30年前のPC-9801を蘇らせる - 内部清掃編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - 内部清掃編

前回はPC-9801FAの外装をレトロブライトで綺麗にしました。今回はレトロブライトと平行して実施したPC-9801FA本体の内部清掃についてです。

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PC-9801FAの天板は、側面にあるネジ2本と背面上部のネジ2本を外し、背面側に約2cmスライドさせることで簡単に取り外せます。
上の写真は、天板を外し、Cバススロットのユニット(枠)を上から見下ろした状態です。Cバスカードは背面のネジ2本を外して背面方向に引き抜くだけですが、今回は天板を先に外したので、このような状態になっています。購入したPC-9801FAには、4つあるCバススロットのうち1つに謎のグラフィックカードが挿さっていました。その正体は「BUFFALO WAP-4000」というウインドウアクセラレータでした。Cirrus LogicのGD-5434 2Dアクセラレータチップと4MBのビデオメモリを搭載しており、当時としては豪華な仕様のカードです。Windows 3.0や3.1を使うには、PC-9801のノーマルモード(640x480ドット、16色)は厳しいため、前の所有者が追加したものと考えられます。

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左側のCバススロットユニットの裏にある基板に接続されている2本のコネクタを引き抜きます。これらは、Cバスユニットと増設メモリユニットにまたがる配線となっており、取り外しが必要です。PC-9801FAは、各ユニットを順に抜いて分解する構造になっているため、ユニット間にまたがる配線があると、分解作業の妨げになります。基本的に、PC-9801FAのユニット基板はソケットで接続されており、ユニットを抜き差しするだけで分解が可能です。ケーブルでの接続は、この写真に写っている2本と、マザーボード上の1箇所(後述)の計3本だけです。自作PCは現在でもケーブルだらけで見苦しいことがありますが、PC-9801FAは専用設計された高級機だけあって、非常にスマートな作りになっています。

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背面左端に挿さっていたSCSIカードは、日本テクサ製のEZPHA-FA02でした。これは、PC-9801-55互換のSCSI 1対応カードで、少々残念な点です。BlueSCSIをハードディスクの代わり取り付けてSDカードをストレージにする予定ですが、55互換IFボードでは互換性の問題で多少苦労するか、あるいはまったく使えない可能性もあります。
基板上部に見える青いディップスイッチは、左側がSW1で、左から3つがON-ON-OFFの設定になっており、これによりINT1 (IRQ5)が設定されています。また、4番と5番がON-ONで、DMAチャネル3となっています。SW1は出荷時のデフォルト設定のままのようです。
右側にある8連のディップスイッチSW2は、OFF-ON-ON-OFF-ON-ON-ON-ONの状態がデフォルトで、設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているディップスイッチの状態は全てデフォルトです。
SW2の右側に3つの白いジャンパスイッチの左の2つSW3,SW4はOFF-OFFがI/Oポートアドレス0CC0h,0CC2h,0CC4hでデフォルトのままです。
3つのジャンパスイッチの一番右のSW6と一つ離れた白いジャンパスイッチSW7は設定内容は不明で変更不可とのことです。したがって、写真に写っているジャンパスイッチの状態は全てデフォルトです。
さらに、写真ではスイッチの詳細は確認できませんが、背面パネル右上にある青いディップスイッチSW5も8連で、左から4つはOFF-OFF-OFF-OFF、5番目がオンでGTモード(デフォルト)、オフでDMAモード、6〜8番はSCSI-IDの設定用で、デフォルトのID7はON-ON-ONとなっています。このスイッチの設定は、3ビット左並び(ON-OFF-OFFがID 1)です。ヤフオクで購入したPC-9801FAに元から入っていたこのボードでは、DMAモードに切り替わっていた点だけがデフォルトと異なる設定になっていましたが、今後もDMAモードで使用する予定のため、そのままにしておきます。

