30年前のPC-9801を蘇らせる - ハードディスクをSDカードに交換BlueSCSI編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - ハードディスクをSDカードに交換BlueSCSI編

BlueSCSIは、レトロコンピュータのハードディスクをSDカードで置き換えるためのデバイスです。古いパソコンやMacに搭載されているSCSIで動作するストレージ装置の代わりとして利用できます。
レトロコンピュータに搭載されているハードディスクは古くなり、壊れて動かないか故障するリスクが高いため、BlueSCSIはこれをSDカードで置き換えることで、データの保存や読み書きをより安全かつ迅速に行えるようにします。また、SDカードを交換するだけで複数のシステムやデータを簡単に管理できる点も魅力です。
セットアップは比較的簡単で、BlueSCSIをSCSIポートに接続し、ハードディスクやCD-ROMのイメージファイルをSDカードに書き込むだけで使用可能です。低コストかつ信頼性の高いソリューションとして、レトロPCやMac愛好者の間で人気があります。
レトロコンピュータの維持が難しくなっている今、BlueSCSIは最新技術を使いながらも、古い機器を再び動かすための強力なツールです。

1990年代に普及したIDEストレージ用のSDカード変換基板は、今でも安価で手に入れやすく、IDE機材も比較的入手が容易です。一方、SCSI対応機器は現在では非常に入手が難しく、SDカード変換基板も有名なものは高価な場合が多いです。

今回紹介するBlueSCSIは、元々Macユーザーの間で改良されたオープンソースのハードウエアであり、Mac向けの拡張ソフトウェアやノウハウは豊富です。しかし、PC-98シリーズで使用するための専用ソフトウェアや情報は少ないのが現状です。また、BlueSCSIにはWi-Fi対応版も存在しますが、これはMac専用のソフトウェアだけが提供されており、残念ながらPC-98でWi-Fi機能を使えるわけではありません。

BlueSCSIには、3種類のモデルがあります。デスクトップ版は、3.5インチ 50ピンSCSIハードディスクの置き換え用で、SCSIインターフェイス背面にあるD-Sub 25ピンポートに接続する外付け版、そしてPowerBook向けのラップトップ版です。
この中で、もっとも手軽に使えるのは外付け版かもしれませんが、PC-98シリーズのSCSIインターフェースの背面ポートは大きめのアンフェノールフルピッチ50ピンかハーフピッチタイプ50ピンのコネクタが多いのでそのまま利用できません。PC-98シリーズでの利用を予定しているならデスクトップ版が適しているでしょう。今回は、BlueSCSIの日本正規販売店であるKero's Mac Modsから、正規完成品をヤフオクで購入しました。
なお、この記事では単にBlueSCSIと書いていますが、現在販売されいるのはBlueSCSI v2で、この記事で紹介しているボードもBlueSCSI v2です。

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今回は、BlueSCSI v2デスクトップ版のスタンダードモデル(Wi-Fi非対応)を購入しました。国内発送のため、注文(落札)後すぐに到着し、輸送中の箱の潰れもありません。

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中国製品では説明書や印刷物が同梱されないことが多いですが、今回はしっかりと紙類が入っていました。ただし取扱説明書ではありません。

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写真の左側にある黒い部品は、3Dプリンタで作られたと思われるフレームで、3.5インチハードディスクの置き換えとして使う際に、ネジ穴の位置が互換性を持つようになっています。右側がBlueSCSIの本体です。

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BlueSCSIの基板をフレームに嵌め込みましたが、固定ネジはまだ取り付けていません。BlueSCSIは青い基板の上に緑色のRaspberry Pi Picoが搭載されており、このRaspberry Pi Picoは、Kero's Mac Modsで販売されている完成品では、すでに組み込まれた状態で提供されています。Raspberry Pi PicoにはBlueSCSI用ファームウエアも書き込み済みなので届いてすぐ使用を開始できます。

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青い基板の裏側には特に目立った部品はありません。

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BlueSCSI基板を黒いフレームに取り付け、ネジで固定しました。これをPC-9801FAの内蔵ハードディスクを収納する「籠」に入っていた3.5インチハードディスクと置き換えました。50ピンのSCSIケーブルをBlueSCSIのSCSIヘッダに接続し、ハードディスクのインジケーターLEDのケーブルもBlueSCSI基板に接続しました。このインジケーターLEDのケーブルは、写真の青い基板右上に接続されている黄色いコード1本です。

