:
2017年8月に入ってから追加された画面。
MicroSDカードに書き込むOSイメージファイルを作成するなら下側のFull OS image for flashingを選択する。

armbianでNanoPi NEO用をビルド2a
画面2a:
非エキスパートモードでは正式サポートのボードの選択画面が表示される。。カーソルキー上下でボードを選択してOK(Enter)で画面5へ。

armbianでNanoPi NEO用をビルド2b
画面2b:
エキスパートモードでも正式サポートのボードリストが表示されるが、リスト下中央に<Show CSC/WIP/EOS>という選択肢が増えている。それを選択して[Enter]

armbianでNanoPi NEO用をビルド3
画面3:
エキスパートモードであることの警告兼確認画面。 「理解して同意」(I understand and agree)を選択して[Enter]。

armbianでNanoPi NEO用をビルド4
画面4:
非正式対応のボードリストが表示されるので目的のボードを[↑][↓]で選択して[Enter]を押す。または選択して[Tab]を押して<OK>

armbianでNanoPi NEO用をビルド4
画面5a:
Debian JessieかUbuntu Xenialか好みで選択。ディストリビューションを選択して[OK]を選択。
画面6へ。

armbianでNanoPi NEO用をビルド4
画面5b:
エキスパートモードでは選択肢にDebian 9 Stretchが追加表示されるようになった。(8月末より)

armbianでNanoPi NEO用をビルド5
画面6:
暫く処理後にカーネルコンフィグが表示されるので必要に応じてオプションを指定。ワカンネって人はカーネルコンフィグのトップ画面(上の画面)でExitを選択して[Enter]。(これで標準値でビルド開始)
コンフィグ選択の階層を進んだ場合はその画面のExitで一つ上の階層に戻る。
基本的に解らんものは触らない。

ビルド環境のPCや選択したボード、カーネルコンフィグの内容によってビルド時間は大幅に変わるようだけど、とにかくだいぶ待たされてビルドがエラーにならずに完了したらOK.

完成したイメージファイルの取り出し

hoge@ubuntu:~$ cd output/images/
hoge@ubuntu:~$ ls
Armbian_5.32_Nanopineo2_Debian_jessie_dev_4.11.10.img
hoge@ubuntu:~$ ftp -p ftp.example.com      ←VirtualBoxからFTPの際はパッシブモードで
Connected to ftp.example.com.
220 ftp.example.com FTP server(Version 6.00LS) ready.
Name: hoge
331 Password required for hoge.
Password:
230 User hoge logged in, access restrictions apply.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
ftp> bi
200 Type set to I.
ftp> mput *img
mput Armbian_5.32_Nanopineo2_Debian_jessie_dev_4.11.10.img? y
227 Entering Passive Mode (ftp.example.com,203,115)
150 Opening BINARY mode data connection for 'Armbian_5.32_Nanopineo2_Debian_jessie_dev_4.11.10.img'.
226 Transfer complete.
1287651328 bytes sent in 10.67 secs 115.0516 MB/s)
ftp> quit
221 Goodbye.
hoge@ubuntu:~$ 

2017年8月から ~/build/output/images/に変更された。

上はFTPで別のPC(FTPサーバ)に出した例。
とにかく ~/output/images/ にビルドしたイメージファイルが作成されている筈。

イメージをmicroSDカードに書き込む

$ sudo dd if=./Armbian_5.32_Nanopineo2_Debian_jessie_dev_4.11.10.img of=/dev/sdb && sync

UNIX系のOSなら基本はこんな感じ。上の例だとMicroSDが/dev/sdbね。書き込み先を間違ったら泣くことになるので要確認。
こちらはストレージのマウント・アンマウントに慣れていないとまたは油断していると正常に書き込めないことも。

Windows, Linuxで簡単に確実にイメージを書き込みたいならarmbianでもオススメしてるっぽいEtcherを使う。
ダウンロードして実行するだけ。Windows用はインストール版とポータブル版があるので好みで選ぶとして、Linux用(通常)はダウンロードしたファイルを解凍して中のAppRunを実行するだけ。よほど特殊なディストリビューションでなければ動くかと。つまりとても簡単。

armbianでNanoPi NEO用をビルド6
画面6:
上はEtcherの画面。左の で書き込むイメージファイルを選択。中央の で書き込み先のMicroSDカードを指定(Etcher起動前に接続していれば自動で認識)、2つの選択が終わったら右の で書き込み開始。Etcherでは書き込み後のベリファイや自動アンマウントも行ってくれる。(これを変更する場合は右上の から)

