30年前のPC-9801を蘇らせる - レトロブライト編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - レトロブライト編

先日購入したPC-9801FAの動作確認を行ったところ、一応正常に動作することが確認できました。ただし、外観は全体的にかなり黄ばんでおり、ジャンク品であるため汚れも目立ちます。内部の清掃は次回に回すとして、今回の記事は、この黄ばみを解消することをメインとしています。(実際には、レトロブライトと内部清掃は平行して実施しました)

PCやゲーム機など、古い電子機器の筐体に使われているABS樹脂が経年劣化によって黄ばんでしまう現象はよく知られています。特に、1980年代から1990年代にかけて製造された多くの機器に使われたABS樹脂は、紫外線や酸素にさらされることで表面が黄変してしまいます。この黄ばみを取り除く方法として知られているのが「Retr0bright(レトロブライト)」と呼ばれる手法です。Retro Brightではなく、Retroのオーが数字のゼロでbとの間に空白がありません。

レトロブライトは、過酸化水素水(H2O2)を利用して黄ばんだABS樹脂を元の色に戻す漂白方法です。この過酸化水素水は、家庭でも比較的手に入りやすいもので、薬局で「オキシドール」という名称で販売されているものが代表的です。ただし、薬局で販売されているものは濃度が低く、処理に時間がかかる上にコストも高くついてしまいます。

より手軽で安価な代替として、スーパーで販売されている酸素系の液体漂白剤が挙げられます。これらには過酸化水素水が含まれており、特にスーパーのプライベートブランド商品は安価で使いやすいものが多いです。過酸化水素水を使用したくて酸素系の液体漂白剤を挙げているので、塩素系の漂白剤や粉末の酸素系漂白剤はレトロブライト用としては不適です。

レトロブライトの手法はシンプルですが、いくつかのポイントがあります。まず、過酸化水素水を使ってABS樹脂を漂白するためには、樹脂表面に過酸化水素水を塗布するか、樹脂を過酸化水素水に浸します。その後、日光や紫外線ランプを使って紫外線を照射します。紫外線が過酸化水素水と反応し、黄ばみの原因となる臭素化合物を分解することで、樹脂本来の白さが戻るという仕組みです。
ただし、黄ばみがABS樹脂に含まれる臭素化合物によるものであれば効果がありますが、別の要因による場合は、この方法では改善されないこともあります。

均一な漂白を目指す場合、塗布した部分が乾かないようにラップを使用することが推奨されています。しかし、今回の実践では、このラップ法を採用した結果、一部で失敗が見られました。ラップ法よりもハケで漂白剤を塗布し、日光に当てるだけの方が良いかもしれません。また、漂白剤に浸す方法も有効ですが、紫外線が弱くなるため時間がかかる上、樹脂が劣化するリスクがあるようです。
紫外線の照射時間は、黄ばみの程度や環境条件によって異なりますが、一般的には数時間から数日かかることがあります。例えば、夏の日光であれば、表面に塗布して約8時間、浸す方法では夜間を除いて16時間以上かかります。鉄板に厚めに塗装されたPCの天板の場合は2〜3時間ほどが目安です。これは漂白剤を塗るだけで、日光に当てる必要はないかもしれません。

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日本語の検索結果では、レトロブライトには「ワイドハイターEX」や「ワイドハイターPro」が定番として挙げられていますが、重要なのは過酸化水素が入っていることです。今回は、イオンのプライベートブランドの酸素系液体漂白剤を選びました。写真には2パックしか写っていませんが、実際には3本使用しました。

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漂白剤は透明の大きなゴミ袋に入れ、ABS樹脂の表面にビニールが密着するように漬け込みました。これはラップ法の一種ですが、ラップがヨレて光の当たり具合にムラができ、失敗してしまいました。