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まず、電源ユニットを取り外しました。固定ネジを外し、上に引き抜くだけで簡単に取り外せます。ケーブルはありません。写真では、元々左下の空洞になっている部分にあった電源ユニットを抜き取ってCバスユニットの上に載せています。冷却ファンには大量の埃が溜まり、かなり汚い状態です。

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取り外した電源ユニットはトーキン製のPU716でした。SANKEN製に比べると、コンデンサの液漏れのリスクは低いようですが、古い電源なのでコンデンサの劣化は心配です。今回は清掃だけにとどめましたが、今年末から来年にかけて、マザーボードと一緒にコンデンサ交換を予定しています。ただし、「がとらぼ」の人は最近老眼が進んでおり、細かい作業が難しいため、PC-98の修理を専門に行っている業者さんに依頼する予定です。

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フロッピーディスクユニットとファイルスロットのユニットが見えます。2台のフロッピーディスクドライブには通信ケーブルと電源ケーブルが2系統接続されていますが、フロッピーディスクユニットだけを取り外す場合を除いてはこれらのケーブルを外す必要はありません。このフロッピーディスクユニットとファイルスロットユニットは、取り外す順序としては後回しにします。

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次に、拡張メモリスロット+スピーカーユニットを取り外しました。この作業には、非常に長いか非常に短いプラスドライバーが必要です。さらに、使用されているネジは磁石にくっつかないため、取り外しと取り付けには苦労する場面もあります。

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続いてCバスユニットを取り外しました。Cバスユニットの取り外しには留意する部分はありません。
Cバスユニットを取り外した後は、左端にあるSCSIカードと「籠」ユニット、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを取り外します。特に、フロッピードライブ+ファイルスロットユニットを外す前に、写真の赤丸で示したハーネスを外すことを忘れないよう注意が必要です。忘れがちなポイントなので、気をつけます。

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フロッピードライブ+ファイルスロットユニットのハーネスを取り外しました。この際、ケーブルを引っ張って無理に外さないように注意します。

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マザーボードに横から光を当てて確認しました。表面には埃がたまっており、砂埃ではなく油分がからんだ繊維埃が固着しているようです。そのため、ブロアーを使っても落ちませんでした。

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こちらは、前オーナーが取り付けたと思われるCPUアクセラレータです。右下にあるi486SX CPUに冷却ファンが無いことからもわかるように、この世代のパソコンのCPUは発熱が少なく冷却ファンが搭載されていませんでした。しかし、この周囲は特に埃が多く、汚れがひどいです。

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マザーボードまで取り外し作業が完了しました。マザーボードを直接ネジで留めているネジ穴とユニットの脚を挟むネジ穴を憶えておく必要があります。マザーボードの裏面はあまり汚れていませんでしたが、周囲にはかなりの埃がたまっていました。

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前回のレトロブライト作業の記事でも触れましたが、リセットボタンのカバーを外すにはここまで分解する必要があります。黄ばみが目立つ部品であるにも関わらず、取り外しが面倒です。

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CPUアクセラレータを外すには、ソケット横のレバーを少し右に押しつつ引き上げます。
角型マウスコネクタ周辺にも多くの埃がたまっていました。

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CPUアクセラレータを真上に引き抜き、ひっくり返してCPUの上に置いてみました。予想通り、ソケットもかなり汚れていました。

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CPUアクセラレータを元に戻し、斜めから観察すると、2段構成のゲタ基板になっています。下段の基板には「HDX-ASUB-A」と記載されています。

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上段の基板には「BUFFALO HDX-32A-A」と記されていますが、最後の「A」はおそらくリビジョンを示しているのでしょう。基板には「HDX-32A」とありますが、製品としては「HDX-16(HFA-16)」シリーズのもので、PC-9801FA搭載CPUの16MHzに対して倍速(33MHz)の「HDX-16W」、4倍速(64MHz)の「HDX-16Q」、6倍速(96MHz)の「HFA-16H」あたりだと思われます。ゲタ基板だけでは搭載されているCPUの詳細はわかりません。通常ならCPUの型番は上面に記載されていますが、今回はCPUとヒートシンクの間に銅箔が挟まれているため、これを取り外すのは断念しました。OSを起動してソフトウェアでCPUを判別する方が賢明でしょう。