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SDカードは、AliExpressで購入した安価なものを使用しています。ハードディスク用イメージとしては512MB(0.5GB)から1GB程度、CD-ROM用イメージは640MBを2〜3個分の計2GB強しか使う予定がありませんが、手元にあったのが64GBのカードだけだったため、少しもったいない気もします。しかし、2024年現在、64GBのmicroSDカードは1枚約500円で購入でき、512MBから64GBまでのカードがほぼ同じ価格帯なので、大きさに関わらず費用はほとんど変わりません。
ちなみに、この記事の最初の写真では東芝のSDカードを挿していますが、15年ほど前に購入したこのSDカードは正常に使用できませんでした。

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BlueSCSIデスクトップ版のカードスロットはSDカードサイズのため、microSDカードを使う際には付属のカードアダプタを利用して挿入しました。なお、microSDカードをexFATなどで適切にフォーマットし、ハードディスクイメージを書き込んだ状態でBlueSCSIに接続しないと、正常に動作しません。この作業には、Windows、Linux、MacOSなどのOSが動作する別のPCが必要です。

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BlueSCSIの電源ポートはBerg 4ピンコネクタを採用しています。本来ならハードディスクの置き換えを目的としているため、一般的なペリフェラル4ピンコネクタの方が便利ですが、ペリフェラルコネクタは抜き差しに力が必要で、基板を破損するリスクがあるため、フロッピーディスクドライブに採用されていたBergコネクタで正解だと思われます。かつてはPC電源にBergコネクタ(またはペリフェラル-Berg変換アダプタ)が付属していたり、ペリフェラルからBergへの変換ケーブルが販売されていましたが、現在はフロッピーディスクドライブが廃れているため、変換ケーブルの入手は難しくなっています。しかし、Bergコネクタは2.54mmピッチのピンコネクタ4本分と同じため、自作が比較的簡単です。
今回はたくさん余っていたペリフェラル4ピン電源コネクタとシリアルATA用の電源ケーブルのシリアルATA側のコネクタを切り落として、2.54mmピンコネクタを接続して自作しました。配線は、赤が5V、黄色が12V、黒の2本がGNDです。

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PC-9801FAのハードディスクの「籠」の蓋を外した状態で接続し、PC-9801FAの電源を入れました。BlueSCSIに搭載されたRaspberry Pi PicoのLEDが点灯することを確認しました。(ちなみに、蓋を閉じた状態でもスリット越しに内部を確認できますが、今回は写真撮影のため蓋を外しています。)

BlueSCSIでのイメージファイルの命名ルール

BlueSCSIを使用する際、使用するイメージファイルには、特定の命名規則に従ってファイル名を付けます。
ハードディスクとして認識させたいイメージファイルには、ファイル名の最初に「HD」を付け、次に使用するSCSI-ID (0~7の範囲で、他のデバイスと重複しない番号)を続けます。その後、アンダーバー「_」を挟んでセクターサイズを指定します(基本的には512バイト)。続けて、任意でメモ用の名前を追加できます。拡張子は数種類が利用できるようです。今回はエミュレータとBlueSCSIの両方で対応しているnhd形式を選びました。

例えば、「HD1_512_Windows95_1GB.nhd」という名前のファイルは、SCSI ID 1、セクターサイズ512バイトのハードディスクとして認識されます。なお、SCSI IDに加えて論理ユニット番号(LUN)も指定できますが、現在は「0」のみ対応し、省略可能です。

CD-ROMの場合、ファイル名の最初に「CD」を付け、その後にSCSI IDを指定します。こちらも任意のメモ用の名前を続けることができ、拡張子は通常「.iso」などが使用されます。
例えば、「CD2_Windows95_install_disc.iso」という名前のファイルは、SCSI ID 2のCDドライブに挿入されたCD-ROMメディアとして認識されます。

BlueSCSIでは、ハードディスクやCD-ROMの他にも、以下のようなストレージメディアを扱うことができます:

  • FD - フロッピーディスク
  • MO - MOディスク(MOドライブ)
  • TP - テープメディア
  • RE - その他のリムーバブルメディア (不明)