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キーボードのキートップは手で引き抜けますが、かなり力が必要で、スカート部分の端で指を傷めることがあります。そのため、専用のキートップ引き抜き工具を使うことをお勧めします。手で無理に引き抜くと斜めに力がかかり、キートップ裏の出っ張り(ステムに刺さる部分)が変形したり折れたりする恐れがあるため、工具でまっすぐ引き抜く方が安全です。

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左端のShiftキーのような長いキーには、斜めに押されないようにスタビライザーのC型金具が付いています。キートップを少し持ち上げて裏返し、金具をスライドさせてキーボードのベースから取り外します。レトロブライトを行う前に金具を外す際、金具を留める爪を折らないように慎重に作業します。

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中央のリターンキーにはスタビライザー金具が付いています。左Shiftキーと同様に、キートップを浅く引き抜き、左から右へ裏返すようにして金具を右にスライドさせて外します。この際、金具をキートップから取り外す(または取り付ける)時には、金具を留める爪を折れないよう注意します。

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最下段のスペースキーは、最も長いキーです。このキーのスタビライザーはキーボードのベース内部に組み込まれているため、金具はありません。その代わりにバネが1本入っていますが、固定されていません。中央にステムと繋がる部分があるため、引き抜き工具を使い、まっすぐ上に引き抜くだけで外せます。

写真にはありませんが、左上のSTOPキーにもステムを囲むようにバネが入っています。しかし、引き抜き方は通常のキートップと同じです。このバネも固定されていないため、紛失しないように保管します。

今回は、取り外したキートップを透明の袋に入れ、漂白剤で漬け込む方法を試しましたが、これは失敗でした。漬け込むとキートップが下向きになりやすく、紫外線が当たりにくいため、日光が当たった部分と当たらない部分で色ムラが生じてしまったのです。粗めの網の上にキートップを上向きに並べ、ハケで漂白剤を塗る方法の方が良い結果が得られたはずです。

さらに、製造から30年を超える樹脂は脆くなっており、漂白剤に漬けると表面が溶け出しました。ステムに刺さる部分もわずかに溶けているようです。この点からも、網に並べてキートップだけに漂白剤を塗る方法が、より良い結果を得られたはずです。

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今回試したのは「ラップ法」の亜種でしたが、ビニール袋の当たり具合によって漂白ムラが発生してしまいました。このムラが非常に厄介で、写真にあるキーボードの上カバーのテンキー下側部分では、白くなっていない箇所が漂白ヤケのように見えています。

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PC-9801FA本体のフロントカバーにも、わずかではありますがムラが確認できました。

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キーボードのテンキー右上にあるNECのロゴ部分もムラが目立ち、色が大きく抜けてしまいました。特にロゴなどの塗装部分は剥がれやすく、レトロブライトの大きな難点です。このため事前にロゴや文字の大きさを正確に測り写真に撮って画像化しておく必要があります。画像をデカールにして元の位置に貼ることで解決します。(後述)

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PC-9801FA前面パネルでは、機種のロゴやLEDインジケータの下にある文字が一部剥がれました。前面パネル自体も色ムラが残っているため、追加でレトロブライトを施す必要がありますが、さらにロゴや文字が剥がれるリスクがあることは避けられません。

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ビニール袋を使ったラップ法をやめ、今回はハケで漂白剤を直接塗布し、日光に当てる方法に切り替えました。漂白剤が乾くとムラが酷くなる可能性があるため、30分ごとにハケで漂白剤を上塗りしました。写真では、ハケや漂白剤を入れた容器の影がキーボードの上カバーや前面パネルにかかってしまっていますが、このような影ができないよう注意が必要です。この方法では紫外線がしっかりと当たり、8時間で十分な効果が得られました。ただし、ラップ法で発生したムラ(ヤケ?)は完全には消えませんでした。もしこれがヤケであれば、漂白を重ねても除去することは難しいでしょう。

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キーボードのテンキー上のNECロゴ部分はほとんど色が抜けてしまいましたが色ムラは解消されました。

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キーボード上カバーの左上にあるインジケーターのアイコンもすっかり色が抜けて消えかけています。