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PC-9801FAのマザーボードには、いわゆる「四級塩問題」を抱えるコンデンサが使用されています。このコンデンサは内部に強アルカリ性の液体があり、経年劣化によりゴムやアルミの封止が溶けて漏れ出し、基板を腐食させて破壊する可能性があります。目視した限りでは、コンデンサが交換された形跡はないようなので、このマザーボードはある意味で「時限爆弾」を抱えている状態です。四級塩を使用していないコンデンサに交換する必要があるでしょう。写真に写っている範囲では7個のコンデンサが確認できますが、もちろん、それ以外にも多数使用されています。

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左寄りに写っているのは、マザーボード上に搭載された電池です。見た目はボタン電池のようですが、実際には充電式電池であり、給電が行われます。そのため、充電非対応の普通のボタン電池に交換するのは避けるべきです。購入したPC-9801FAは、日付と時間は設定すれば記憶してくれるものの、時間が進まない状態だったため、電池の寿命が尽きていると考えられます。30年以上前の機器なので、電池が交換されていなければ寿命が尽きているのも当然でしょう。同等の電池に交換が必要です。

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マザーボードの清掃に関しては、通常の砂埃であればブロアーで吹き飛ばすだけで十分ですが、今回の基板には油分や繊維埃が付着しており、ブロアーだけではほとんど汚れが取れませんでした。そこで、綿棒にイソプロピルアルコールを浸し、丁寧に清掃しました。チップの表面は、アルカリ電解水で拭き取るだけで簡単にきれいにできました。なお、コンデンサが液漏れしていた場合、水を使った洗浄も考えられますが、短時間に完全に乾燥させる自信がありません。

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電源ユニットも清掃し、冷却ファン周りもきれいになりました。ファンの動作を確認したところ、まだまだ問題なく使えそうです。最近の中国製の安価なファンとは異なり、この時代の国産ブラシレスファンは耐久性が高いようです。

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SCSIカードはほとんど汚れていませんでしたが、念のためブロアーで埃を吹き飛ばしました。清掃前後で大きな変化はありません。

繊維埃や油分を取り除いたことで、全体的に非常にすっきりとした状態になりました。今回はブロアーがあまり役立たない汚れだったため、分解して拭き掃除を行ったのは正解でした。

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30年前のPC-9801を蘇らせる - レトロブライト編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - レトロブライト編

先日購入したPC-9801FAの動作確認を行ったところ、一応正常に動作することが確認できました。ただし、外観は全体的にかなり黄ばんでおり、ジャンク品であるため汚れも目立ちます。内部の清掃は次回に回すとして、今回の記事は、この黄ばみを解消することをメインとしています。(実際には、レトロブライトと内部清掃は平行して実施しました)

PCやゲーム機など、古い電子機器の筐体に使われているABS樹脂が経年劣化によって黄ばんでしまう現象はよく知られています。特に、1980年代から1990年代にかけて製造された多くの機器に使われたABS樹脂は、紫外線や酸素にさらされることで表面が黄変してしまいます。この黄ばみを取り除く方法として知られているのが「Retr0bright(レトロブライト)」と呼ばれる手法です。Retro Brightではなく、Retroのオーが数字のゼロでbとの間に空白がありません。

レトロブライトは、過酸化水素水(H2O2)を利用して黄ばんだABS樹脂を元の色に戻す漂白方法です。この過酸化水素水は、家庭でも比較的手に入りやすいもので、薬局で「オキシドール」という名称で販売されているものが代表的です。ただし、薬局で販売されているものは濃度が低く、処理に時間がかかる上にコストも高くついてしまいます。