これらのメディアの場合も、同様にメディアの種類を示す2文字に続けてSCSI IDを指定します。

BlueSCSIの設定

SCSIは、ハードディスクのCHSパラメータ(シリンダ数、ヘッド数、セクタ数)を自動で認識し、適切に処理することを可能にしています。しかし、規格の互換性が不十分な場合があり、実際には正しく認識できないことが多々あります。BlueSCSIでは、ハードディスクなどのデバイスを実際の機器に似せてエミュレーションする仕組みがあり、これにより互換性を向上させています。適切な設定ファイルを作成することで、SCSIインターフェイスが正しく認識できるように調整可能です。

PC-98シリーズの55互換SCSIインターフェイスでは、ハードディスクのパラメータ取得に失敗することが多いため、設定ファイルの使用が必要になることがよくあります。一方、92互換SCSIインターフェイスでは「8ヘッド32セクタ」に統一されていますが、55互換として動作する状態で認識に問題が生じる場合は、やはり設定ファイルが役立ちます。

また、NEC純正のSCSIインターフェイスボードには、ハードディスクのベンダーチェックが行われる仕様があります。ここで、ハードディスクのベンダー名に「NEC」という文字列が含まれていないと、そのハードディスクを使用できないという制約があります。しかし、BlueSCSIの設定ファイルでベンダー名の文字列に「NEC」を含めることで、SCSIインターフェイスボードに対して利用可能なハードディスクとして認識させることが可能です。

512MB(480MB)のハードディスクとして認識させたときのbluescsi.ini
[SCSI]
System="Generic"
Quirks=0
EnableSCSI2=0
MaxSyncSpeed=0
SectorsPerTrack=32
HeadsPerCylinder=8
併せて、CHSパラメータを指定してハードディスクのイメージファイルを作成しています。(後述)
1GB(902MB)のハードディスクとして認識させたときのbluescsi.ini
[SCSI]
System="Generic"
Quirks=0
EnableSCSI2=0
MaxSyncSpeed=0
SectorsPerTrack=64
HeadsPerCylinder=8

上は、日本テクサのSCSIは4ヘッド64セクタのフォーマットという情報を得たので、それに従ってCHSパラメータを合わせてイメージファイルを作成(後述)し、bluescsi.iniではSectorsPerTrack=64を指定しています。(ヘッドは4である必要はなさそうで8を指定しています)

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ハードディスクのイメージファイルは、PC-98エミュレータ「Neko Project 21/W」を使用して作成しました。ただし、単にHDDサイズを指定するだけでは、PC-9801FA側で正しく認識されなかったため、Advanced設定でシリンダー、ヘッド、セクター、セクターサイズのパラメータを手動で入力しました。それでも、正しく認識されることが少なく、かなり手こずりました。上の画像は、512MBに近づけるようパラメータを設定し、結果的に480MB程度で正常に動作した時のものです。

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1GB以上のイメージ作成にも挑戦しましたが、ほぼ全て失敗しました。上の画像では1GBを目指したものの、PC-9801FAでは902MBとして認識されました。これ以上大きなサイズは32MBなど極端に小さく認識されてしまうため、ヤフオクで購入したPC-9801FAに搭載されていた(前オーナーが追加した)日本テクサのSCSIインターフェイスでは902MBが限界のようです。この記事以降も、この902MBのイメージファイルを使用していきます。902MBはPC-9801FAと日本テクサのSCSIインターフェイスとMS-DOSの組み合わせで認識可能な最大サイズです。MS-DOS以外ではさらに大きなサイズを正しく取り扱える場合があります。

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作成した空のハードディスクイメージファイルをmicroSDカードに書き込み、PC-9801FAをMS-DOSのフロッピーディスクから起動して、認識されたハードディスクの初期化を行いました。今回作成した1GBのイメージファイルは902MBのハードディスクとして認識されました。この902MBの内、MS-DOS用として確保する領域(パーティション)は64MBにすることにしました。これは、1.2MBフロッピーディスク約50枚分に相当する容量です。30年以上前に、「がとらぼ」の人は、購入した100MBの外付けSCSIハードディスクを(愚かにも)「一生かかっても使い切れない」と思っていたのですが、64MBでも当時としては十分な容量でした。ちなみに、PC-9801FAのハードディスク内蔵モデルは40MBと100MBの2種類があり、その容量差60MBの価格差が7万円もありました。また、ハードディスク無しモデルも販売されていました。当時の主なデータはテキストファイルやワープロのデータファイルです。当時のワープロといえば文字の大きさが普通の文字、倍角と4倍角程度で、装飾機能も少なく、単なるテキストデータと比べて極端に巨大なファイルになるものではありませんでした。なので、1.2MBのフロッピーディスク1枚でも十分に使えた時代でした。