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PC-9801FA本体の前面パネルでは、機種名ロゴがほぼ壊滅状態で、唯一「A」の文字だけが剥げずに残っていますが、その色は薄くなっています。さらに、中段左端にあるLEDインジケータ下の「POWER」「DISK」の文字は、塗料が完全に剥がれ落ちてしまいました。

フロントパネルは漂白で表面が傷んだようなのでサンドペーパーの#1200で軽めに削り表面を整えました。その際にロゴの残った部分も削り落としました。

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色落ちや剥がれたロゴや文字を、今回はデカールで再現することにしました。使用するのは、プリンタで印刷できる透明タイプのデカールシールです。必要なサイズはハガキの1/3程度なので、エーワンのインクジェットプリンタ用デカールシール(ハガキサイズ)を購入しました。他社からはレーザープリンタ用も出ているようです。インクジェットプリンタを使用する際は、顔料インクを選びます。水溶性インクでは、デカールを水に漬けた際に滲んでしまうため、上手くいきません。

市販されているプリンタ印刷用デカールシールは、左右反転で印刷して、印刷後に糊フィルムを貼り、さらに水に漬けてから目的の場所に貼り付ける仕様です。しかし、糊フィルムの厚みが目立ち、「デカールを貼った感」が強く出てしまいます。また、貼り付け位置の調整が難しく、失敗しやすいのが難点です。
今回は、やなかデジタルファクトリーさんの「デカールを自作してみよう」で紹介されている方法を採用しました。

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「印刷シート」には、デカールシールの一般的な反転印刷ではなく、正像で印刷を行い、印刷面にクリアのラッカースプレーを吹きかけました。クリア層が薄すぎると、水に漬けた際にデカールが砕けやすくなるため、適度な厚さに仕上げることが重要です。クリアが乾いたら、デザインナイフで切り分けますが、「印刷シート」の台紙が厚いためハサミを使う方が作業しやすいかもしれません。通常のデカールシールなら、文字や図形の際ぎりぎりで切り取りたくなるところですが、今回の方法はデカールの段差が目立たないため、余白を残して切り分けても問題ありません。ただし、大きなデカールを扱う場合、折れ曲がってひっついてぐちゃぐちゃになる可能性がある点には注意が必要です。PC-9801FAのロゴ程度のサイズであれば、少々不器用な方でも十分貼り付け可能です。

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キーボード上カバーのテンキー付近にNECロゴを貼り付けます。写真は、まだ印刷シートを切り分けただけの状態です。

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切り分けた印刷シートを水に浸し、引き上げたら縦にして水滴を払い、印刷面を上にして20秒待ちます。その間に、デカールを貼る部分にマークセッター(またはタミヤのデカール糊)を塗ります。少し多めに塗ることで位置調整が容易になりますが、多すぎると貼り付けた後にデカールがズレやすくなるため注意が必要です。マークセッターやデカール糊は接着剤の役割を果たすため、これなしでは乾いたときに剥がれてしまいます。
デカールを水に浸けて20秒経つと、台紙と印刷面が自然に分離し始めます。印刷面を指で少しスライドさせ、デカールの端を台紙の外に出したら、デカールを貼る場所に置いてデカールの端を押さえて台紙を引き抜きます。小さなデカールの場合、ピンセットで印刷部とクリア層の端をつまんで台紙から完全に剥がし、貼り付け位置に移動させても構いません。しかし、大きなデカールではこの方法を取ると折れ曲がってひっついてぐちゃぐちゃになり、回復が難しくなるでしょう。
写真では、マークセッターを塗布し、その上にデカールを配置し台紙を引き抜いた状態が写っています。左側が少しズレていますが、マークセッターの液体の上に浮いた状態なので、位置調整が可能です。ピンセットの先端ではなく、丸みを帯びた部分でそっと押して調整します。位置が決まったら、軽く押さえつつ、余分なマークセッターを周囲から拭き取ります。この際、デカールを変形させたり傷つけないよう注意が必要です。