より手軽で安価な代替として、スーパーで販売されている酸素系の液体漂白剤が挙げられます。これらには過酸化水素水が含まれており、特にスーパーのプライベートブランド商品は安価で使いやすいものが多いです。過酸化水素水を使用したくて酸素系の液体漂白剤を挙げているので、塩素系の漂白剤や粉末の酸素系漂白剤はレトロブライト用としては不適です。

レトロブライトの手法はシンプルですが、いくつかのポイントがあります。まず、過酸化水素水を使ってABS樹脂を漂白するためには、樹脂表面に過酸化水素水を塗布するか、樹脂を過酸化水素水に浸します。その後、日光や紫外線ランプを使って紫外線を照射します。紫外線が過酸化水素水と反応し、黄ばみの原因となる臭素化合物を分解することで、樹脂本来の白さが戻るという仕組みです。
ただし、黄ばみがABS樹脂に含まれる臭素化合物によるものであれば効果がありますが、別の要因による場合は、この方法では改善されないこともあります。

均一な漂白を目指す場合、塗布した部分が乾かないようにラップを使用することが推奨されています。しかし、今回の実践では、このラップ法を採用した結果、一部で失敗が見られました。ラップ法よりもハケで漂白剤を塗布し、日光に当てるだけの方が良いかもしれません。また、漂白剤に浸す方法も有効ですが、紫外線が弱くなるため時間がかかる上、樹脂が劣化するリスクがあるようです。
紫外線の照射時間は、黄ばみの程度や環境条件によって異なりますが、一般的には数時間から数日かかることがあります。例えば、夏の日光であれば、表面に塗布して約8時間、浸す方法では夜間を除いて16時間以上かかります。鉄板に厚めに塗装されたPCの天板の場合は2〜3時間ほどが目安です。これは漂白剤を塗るだけで、日光に当てる必要はないかもしれません。

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日本語の検索結果では、レトロブライトには「ワイドハイターEX」や「ワイドハイターPro」が定番として挙げられていますが、重要なのは過酸化水素が入っていることです。今回は、イオンのプライベートブランドの酸素系液体漂白剤を選びました。写真には2パックしか写っていませんが、実際には3本使用しました。

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漂白剤は透明の大きなゴミ袋に入れ、ABS樹脂の表面にビニールが密着するように漬け込みました。これはラップ法の一種ですが、ラップがヨレて光の当たり具合にムラができ、失敗してしまいました。

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キーボードのキートップは手で引き抜けますが、かなり力が必要で、スカート部分の端で指を傷めることがあります。そのため、専用のキートップ引き抜き工具を使うことをお勧めします。手で無理に引き抜くと斜めに力がかかり、キートップ裏の出っ張り(ステムに刺さる部分)が変形したり折れたりする恐れがあるため、工具でまっすぐ引き抜く方が安全です。

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左端のShiftキーのような長いキーには、斜めに押されないようにスタビライザーのC型金具が付いています。キートップを少し持ち上げて裏返し、金具をスライドさせてキーボードのベースから取り外します。レトロブライトを行う前に金具を外す際、金具を留める爪を折らないように慎重に作業します。

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中央のリターンキーにはスタビライザー金具が付いています。左Shiftキーと同様に、キートップを浅く引き抜き、左から右へ裏返すようにして金具を右にスライドさせて外します。この際、金具をキートップから取り外す(または取り付ける)時には、金具を留める爪を折れないよう注意します。

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最下段のスペースキーは、最も長いキーです。このキーのスタビライザーはキーボードのベース内部に組み込まれているため、金具はありません。その代わりにバネが1本入っていますが、固定されていません。中央にステムと繋がる部分があるため、引き抜き工具を使い、まっすぐ上に引き抜くだけで外せます。

写真にはありませんが、左上のSTOPキーにもステムを囲むようにバネが入っています。しかし、引き抜き方は通常のキートップと同じです。このバネも固定されていないため、紛失しないように保管します。