Flash Complete!の表示が出たらEtcherを閉じる。microSDカードはそのまま抜いて大丈夫。

OS起動から電源断までの基礎

armbianでNanoPi NEO用をビルド7
画面7:
イメージ書き込み済みのmicoSDカードをNanoPi NEO2に差し込んで電源投入。30秒〜1分程度で起動する筈。
SSHでログイン。(IPアドレスの調べ方はこちら)
armbianの初期値は アカウントがroot、パスワードが1234。

初回ログイン後にrootアカウントのパスワード1234をもう一度入力、新しいrootアカウント用のパスワードを2回入力。
続いて一般ユーザーのアカウントを作成という流れ。
電源断はshutdown -P now [Enter] で緑のLEDが消えたら電源ケーブルを抜いてOK。

2017年8月3日追記: ビルドできるからって期待しちゃダメ。ハブンチョ前とカーネル変わって更に未完成度が高くなってる。あちこちおかしい所だらけ。(だから正式サポートから外れてるんだろうけど)

関連記事:

無料セキュリティソフト Kaspersky Free

少なくとも2020年以降はWindows標準搭載のWindows Defenderの方がサードパーティー製のウイルス対策製品より性能が良いかもしれないので、Windowsではウイルス対策製品はもう買う必要はないかもしれません。

7月25日にカスペルスキーが製品提供20周年を記念して無料アンチウイルスソフトKaspersky Freeをリリースした。と、いっても既にロシア・中国・ウクライナ・北欧はリリース済み。今回は一応世界対応版ということになっているけど、カメリカ・カナダ・カリブ(地域)・カザフスタン・ベラルーシが正式対応になっただけ。順次正式対応地域が増えて、日本は2017年10月後半に正式対応地域(日本語対応?)になるみたい。

Kaspersky Freeは無料ということだが一応ライセンスは必要ということらしい。インストールしてアクティベーションすれば少なくとも1年間は無料のまま利用できる。その後のライセンス更新については無料で行えるのか今のところはよくわからない。

Kaspersky Free 1
画像 1:
Kaspersky Freeは既存のKaspersky製品をリプレースするものではなく別製品という扱い。求めているセキュリティの範囲をKaspersky Freeでは十分に満たせないと思ったらその機能を有する別製品の導入も検討することになるかと。
上の画像と違うページだけどKaspersky Freeのページのリンク。

Kaspersky Free 2
画像 2:
Kaspersky Free(左)と有料版のKaspersky Internet Security(右)との機能比較。
個人的には余計なのが付いていないKaspersky Freeの方が好みではある。

Kaspersky Free 3
画像 3:
システム要件。一応Windows XP SP3以上のほぼ全部対応。Windows Server版を除く。必要な性能面もかなり敷居が低いので、今どきのPCでこれを満たせないことはほぼないかと。

Kaspersky Free 4
画像 4:
ダウンロードしたファイルを実行。
[Continue]を押す。

Kaspersky Free 5
画像 5:
[Install]を押す。

Kaspersky Free 6
画像 6:
インストール開始。数分かかる。

Kaspersky Free 7
画像 7:
[Done]を押す。
インストール完了、と思ったらそうでもない。

Kaspersky Free 8
画像 8:
既にKaspersky製品を使用していてKasperskyポータルのIDを持っているなら右列でログイン、IDが無いなら左の[Register now]から登録開始。

Kaspersky Free 9
画像 9:
こちらはKasperskyポータルの登録画面。
メールアドレスとパスワード2回入力。チェックボックスは上の画像のようにBy creating an account, you accept the Privacy Statementの方だけにチェックするのがオススメ。もうひとつのI agree to・・・の方にチェックするとおそらくKasperskyから不要な案内メールがいろいろ届くことになるかと。「メール欲しいわ」って人はチェック。
[Create an account]を押す。

Kaspersky Free 10
画像 10:
アクティベーションとレジストレーションが入り混じって解りにくい表示だが、アクティベーションは完了したらしい。
[Done]を押す。
数秒〜数分でKasperskyから確認メールが届く。そのメールのリンクを押して登録を完了させる。