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PC-9801FAのフロントパネルに「DISK」と「POWER」の文字を貼り付けました。特に「POWER」のデカールはまだ少し浮いていますが、上から押さえつけてマークセッターを拭き取れば、右側の「DISK」と同じように綺麗に仕上がるでしょう。

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今回使用したデカールの中でも、最も大きなものはPC-9801FAのロゴとその他の文字です。まず、マークセッターを多めに塗り、大まかな位置にデカールを載せます。次に、クリア層を軽く押さえながら、台紙を慎重に横に引き抜きます。大きなデカールは台紙を完全に剥がしてから目的の位置に移動させるのは難しいため、この方法が適しています。写真では端が少しよれていますが、軽微なヨレであれば修正が可能です。また、デカールが斜めになっている場合でも、たっぷりのマークセッターの上に浮かんでいるため、そっと動かして位置を調整することができます。そのため、特に大きなデカールには、マークセッターを多めに使うことが重要です。

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マークセッターは、ただ拭き取っただけでは跡が残ります。さらに、乾燥するとデカール(実際にはラッカースプレーで作ったクリア層)が段差として目立つ可能性があります。そのため、アルカリ電解水を染み込ませた綿棒で、拭き取れる範囲でマークセッターの跡を優しくたたき洗いし、乾いた後に#1200以上の番手のサンドペーパーを使ってデカール部分を磨きます。特に、デカール周辺のクリア層を削り、その後フロントパネル全体に艶消しのクリアを吹きかけます。最後に再度#1200以上のサンドペーパーで表面を整えれば、段差はほとんど目立たなくなります。また、フロントパネルにクリア塗装を行うことで、レトロブライトで荒れてしまった表面が新しい樹脂のように見えるようになります。

ただし、元々PC-9801FAやキーボードの表面に施されていた梨地仕上げは、サンドペーパーによる研磨やクリア塗装で多くが失われる可能性があります。フロントパネルやキーボードの梨地は細かいため、目を凝らさなければ気づきにくいですが、PC-9801FAの天板に施された金属塗装は荒い梨地のため、サンドペーパーをかけると台無しになる可能性が高いです。そのため、天板にはサンドペーパーをかけない方が良いでしょう。

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背面の金属パネルには左上に個体番号や認証番号が書かれたシールがあるため、漂白は行いませんでした。しかし、前オーナーがマジックで書いた印が気になったため、プラスチック消しゴムで擦りました。マジックの跡は綺麗に消え、元の印刷文字はそのまま残っています。背面パネルは金属にツルツルの塗装が施されているため、マジックを消すのに消しゴムが有効でした。

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3.5インチフロッピードライブにはディスク挿入口にフタがあり、イジェクトボタンはスロットの下に位置しています。このフタとイジェクトボタンもフロントパネルと同様に黄ばみが見られたため、レトロブライト処理を施しました。ディスクのフタは中央部分と左右の端を指で押さえながら中央を手前に引いてたわませて外しますが、両端の棒に力を入れると簡単に折れる可能性があります。特に左端はバネがあり棒が長めなので注意が必要です。この「棒」というのは、ディスクスロットの蓋と一体でできている樹脂です。加えて、製造から30年以上経過しているため、樹脂が劣化して脆くなっている可能性もあります。
イジェクトボタンは、上面の奥側が金属部分に爪で固定されています。爪を少し持ち上げて外しますが、この部品は非常に細く薄く、折れやすいので慎重に作業する必要があります。さらに、古い樹脂部品はレトロブライト処理によって表面が溶け、強度が低下することがあります。そのため、特にレトロブライト後の取り付け時にはより一層の注意が必要です。

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PC-9801はDOS世代のパソコンで、リセットボタンを多用します。正面に大きく目立つリセットボタンも、フロントパネルと同じく黄ばみが目立ちました。リセットボタンもレトロブライトで漂白したいところですが、これはマザーボードに直接取り付けられた部品のため、取り外しには全てを分解し、マザーボードにアクセスする必要があります。これは非常に面倒です。今回は内部清掃のために分解していたので、リセットスイッチも外すことができましたが、レトロブライトのためだけに全分解するのは避けたいところです。(内部清掃については次回)

