FreeBSDでUSBデバイスのデバイス名を固定する

FreeBSDでUSBデバイスを使う際、それが同じ用途のデバイスであるとUSBポートの差し替えとか認識される順序によっては/dev/デバイス名○の数字の部分が変わってしまう。ヘタにデバイス名をアテにして設定しているとデバイス名が変わることで困ってしまう。そこで特定のUSBデバイスを接続したらそれに応じたデバイス名になるよう固定する。

参考: https://habr.com/ru/post/200330/

まず、USBデバイスの情報を表示した。
# usbconfig dump_device_desc

中略

ugen1.2: <Linux 4.19.68-sunxi with musb-hdrc Gadget Serial v2.4> at usbus1, cfg=0 md=HOST spd=HIGH (480Mbps) pwr=ON (2mA)

  bLength = 0x0012 
  bDescriptorType = 0x0001 
  bcdUSB = 0x0200 
  bDeviceClass = 0x0002  <Communication device>
  bDeviceSubClass = 0x0000 
  bDeviceProtocol = 0x0000 
  bMaxPacketSize0 = 0x0040 
  idVendor = 0x0525 
  idProduct = 0xa4a7 
  bcdDevice = 0x0419 
  iManufacturer = 0x0001  <Linux 4.19.68-sunxi with musb-hdrc>
  iProduct = 0x0002  <Gadget Serial v2.4>
  iSerialNumber = 0x0000  <no string>
  bNumConfigurations = 0x0001

中略

ugen2.3: <u-blox AG - www.u-blox.com u-blox 7 - GPS/GNSS Receiver> at usbus2, cfg=0 md=HOST spd=FULL (12Mbps) pwr=ON (100mA)

  bLength = 0x0012 
  bDescriptorType = 0x0001 
  bcdUSB = 0x0110 
  bDeviceClass = 0x0002  <Communication device>
  bDeviceSubClass = 0x0000 
  bDeviceProtocol = 0x0000 
  bMaxPacketSize0 = 0x0040 
  idVendor = 0x1546 
  idProduct = 0x01a7 
  bcdDevice = 0x0100 
  iManufacturer = 0x0001  <u-blox AG - www.u-blox.com>
  iProduct = 0x0002  <u-blox 7 - GPS/GNSS Receiver>
  iSerialNumber = 0x0000  <no string>
  bNumConfigurations = 0x0001 

ugen1.2がUSBシリアル接続のデバイス(Linuxシングルボードコンピュータ)
ugen2.3がUSBシリアル接続のGPSモジュール

/etc/devd.confで使える変数 $device-nameは /dev/デバイス名 の「デバイス名」部分が入るのだろうと思っていたが、シリアルデバイスの一部(全部?)はデバイス名がttyU*ではなく、umodem*になるっぽい。/devにはそんなデバイス無いのにね。(「がとらぼ」で試した範囲では)
なので、umodemをttyUに置換して それを指定したデバイス名にシンボリックリンクする。

/usr/local/bin/ln_dev.sh (新規ファイル)
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#!/bin/sh
# $1 置換前デバイス名 devd.confの$device-nameが入る前提
# $2 $device-nameのデバイス名で数字が付いていない部分下の例ではumodem
# $3 $device-nameのデバイス名の置換後
# $4 シンボリックリンク先 目的のデバイス名

/bin/ln -s $(echo /dev/$1 | /usr/bin/sed "s/$2/$3/g") $4
# chmod +x /usr/local/bin/ln_dev.sh
実行可能にしておく。
/etc/devd.conf (ファイル最後に追加)
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//USBシリアル通信デバイス (シングルボードコンピュータ)
attach 100 {
    match "vendor" "0x0525";
    match "product" "0xa4a7";
    match "release" "0x0419";
    action "/usr/local/etc/ln_dev.sh $device-name umodem ttyU /dev/hoge0";
};

detach 100 {
    match "vendor" "0x0525";
    match "product" "0xa4a7";
    match "release" "0x0419";
    action "/bin/rm /dev/hoge0";
};


//USB GPS module
attach 100 {
    match "vendor" "0x1546";
    match "product" "0x01a7";
    match "release" "0x0100";
    action "/usr/local/etc/ln_dev.sh $device-name umodem ttyU /dev/gps0";
};

detach 100 {
    match "vendor" "0x1546";
    match "product" "0x01a7";
    match "release" "0x0100";
    action "/bin/rm /dev/gps0";
};

attachがデバイス接続時。detachがデバイスの接続が切れたときに使用される。
先にusbconfigで見た内容のidVendorがdev.confで指定するvendorに対応する。同様にidProductがproductに、bcdDeviceがreleaseに対応する。上の例では3つがマッチした場合にactionするようにしたが、3つでなければならないわけではない。マッチさせる条件が多い方がより確実だろうけど、シリアル番号のようなものがあるなら例えばベンダー名とシリアルの2つで確実にユニークなデバイスとして識別できるかもしれない。
ただ、今回の機器は2つともiSerialNumber: 0x0000 <no string>でデバイス識別には役立ちそうになかったのでmatch条件にはしていない。