この記事では、エミュレータ上で作成した空のイメージファイルを使用し、それをPC-9801実機のハードディスクとして認識させてOSをインストールする手順を採っていますが、エミュレータ上でOSをインストールし、環境を整えてから、そのハードディスクイメージをBlueSCSI用のSDカードにコピーし、PC-9801実機で利用することも可能です。ただし、古いSCSIインターフェイスでは、イメージファイルがハードディスクとして正しく認識されるかどうかは不明です。また、MS-DOSやWindows 3.1、Windows 95はエミュレータ上で正常に動作しますが、UNIX系のOSはエミュレータでうまく動作しないことがあるため、エミュレータで構築した環境が実機でそのまま動作するとは限りませんし、エミュレータで環境を構築できるとも限らないことは覚悟しておく必要があります。

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MS-DOSのインストールを終え、再起動すると「DOSシェル」が起動します。これは、Windowsのエクスプローラーのような機能を持つMS-DOS純正のファイラですが、操作性はお世辞にも良いとは言えません。そのため、FDやFilmtnといった他のMS-DOS用ファイラを使うことになるでしょう。マイクロソフト製ソフトウェアの使いにくさは、DOS時代から変わっていません。このユーザーにとって嬉しくない謎のこだわりの正体は一体何なのでしょうか。

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BlueSCSIは、1枚のSDカードに複数のハードディスクやCD-ROMのイメージを保存し、それらを同時に利用することが可能です。イメージファイルにSCSI-IDが適切に設定されていれば、複数のストレージデバイスとして同時に認識させることができます。たとえば、ハードディスクのイメージとCD-ROMのイメージが実機ではそれぞれハードディスクとCD-ROMドライブとして認識されるため、ユーザーはそのCD-ROMからソフトウェアをハードディスクにインストールすることも可能です。画像では、SCSI-ID 1にハードディスク、SCSI-ID 2にCD-ROMが認識されていますが、もちろん、実際には物理的なハードディスクやCD-ROMドライブは接続していません。CD-ROMのイメージファイルには、一般的なISOファイルを利用できます。

この記事や次の記事では、順調に環境構築が進んでいるように見えるかもしれませんが、実際には多くの試行錯誤を繰り返し、BlueSCSIを使えるようになるまでに数日かかりました。さらに、次に行うOSのインストールには、2週間もの時間がかかっています。数々の失敗を経て、何とか動作させているという状況です。

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30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - 内部清掃編

前回はPC-9801FAの外装をレトロブライトで綺麗にしました。今回はレトロブライトと平行して実施したPC-9801FA本体の内部清掃についてです。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 1
PC-9801FAの天板は、側面にあるネジ2本と背面上部のネジ2本を外し、背面側に約2cmスライドさせることで簡単に取り外せます。
上の写真は、天板を外し、Cバススロットのユニット(枠)を上から見下ろした状態です。Cバスカードは背面のネジ2本を外して背面方向に引き抜くだけですが、今回は天板を先に外したので、このような状態になっています。購入したPC-9801FAには、4つあるCバススロットのうち1つに謎のグラフィックカードが挿さっていました。その正体は「BUFFALO WAP-4000」というウインドウアクセラレータでした。Cirrus LogicのGD-5434 2Dアクセラレータチップと4MBのビデオメモリを搭載しており、当時としては豪華な仕様のカードです。Windows 3.0や3.1を使うには、PC-9801のノーマルモード(640x480ドット、16色)は厳しいため、前の所有者が追加したものと考えられます。