今回は、取り外したキートップを透明の袋に入れ、漂白剤で漬け込む方法を試しましたが、これは失敗でした。漬け込むとキートップが下向きになりやすく、紫外線が当たりにくいため、日光が当たった部分と当たらない部分で色ムラが生じてしまったのです。粗めの網の上にキートップを上向きに並べ、ハケで漂白剤を塗る方法の方が良い結果が得られたはずです。

さらに、製造から30年を超える樹脂は脆くなっており、漂白剤に漬けると表面が溶け出しました。ステムに刺さる部分もわずかに溶けているようです。この点からも、網に並べてキートップだけに漂白剤を塗る方法が、より良い結果を得られたはずです。

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今回試したのは「ラップ法」の亜種でしたが、ビニール袋の当たり具合によって漂白ムラが発生してしまいました。このムラが非常に厄介で、写真にあるキーボードの上カバーのテンキー下側部分では、白くなっていない箇所が漂白ヤケのように見えています。

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PC-9801FA本体のフロントカバーにも、わずかではありますがムラが確認できました。

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キーボードのテンキー右上にあるNECのロゴ部分もムラが目立ち、色が大きく抜けてしまいました。特にロゴなどの塗装部分は剥がれやすく、レトロブライトの大きな難点です。このため事前にロゴや文字の大きさを正確に測り写真に撮って画像化しておく必要があります。画像をデカールにして元の位置に貼ることで解決します。(後述)

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PC-9801FA前面パネルでは、機種のロゴやLEDインジケータの下にある文字が一部剥がれました。前面パネル自体も色ムラが残っているため、追加でレトロブライトを施す必要がありますが、さらにロゴや文字が剥がれるリスクがあることは避けられません。

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ビニール袋を使ったラップ法をやめ、今回はハケで漂白剤を直接塗布し、日光に当てる方法に切り替えました。漂白剤が乾くとムラが酷くなる可能性があるため、30分ごとにハケで漂白剤を上塗りしました。写真では、ハケや漂白剤を入れた容器の影がキーボードの上カバーや前面パネルにかかってしまっていますが、このような影ができないよう注意が必要です。この方法では紫外線がしっかりと当たり、8時間で十分な効果が得られました。ただし、ラップ法で発生したムラ(ヤケ?)は完全には消えませんでした。もしこれがヤケであれば、漂白を重ねても除去することは難しいでしょう。

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キーボードのテンキー上のNECロゴ部分はほとんど色が抜けてしまいましたが色ムラは解消されました。

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キーボード上カバーの左上にあるインジケーターのアイコンもすっかり色が抜けて消えかけています。

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PC-9801FA本体の前面パネルでは、機種名ロゴがほぼ壊滅状態で、唯一「A」の文字だけが剥げずに残っていますが、その色は薄くなっています。さらに、中段左端にあるLEDインジケータ下の「POWER」「DISK」の文字は、塗料が完全に剥がれ落ちてしまいました。

フロントパネルは漂白で表面が傷んだようなのでサンドペーパーの#1200で軽めに削り表面を整えました。その際にロゴの残った部分も削り落としました。

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色落ちや剥がれたロゴや文字を、今回はデカールで再現することにしました。使用するのは、プリンタで印刷できる透明タイプのデカールシールです。必要なサイズはハガキの1/3程度なので、エーワンのインクジェットプリンタ用デカールシール(ハガキサイズ)を購入しました。他社からはレーザープリンタ用も出ているようです。インクジェットプリンタを使用する際は、顔料インクを選びます。水溶性インクでは、デカールを水に漬けた際に滲んでしまうため、上手くいきません。

市販されているプリンタ印刷用デカールシールは、左右反転で印刷して、印刷後に糊フィルムを貼り、さらに水に漬けてから目的の場所に貼り付ける仕様です。しかし、糊フィルムの厚みが目立ち、「デカールを貼った感」が強く出てしまいます。また、貼り付け位置の調整が難しく、失敗しやすいのが難点です。
今回は、やなかデジタルファクトリーさんの「デカールを自作してみよう」で紹介されている方法を採用しました。