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レトロブライト作業が完了しました。フロントパネルは自分でも驚くほどきれいに仕上がり、天板も漂白したことで色の違和感はありません。
キーボードは、下カバーだけレトロブライトを行わなかったため、色合いが少し異なっています。逆に、上カバーは白くなりすぎてPC-9801FA本体のグレーがかった白色より大きく白寄りになっています。
また、キートップは漂白液の入った袋にデタラメにまとめて入れたことで向きの違いにより紫外線の浴び方が違う状態となり、レトロブライトによる漂白処理の結果がまちまちで、色の統一感がありません。特に灰色のキーは表面に多数の細かなひび割れが発生し、見た目が悪くなっています。今回の作業で、灰色のキートップが最も樹脂が溶けてしまいました。ひび割れと溶け出しから、キー表面に何らかのコーティングが施されていて、その下の樹脂が溶け出したのかもしれません。キーボードのキーのムラが酷くみっともないため後日、キートップを再度取り外し、1つ1つ丁寧にサンドペーパーをかけてから、網に並べてレトロブライトを再度実施したいと思います。

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30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編

30年前のPC-9801を実用を目指して蘇らせる - ジャンク品を買ってみた編

「がとらぼ」の中の人が学生時代を過ごしていた頃、NECのPC98シリーズは「国民機」と呼ばれ、パソコンといえばPC98が主流でした。ほかにも富士通のFMRシリーズやFM-TOWNS、シャープのX68000などがありましたが、圧倒的にメジャーだったのはPC98でした。

ただし、PC98シリーズのパソコンは非常に高価でした。初代PC-9801の本体価格は定価298,000円で、その後のモデルもだいたい本体が40万円程度しました。PC-H98のハイグレードモデルでは、価格が200万円を超えるものもありました。さらに、モニターが数万円、ハードディスクが5〜10万円、プリンターが5万円以上と、周辺機器の価格も高額でした。加えて、OSも別売りのMS-DOSなどを購入する必要があり、一式揃えると実売価格で40〜60万円ほどかかりました。

そのため、バイトを始めたばかりの貧乏学生にとっては、PC98シリーズを手に入れるのは簡単ではありませんでした。「がとらぼ」の中の人が最初にバイトして自分で購入したのは、若干安いEPSONのPC98互換機であるPC-386Mでした。その後、FM-TOWNSやIBM-PC互換機に移行したため、NECのPC98シリーズとして所有したのは、(買い与えられた)初代PC-9801のみでした。

PC-98シリーズのパソコンは、現在では中古市場でしか手に入れることができません。そして、多くの場合、それらは正常に動作するかどうか不明です。動作しない場合は、部品取り用として活用し、動作する部品を組み合わせて1台の正常なPCを作るのが良い方法です。また、現在でもPC-98を取り扱っているショップや、修理を行っている業者も存在します。これらの場所で動作確認済みの本体や部品を入手するか、不動品を修理してもらって動作品にするのも一つの手段です。

私自身はPC-98に対して強いこだわりはありませんが、高級機であったPC-9801シリーズのモデルが欲しいと思い、PC-9821型番の98Mateシリーズや中国製の廉価型PC-9801である98Fellowシリーズは対象外としました。ただし、98Mateや98FellowではIDEのHDDやCD-ROMが採用されているため、それ以前のSCSI/SASIのHDDを使用するモデルに比べてストレージの入手が容易です。

V30 CPUでしか動作しないソフトウェアもあるため、ソフトウェアの互換性を重視する場合はV30搭載モデルを選ぶのが良いかもしれません。一方で、そこにこだわらなければ選択肢は広がり、VM以降のモデルの全てが視野に入ります。PC-9801の初期モデルはメモリの搭載可能量が少なく、CPUの処理速度も遅いため、性能面が気になる場合は1990年代のモデルを選ぶのが良いでしょう。