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左側のCバススロットユニットの裏にある基板に接続されている2本のコネクタを引き抜きます。これらは、Cバスユニットと増設メモリユニットにまたがる配線となっており、取り外しが必要です。PC-9801FAは、各ユニットを順に抜いて分解する構造になっているため、ユニット間にまたがる配線があると、分解作業の妨げになります。基本的に、PC-9801FAのユニット基板はソケットで接続されており、ユニットを抜き差しするだけで分解が可能です。ケーブルでの接続は、この写真に写っている2本と、マザーボード上の1箇所(後述)の計3本だけです。自作PCは現在でもケーブルだらけで見苦しいことがありますが、PC-9801FAは専用設計された高級機だけあって、非常にスマートな作りになっています。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 3
背面左端に挿さっていたSCSIカードは、日本テクサ製のEZPHA-FA02でした。これは、PC-9801-55互換のSCSI 1対応カードで、少々残念な点です。BlueSCSIをハードディスクの代わり取り付けてSDカードをストレージにする予定ですが、55互換IFボードでは互換性の問題で多少苦労するか、あるいはまったく使えない可能性もあります。
基板上部に見える青いディップスイッチは、左側がSW1で、左から3つがON-ON-OFFの設定になっており、これによりINT1 (IRQ5)が設定されています。また、4番と5番がON-ONで、DMAチャネル3となっています。SW1は出荷時のデフォルト設定のままのようです。
右側にある8連のディップスイッチSW2は、OFF-ON-ON-OFF-ON-ON-ON-ONの状態がデフォルトで、設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているディップスイッチの状態は全てデフォルトです。
SW2の右側に3つの白いジャンパスイッチの左の2つSW3,SW4はOFF-OFFがI/Oポートアドレス0CC0h,0CC2h,0CC4hでデフォルトのままです。
3つのジャンパスイッチの一番右のSW6と一つ離れた白いジャンパスイッチSW7は設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているジャンパスイッチの状態は全てデフォルトです。
さらに、写真ではスイッチの詳細は確認できませんが、背面パネル右上にある青いディップスイッチSW5も8連で、左から4つはOFF-OFF-OFF-OFF、5番目がオンでGTモード(デフォルト)、オフでDMAモード、6〜8番はSCSI-IDの設定用で、デフォルトのID7はON-ON-ONとなっています。このスイッチの設定は、3ビット左並び(ON-OFF-OFFがID 1)です。ヤフオクで購入したPC-9801FAに元から入っていたこのボードでは、DMAモードに切り替わっていた点だけがデフォルトと異なる設定になっていましたが、今後もDMAモードで使用する予定のため、そのままにしておきます。

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まず、電源ユニットを取り外しました。固定ネジを外し、上に引き抜くだけで簡単に取り外せます。ケーブルはありません。写真では、元々左下の空洞になっている部分にあった電源ユニットを抜き取ってCバスユニットの上に載せています。冷却ファンには大量の埃が溜まり、かなり汚い状態です。

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取り外した電源ユニットはトーキン製のPU716でした。SANKEN製に比べると、コンデンサの液漏れのリスクは低いようですが、古い電源なのでコンデンサの劣化は心配です。今回は清掃だけにとどめましたが、今年末から来年にかけて、マザーボードと一緒にコンデンサ交換を予定しています。ただし、「がとらぼ」の人は最近老眼が進んでおり、細かい作業が難しいため、PC-98の修理を専門に行っている業者さんに依頼する予定です。

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フロッピーディスクユニットとファイルスロットのユニットが見えます。2台のフロッピーディスクドライブには通信ケーブルと電源ケーブルが2系統接続されていますが、フロッピーディスクユニットだけを取り外す場合を除いてはこれらのケーブルを外す必要はありません。このフロッピーディスクユニットとファイルスロットユニットは、取り外す順序としては後回しにします。

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次に、拡張メモリスロット+スピーカーユニットを取り外しました。この作業には、非常に長いか非常に短いプラスドライバーが必要です。さらに、使用されているネジは磁石にくっつかないため、取り外しと取り付けには苦労する場面もあります。

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続いてCバスユニットを取り外しました。Cバスユニットの取り外しには留意する部分はありません。
Cバスユニットを取り外した後は、左端にあるSCSIカードと「籠」ユニット、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを取り外します。特に、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを外す前に、写真の赤丸で示したハーネスを外すことを忘れないよう注意が必要です。忘れがちなポイントなので、気をつけます。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 9
フロッピードライブ+ファイルスロットユニットのハーネスを取り外しました。この際、ケーブルを引っ張って無理に外さないように注意します。