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「印刷シート」には、デカールシールの一般的な反転印刷ではなく、正像で印刷を行い、印刷面にクリアのラッカースプレーを吹きかけました。クリア層が薄すぎると、水に漬けた際にデカールが砕けやすくなるため、適度な厚さに仕上げることが重要です。クリアが乾いたら、デザインナイフで切り分けますが、「印刷シート」の台紙が厚いためハサミを使う方が作業しやすいかもしれません。通常のデカールシールなら、文字や図形の際ぎりぎりで切り取りたくなるところですが、今回の方法はデカールの段差が目立たないため、余白を残して切り分けても問題ありません。ただし、大きなデカールを扱う場合、折れ曲がってひっついてぐちゃぐちゃになる可能性がある点には注意が必要です。PC-9801FAのロゴ程度のサイズであれば、少々不器用な方でも十分貼り付け可能です。

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キーボード上カバーのテンキー付近にNECロゴを貼り付けます。写真は、まだ印刷シートを切り分けただけの状態です。

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切り分けた印刷シートを水に浸し、引き上げたら縦にして水滴を払い、印刷面を上にして20秒待ちます。その間に、デカールを貼る部分にマークセッター(またはタミヤのデカール糊)を塗ります。少し多めに塗ることで位置調整が容易になりますが、多すぎると貼り付けた後にデカールがズレやすくなるため注意が必要です。マークセッターやデカール糊は接着剤の役割を果たすため、これなしでは乾いたときに剥がれてしまいます。
デカールを水に浸けて20秒経つと、台紙と印刷面が自然に分離し始めます。印刷面を指で少しスライドさせ、デカールの端を台紙の外に出したら、デカールを貼る場所に置いてデカールの端を押さえて台紙を引き抜きます。小さなデカールの場合、ピンセットで印刷部とクリア層の端をつまんで台紙から完全に剥がし、貼り付け位置に移動させても構いません。しかし、大きなデカールではこの方法を取ると折れ曲がってひっついてぐちゃぐちゃになり、回復が難しくなるでしょう。
写真では、マークセッターを塗布し、その上にデカールを配置し台紙を引き抜いた状態が写っています。左側が少しズレていますが、マークセッターの液体の上に浮いた状態なので、位置調整が可能です。ピンセットの先端ではなく、丸みを帯びた部分でそっと押して調整します。位置が決まったら、軽く押さえつつ、余分なマークセッターを周囲から拭き取ります。この際、デカールを変形させたり傷つけないよう注意が必要です。

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PC-9801FAのフロントパネルに「DISK」と「POWER」の文字を貼り付けました。特に「POWER」のデカールはまだ少し浮いていますが、上から押さえつけてマークセッターを拭き取れば、右側の「DISK」と同じように綺麗に仕上がるでしょう。

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今回使用したデカールの中でも、最も大きなものはPC-9801FAのロゴとその他の文字です。まず、マークセッターを多めに塗り、大まかな位置にデカールを載せます。次に、クリア層を軽く押さえながら、台紙を慎重に横に引き抜きます。大きなデカールは台紙を完全に剥がしてから目的の位置に移動させるのは難しいため、この方法が適しています。写真では端が少しよれていますが、軽微なヨレであれば修正が可能です。また、デカールが斜めになっている場合でも、たっぷりのマークセッターの上に浮かんでいるため、そっと動かして位置を調整することができます。そのため、特に大きなデカールには、マークセッターを多めに使うことが重要です。

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マークセッターは、ただ拭き取っただけでは跡が残ります。さらに、乾燥するとデカール(実際にはラッカースプレーで作ったクリア層)が段差として目立つ可能性があります。そのため、アルカリ電解水を染み込ませた綿棒で、拭き取れる範囲でマークセッターの跡を優しくたたき洗いし、乾いた後に#1200以上の番手のサンドペーパーを使ってデカール部分を磨きます。特に、デカール周辺のクリア層を削り、その後フロントパネル全体に艶消しのクリアを吹きかけます。最後に再度#1200以上のサンドペーパーで表面を整えれば、段差はほとんど目立たなくなります。また、フロントパネルにクリア塗装を行うことで、レトロブライトで荒れてしまった表面が新しい樹脂のように見えるようになります。