結果として、今回は98Fellowを除くPC-9801型番の最後のメジャーモデルであるPC-9801FAを選びました。このモデルはi486SX 16MHzのCPUを搭載し、メモリも14MBと限られていますが、HDDなしのバリアントでも当時の本体価格は約46万円と高級機でした。

今年のPC98の日、9月8日を目指してPC-9801FA一式を揃えることにしました。

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今回は主にヤフオクで必要なアイテムを調達しました。本体であるPC-9801FAは3,200円、ディスプレイはブラウン管が嫌だったので液晶タイプを1,000円で購入、キーボードが2,300円、マウスが800円、LANボードが1,500円でした。これらにはそれぞれ送料がかかりました。ヤフオクでは、新品での入手が難しい中古品やジャンク品を安く手に入れることが多いですが、ディスプレイやマウスを接続するための変換アダプタやフロッピーディスクのメディアなどは、新品をヨドバシ、駿河屋、地球館などの店舗で購入する方が安いこともあります。

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それでは、入手したPC-9801FA本体を詳しく見ていきましょう。
本体の前面下部には左から、リセットスイッチ、CPUの速度切り替えスイッチ、ボリューム、動作モードを切り替えるディップスイッチ、電源スイッチが並んでいます。このうち、速度切り替えスイッチ、ボリューム、ディップスイッチはカバーで隠すことができます。
ディップスイッチの上には「ファイルスロット」と呼ばれるドライブベイがあります。ここにはCD-ROMドライブやMOなどを取り付けることができ、現在のPCの5インチドライブベイに似ていますが、奥にコネクタがある点や、ドライブに専用のレールを取り付ける必要がある点が異なります。さらにその上には、フロッピーディスクドライブが配置されています。今回入手したモデルは3.5インチフロッピーディスクドライブを2台備えていますが、PC-9801FAには5インチフロッピーディスクモデルも存在します。

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PC-9801FAなどのこの時期のモデルでは、フロントパネルの左右にあるボタンを内側に押し込みながら、手前に引くことで、工具を使わずにフロントパネルを取り外すことができます。

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フロントパネルの内部には、手で回せるネジが4本あります。左側の黒いネジ1本は、メモリとCPUが格納されているエリアの蓋を固定しています。また、ファイルスロットの左右下部には白いネジが2本あり、右下にはHDDドライブベイの「かご」と呼ばれる箱を固定する黒いネジが1本あります。
左下にはキーボードとマウスのコネクタがあります。キーボードコネクタはPS/2タイプに似ていますが、PS/2キーボードは使用できません。マウスコネクタは9ピンのシリアルコネクタと同じ形状ですが、シリアルポートではなく、シリアルマウスも使用できません。98用バスマウスの角型を接続する必要があります。ただし、後にPC-98Mateや98Fellowシリーズで採用されたコンパクトな丸形コネクタのバスマウスも、変換アダプタを使えば利用可能です。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 5
次に、ファイルスロットの蓋を開けてみました。このモデルでは、ファイルスロットの奥に3つのスロットが見えます。1つはSCSIスロットのようですが、残りの2つが何のスロットかはわかりません。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 6
拡張メモリの格納用蓋を開けると、すでにメモリ拡張基板が刺さっており、そこには4枚のメモリモジュールが取り付けられていました。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 7
メモリ拡張基板を取り外しましたが、メモリスロットの変色やボードの汚れが目立ちます。

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こちらはメモリ拡張基板の裏面です。NEC純正品ではなくメルコ(BUFFALO)製でした。PC98シリーズ用のEMSメモリといえば、当時はメルコかI-O DATAが一般的だったため、特に珍しいことではありません。(初稿では「EMSメモリといえばメルコかバッファロー」という寝ぼけたことを書いてました。申し訳ありません。)