Kaspersky Free 11
画像 11:
Kaspersky Freeのメイン画面。

Kaspersky Free 12
画像 12:
1つ前の画面11の中央の[Database Update]にUpdate requiredが表示されていたのでデータベースの更新を行う。
左の赤い破線の四角の部分がNever runになっているので一度もデータベースが更新されていない。(インストール直後なら当たり前)
その上の[Run update]を押す。2017年7月26日時点ではデータベース更新のためにダウンロードされる容量は小さく時間も10秒ほどで完了した。
今後は長くなるかもだけど。

Kaspersky Free 13
画像 13:
画面左下の[]で設定メニュー。
左列の[Protection]で機能のON/OFFを選択できる。Kaspersky Freeでは4つの機能のみ。基本4つともONで。

Kaspersky Free 14
画像 14:
左列で[Scan]を選択。標準のセキュリティレベルはMediumということらしい。これがRecommended(推奨)になっている。

Kaspersky Free 15
画像 15:
他も触れるようだけど標準値でいいかな。まぁ無料アプリなのにいろいろ指定させてくれるのは好感できるよね。

Kaspersky Free 16
画像 16:
画面右下のLicense:*** days remainingの部分を押すとライセンス表示画面。

Kaspersky Free 17
画像 17:
こちらは同じくライセンス表示だけど、画面16のLicense:*** days remainingの左隣りにあるMy Kasperskyからログインしてからオンラインで「ライセンス」を確認したもの。
この画面に(無料の)「ライセンス更新」の案内が表示されたら安心できるのに・・

Kaspersky Free 18
画像 18:
メイン画面(画像11)で[Scan]を押した。
基本は左列の[Full Scan]ということのようだが、対象を選択してのスキャンやあまり役に立たないQuick Scanも行える。
普通かと。

Kaspersky Free 19
画像 19:
タスクマネージャで見てみた。この画面で見るかぎり平時のメモリ使用量は50MB程度と意外なほど少ない。「いいね」

Kaspersky Free 20
画像 20:
Kaspersky Freeをインストールするとおそらくデスクトップ上にKaspersky Freeとは別にKaspersky Secure Connectionというアイコンが登録される筈。それを起動。
いまいち詳細不明だけどVPNを使った通信の保護機能みたい。

Kaspersky Free 21
画像 21:
容量無制限のセキュア通信を行いたい場合は有料っぽい。
しかし、そのサービスを得るために[Subscribe]を押したがどうしたらよいのか不明。有料サービスなのにそこにたどり着けないってダメでしょ。

Kaspersky Free 22
画像 22:
とりあえず無料で利用できるのは300MB(1日あたり?)らしい。これは本当にお試しレベル。
下部のオレンジ色の[Get more]をクリックするとようやく有料メニューを見ることができた。PC5台まで1ヶ月$4.99、PC5台まで1年$29.99ということらしい。
価格としては良心的とは思うけどKasperskyのVPNをどこまで信用できるか、速度・レスポンスに満足できるか?だよね。

以上、広告が出るでもなくあまりにも露骨な有料版へのアップグレードへの誘導もない(全く無いわけではない)ので無料アプリとしては良心的な印象。

問題はKaspersky製品にスパイアプリだとかサイバー攻撃に使用されているという疑惑があること。最近は米露が険悪な雰囲気なのでロシア製カスペルスキーが叩かれているだけだと思うなら素直に利用すれば良いけど、心配だという人も多い筈。
パケットキャプチャで暫く眺めたが、他のセキュリティアプリと同じくKaspersky FreeもひっきりなしKasperskyのサーバーと通信しまくる。内容が不明なのでスパイアプリの疑惑を払拭できない。
個人的にはKasperskyだけでなく他のセキュリティアプリもそれぞれのサーバーと通信しまくるのが大嫌い。自分のPCが乗っ取られて好き放題使われているようにしか見えない。

だから自分のPCにKaspersky Freeを入れてを使うかとなると疑惑の有無に関わらず「う〜〜ん」というのが今のところの正直な気持ち。他人にオススメするかとなると疑惑がある以上ちょっと無理。疑惑が晴れればオススメでいい。

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