ただし、元々PC-9801FAやキーボードの表面に施されていた梨地仕上げは、サンドペーパーによる研磨やクリア塗装で多くが失われる可能性があります。フロントパネルやキーボードの梨地は細かいため、目を凝らさなければ気づきにくいですが、PC-9801FAの天板に施された金属塗装は荒い梨地のため、サンドペーパーをかけると台無しになる可能性が高いです。そのため、天板にはサンドペーパーをかけない方が良いでしょう。

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背面の金属パネルには左上に個体番号や認証番号が書かれたシールがあるため、漂白は行いませんでした。しかし、前オーナーがマジックで書いた印が気になったため、プラスチック消しゴムで擦りました。マジックの跡は綺麗に消え、元の印刷文字はそのまま残っています。背面パネルは金属にツルツルの塗装が施されているため、マジックを消すのに消しゴムが有効でした。

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3.5インチフロッピードライブにはディスク挿入口にフタがあり、イジェクトボタンはスロットの下に位置しています。このフタとイジェクトボタンもフロントパネルと同様に黄ばみが見られたため、レトロブライト処理を施しました。ディスクのフタは中央部分と左右の端を指で押さえながら中央を手前に引いてたわませて外しますが、両端の棒に力を入れると簡単に折れる可能性があります。特に左端はバネがあり棒が長めなので注意が必要です。この「棒」というのは、ディスクスロットの蓋と一体でできている樹脂です。加えて、製造から30年以上経過しているため、樹脂が劣化して脆くなっている可能性もあります。
イジェクトボタンは、上面の奥側が金属部分に爪で固定されています。爪を少し持ち上げて外しますが、この部品は非常に細く薄く、折れやすいので慎重に作業する必要があります。さらに、古い樹脂部品はレトロブライト処理によって表面が溶け、強度が低下することがあります。そのため、特にレトロブライト後の取り付け時にはより一層の注意が必要です。

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PC-9801はDOS世代のパソコンで、リセットボタンを多用します。正面に大きく目立つリセットボタンも、フロントパネルと同じく黄ばみが目立ちました。リセットボタンもレトロブライトで漂白したいところですが、これはマザーボードに直接取り付けられた部品のため、取り外しには全てを分解し、マザーボードにアクセスする必要があります。これは非常に面倒です。今回は内部清掃のために分解していたので、リセットスイッチも外すことができましたが、レトロブライトのためだけに全分解するのは避けたいところです。(内部清掃については次回)

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レトロブライト作業が完了しました。フロントパネルは自分でも驚くほどきれいに仕上がり、天板も漂白したことで色の違和感はありません。
キーボードは、下カバーだけレトロブライトを行わなかったため、色合いが少し異なっています。逆に、上カバーは白くなりすぎてPC-9801FA本体のグレーがかった白色より大きく白寄りになっています。
また、キートップは漂白液の入った袋にデタラメにまとめて入れたことで向きの違いにより紫外線の浴び方が違う状態となり、レトロブライトによる漂白処理の結果がまちまちで、色の統一感がありません。特に灰色のキーは表面に多数の細かなひび割れが発生し、見た目が悪くなっています。今回の作業で、灰色のキートップが最も樹脂が溶けてしまいました。ひび割れと溶け出しから、キー表面に何らかのコーティングが施されていて、その下の樹脂が溶け出したのかもしれません。キーボードのキーのムラが酷くみっともないため後日、キートップを再度取り外し、1つ1つ丁寧にサンドペーパーをかけてから、網に並べてレトロブライトを再度実施したいと思います。

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