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 9
メモリ拡張基板を外すと、その下にCPUが見えます。右側にはメインCPUのインテルの486SX 16MHzが搭載されていますが、本体の価格に対しては性能が低い印象です。海外ではすでにIBM-AT互換機に486DXの25MHzを搭載したモデルがエントリーモデルとしてPC-9801FAの3分の1以下の価格で販売されていたため、もしPC98シリーズでも早い段階で高性能なチップを採用して安価に販売していたならば、IBM-AT互換機に市場を一気に奪われるという事態は避けられたかもしれません。

左側にはコプロセッサやオーバードライブプロセッサ用のソケットがありますが、そこにはすでに何かが取り付けられています。通常のi487コプロセッサならシンプルな黒い板のような見た目になるはずですが、今回は何らかのオーバードライブプロセッサか486互換CPUが取り付けられていると考えられます。ただし、ヒートシンクがあるため、正確なチップの種類は確認できていません。この時代のコプロセッサやオーバードライブプロセッサは、多数のピンをソケットに差し込むタイプで、斜めからの取り外しや取り付けを繰り返すのはリスクがあります。この頃のCPUピンは太く硬めですが、斜めに作業をするとピンが曲がってしまう可能性があるためです。抜き差しをするなら、筐体の天板やその他のユニットを取り外し、真上から作業を進めたいところです。すべて分解して掃除をする予定なので、その際に詳細を確認する予定です。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 10
フロントの一番右にある「籠」と呼ばれるハードディスクのトレイを引き抜きました。手順は簡単で、黒いネジ1本を外し、トレイに付いている取っ手を持ってまっすぐ前に引き出すだけです。
トレイには「日本テクサ株式会社」と書かれたシールが貼られており、どうやらNEC純正のものではないようです。そもそも入手したPC9801-FA/U2はハードディスクのないフロッピーディスクバリアントなので、本来ならばトレイの代わりに蓋があるだけのはずです。このPCには拡張メモリ、オーバードライブプロセッサ、そしてハードディスクが追加されており、前のオーナーが非力なPC-9801FAを少しでも快適にしようと色々なパーツを取り付けたことがうかがえます。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 11
これが引き抜いたハードディスクのトレイです。内部には3.5インチのハードディスクドライブ(HDD)が見えます。HDDにはSCSIコネクタと電源コネクタがあり、それぞれがトレイの基板に接続されています。

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3.5インチHDDの上面には「Quantum(クァンタム/カンタム)ProDrive LPS」と書かれているので、これは松下寿電子工業が製造した240MBのSCSI 1ドライブです。ProDrive LPSはMacintoshなどにも搭載されていたことで有名です。QuantumはMaxtorに買収され、その後MaxtorはSeagateに買収されたのですが、90年代にはQuantumドライブをよく購入したものです。
とはいえ、このハードディスクは30年前のものですので、仮に動作したとしても今後の使用には不安が残ります。このProDrive LPSは動作テストを行った後、問答無用で退役させる予定です。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 13
こちらはPC-9801FAの背面です。PC-9801シリーズの多くのモデルにはデジタルRGB出力が備わっていますが、VM以降のモデルではアナログRGB出力も追加され、これが主なビデオ出力として使用されるようになりました。PC-9801FAもデジタルとアナログのRGBモニタ出力を備えていますが、今回入手したPC-9801FAのアナログRGB出力コネクタには、ケーブルがちぎれたオスコネクタと、折れた固定ネジが残ったままの状態でした。このような点がジャンク品たる所以かもしれません。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 14
オスコネクタの残骸を取り除いたところ、本体側のコネクタには問題がないようで、ひと安心です。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 15
これが取り外したコネクタの残骸です。短い方の固定ネジはラジオペンチで摘んで捻って取り外した際にどこかに飛んでいってしまいました。