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マザーボードに横から光を当てて確認しました。表面には埃がたまっており、砂埃ではなく油分がからんだ繊維埃が固着しているようです。そのため、ブロアーを使っても落ちませんでした。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 11
こちらは、前オーナーが取り付けたと思われるCPUアクセラレータです。右下にあるi486SX CPUに冷却ファンが無いことからもわかるように、この世代のパソコンのCPUは発熱が少なく冷却ファンが搭載されていませんでした。しかし、この周囲は特に埃が多く、汚れがひどいです。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 12
マザーボードまで取り外し作業が完了しました。マザーボードを直接ネジで留めているネジ穴とユニットの脚を挟むネジ穴を憶えておく必要があります。マザーボードの裏面はあまり汚れていませんでしたが、周囲にはかなりの埃がたまっていました。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 13
前回のレトロブライト作業の記事でも触れましたが、リセットボタンのカバーを外すにはここまで分解する必要があります。黄ばみが目立つ部品であるにも関わらず、取り外しが面倒です。

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CPUアクセラレータを外すには、ソケット横のレバーを少し右に押しつつ引き上げます。
角型マウスコネクタ周辺にも多くの埃がたまっていました。

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CPUアクセラレータを真上に引き抜き、ひっくり返してCPUの上に置いてみました。予想通り、ソケットもかなり汚れていました。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 16
CPUアクセラレータを元に戻し、斜めから観察すると、2段構成のゲタ基板になっています。下段の基板には「HDX-ASUB-A」と記載されています。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 17
上段の基板には「BUFFALO HDX-32A-A」と記されていますが、最後の「A」はおそらくリビジョンを示しているのでしょう。基板には「HDX-32A」とありますが、製品としては「HDX-16(HFA-16)」シリーズのもので、PC-9801FA搭載CPUの16MHzに対して倍速(33MHz)の「HDX-16W」、4倍速(64MHz)の「HDX-16Q」、6倍速(96MHz)の「HFA-16H」あたりだと思われます。ゲタ基板だけでは搭載されているCPUの詳細はわかりません。通常ならCPUの型番は上面に記載されていますが、今回はCPUとヒートシンクの間に銅箔が挟まれているため、これを取り外すのは断念しました。OSを起動してソフトウェアでCPUを判別する方が賢明でしょう。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 18
PC-9801FAのマザーボードには、いわゆる「四級塩問題」を抱えるコンデンサが使用されています。このコンデンサは内部に強アルカリ性の液体があり、経年劣化によりゴムやアルミの封止が溶けて漏れ出し、基板を腐食させて破壊する可能性があります。目視した限りでは、コンデンサが交換された形跡はないようなので、このマザーボードはある意味で「時限爆弾」を抱えている状態です。四級塩を使用していないコンデンサに交換する必要があるでしょう。写真に写っている範囲では7個のコンデンサが確認できますが、もちろん、それ以外にも多数使用されています。

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左寄りに写っているのは、マザーボード上に搭載された電池です。見た目はボタン電池のようですが、実際には充電式電池であり、給電が行われます。そのため、充電非対応の普通のボタン電池に交換するのは避けるべきです。購入したPC-9801FAは、日付と時間は設定すれば記憶してくれるものの、時間が進まない状態だったため、電池の寿命が尽きていると考えられます。30年以上前の機器なので、電池が交換されていなければ寿命が尽きているのも当然でしょう。同等の電池に交換が必要です。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 20
マザーボードの清掃に関しては、通常の砂埃であればブロアーで吹き飛ばすだけで十分ですが、今回の基板には油分や繊維埃が付着しており、ブロアーだけではほとんど汚れが取れませんでした。そこで、綿棒にイソプロピルアルコールを浸し、丁寧に清掃しました。チップの表面は、アルカリ電解水で拭き取るだけで簡単にきれいにできました。なお、コンデンサが液漏れしていた場合、水を使った洗浄も考えられますが、短時間に完全に乾燥させる自信がありません。

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電源ユニットも清掃し、冷却ファン周りもきれいになりました。ファンの動作を確認したところ、まだまだ問題なく使えそうです。最近の中国製の安価なファンとは異なり、この時代の国産ブラシレスファンは耐久性が高いようです。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編 22
SCSIカードはほとんど汚れていませんでしたが、念のためブロアーで埃を吹き飛ばしました。清掃前後で大きな変化はありません。

繊維埃や油分を取り除いたことで、全体的に非常にすっきりとした状態になりました。今回はブロアーがあまり役立たない汚れだったため、分解して拭き掃除を行ったのは正解でした。

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