上の例ではシングルボードコンピュータは/dev/hoge0、GPSモジュールは/dev/gps0となる。それぞれ最後の0は上のようにdevd.confで指定したから付くというだけであって、数字を付けなければならないというものではない。今後GPSモジュールを追加で接続するならgps1とかgps2とかにするという目論見での命名。

# service devd restart
devdを再起動。

これで、USBデバイスのケーブルを抜き差ししたりシステムを再起動したりで/dev/ttyU0だとか/etc/ttyU1だとかの数字が変わっても、その内容から識別してデバイス名のシンボリックリンクが作られるので安心。

Grafana AlertingやAlert Managerと連携して警告灯を点灯

これまでいくつか警告灯の記事を書いたけど、Grafana Alertingから、またはPrometheusのAlert Managerからwebhookで通知を受けると警告灯が点灯するようにした。
前回はwebhookで受けた内容をログファイルに書き出すようにしたが、今回はwebhookで受けた内容は一切見ない。webhookを受けたのをトリガーにしてGrafana Alerter(とAlert Manager この記事では省略)からアラートのステータスを取りに行って、その内容で警告灯を光らせるにようにした。でないと、通知されたwebhookの内容を見たところで、その時点での他の状態がわからずどのように光らせるか非常に処理が難しくなる。それ用のDBを用意して状態を管理するのもバカらしいし。

長いのを出しても意味がないので超はしょり版

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<?php

// 自身のGrafanaのAlertステータス取得URL
$url = "http://grafana_user:grafana_password@grafana_server:3000/api/alerts/";
$logFile = __DIR__ . '/warn.log';

if ($_SERVER["REQUEST_METHOD"] == "POST") {
    //$body = file_get_contents('php://input');
    //$json = json_decode($body);

    $json = json_decode(get_curl($url), true);
    //file_put_contents($logFile, print_r($json), FILE_APPEND);

    $warn = false;
    $alert = false;

    foreach($json as $ealert) {
        $log =  date("Y-m-d H:i:s "). $ealert['name'] . " " . $ealert['state'] . "\n";

        //Systel Load alertがalertingならアラートではなく警告とする
        if ($ealert['name'] =='System Load alert'){
            if ($ealert['state'] =='alerting'){
                $warn = true;
            }
        }

        file_put_contents($logFile, $log, FILE_APPEND);
    }

    //ライト点灯
    if ($alert) {
        light(3);
    } elseif ($warn) {
        light(2);
    } else {
        light(1);
    }
}

function get_curl($url) {
    $c = curl_init();
    curl_setopt($c, CURLOPT_URL, $url);
    curl_setopt($c, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true);
    $res =  curl_exec($c);
    //$res = var_dump($res);
    curl_close($c);

    return $res;
}

function light($c) {
    switch ($c) {
        case 0:
            //警告灯 消灯
            $code = "0f";
            break;
        case 1:
            //警告灯 緑
            $code = "0b";
            break;
        case 2:
            //警告灯 黄
            $code = "0d";
            break;
        case 3:
            //警告灯 赤
            $code = "0e";
            break;
    }

    $cmd = 'echo "' .  $code . '" | xxd -r -p > /dev/cuaU0';
    exec($cmd , $error);
    //echo $error;
}
?>

上の例は超簡略版なのでSystem Load alertの警告パターン1つだけしか存在しない。(21〜25行)
処理としては、Grafana Alertingで得られるステータスが1つでもアラート(異常相当)なら赤、アラートが無くて警告相当が1つでもあれば黄、アラートも警告も無ければ緑を光らせるもの。
警告状態から正常に復帰した場合は何事もなかったかのように緑点灯(正常)というのは問題ないとすることもできるが、アラートから警告あるいは正常に復帰した場合にまるで問題が起きていなかったかのように黄・緑が光って見えるというのは良くないという考え方もある。上の例には書いていないが、実際にはアラート状態が発生した場合はアラート名と発生したインスタンスを名前とするファイルを一つ書き出すようにしている。その(それらの)ファイルが存在するならGrafana Alertingのステータスではアラートが無い状態に戻っているとしても赤を点灯し続けるようにしている。本当に問題が解決した・解決を確認したなら管理者がそのファイルを手動で消す。

また、警告灯とは別に各インスタンスのステータスをcurlでPrometheusから取得し、Amazon Pollyに読み上げさせるような処理も作っている。今回はせっかくなので警告とアラートも読み上げさせるようにした。ただし、そちらはコードは割愛。

いい歳したオッサンが中学生かよという恥ずかしさはある。うん。

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