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昨今では少ないものの、10年以上前にはPCとディスプレイを接続する際に広く利用されていた3列(3行)のアナログRGB(VGA)mini D-Sub15ピンと、PC-9801の2列(2行)のアナログRGB D-sub15ピンを変換するアダプタが、サンワサプライから新品で販売されています。2024年9月8日時点で、ヨドバシカメラでは1,250円で送料無料です。同じアダプタでサンワサプライのシールが貼られていないものがヤフオクでは1,000円ほど高く、さらに送料もかかるので注意が必要です。

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PC-9801本体のアナログD-Sub15ピンコネクタに変換アダプタを接続し、そこに3列コネクタの付いた(10年以上前によく使用されていた)PC用アナログディスプレイケーブルを接続します。後ろに大きく飛び出す形になるため少々不格好ですが、固定ネジでしっかり留めれば実用上は問題ありません。見た目が気になる方は、ヤフオクなどでmini D-Sub15ピン(3列)とD-Sub15ピン(2列)のコネクタが両端に付いたケーブルも販売されているので、それを購入するのも良いかもしれません。

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本体背面の左端です。
PC-9801FA/U2はHDDが搭載されていないバリアントで、本来なら本体背面の左端にはカバーがあるだけのはずですが、今回入手した本体の左端にはSCSIボードが装着されていました。おそらく、前面右端のHDD籠とセットで追加されたものと考えられます。なお、まだ分解していないためボードの品番は不明です。このSCSIボードが55互換ではなく92互換であれば、ハードディスクの代わりにSDカードを使用できる「BlueSCSI」をそのまま利用することが可能です。もし55互換のボードの場合は、92互換のSCSIボードを別途入手しなければならないかもしれません。

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本体背面の右半分です。
PC-9801の増設カードスロットとしておなじみのCバス拡張スロットが4本あります。このうち、最下段のスロットにはビデオアクセラレータかスーパーインポーズ機能を持つ映像系ボードが装着されていました。これも前のオーナーが追加したものであると思われますが、こちらもまだ分解していないため詳細は不明です。また、一番下にはデジタルRGB端子、音声のラインアウト、外付けFDDコネクタ、RS-232Cシリアルポート、プリンタコネクタが配置されています。

30年前のPC-9801を蘇らせる - 買ってみた編 20
PC-9801用のマウスには、シリアルポートに接続するシリアルマウスと専用ポートに接続するバスマウスの2種類があります。シリアルマウスはPC-9801で使用すると反応が悪いと言われているため、選択肢から外しました。また、入手も非常に困難で、古いマイクロソフト製の黄ばんだシリアルマウス程度しか見つからないのが現状です。

バスマウスには、前期モデルで採用された角型のD-Sub9ピンコネクタのものと、後期モデルで採用された丸形のmini DIN9ピンコネクタのものがあります。コネクタ形状が異なるだけで、信号自体は同じため、変換コネクタを使えばどちらのコネクタのマウスでも利用可能です。現在は丸形コネクタのマウスが多く出回っているため、PC-9801FAで使用する場合は角型から丸形への変換アダプタも必要になります。

なお、PC-9801用の丸形マウスコネクタとIBM-PC互換機用のPS/2マウスコネクタは形状が似ていますが、信号が異なるため、PS/2マウスをPC-9801にそのまま接続して使うことはできません。ただし、PS/2マウスやUSBマウスをPC-9801に接続するための変換アダプタが販売されています。これらのアダプタは少し高価ですが、入手可能です(参考: クラシックPC研究会 や W341 連合※後者は2024年9月現在、欠品中)。

今回、ヤフオクで「未使用」として出品されていたマウスを入手しましたが、実際には「美品」相当の状態でした。外箱の透明な樹脂が変色して黄色っぽく見えますが、一応箱入りです。PC-9801用マウスで箱入りのものは珍しいと考えられます。ただし、エレコムの卵型マウスは当時よく流通していたため、このM-60Gマウス自体は特に珍しいものではありません。NEC純正にこだわる方もいるようですが、「がとらぼ」の人はそこまでこだわりはありません。

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外箱から取り出すと、マウス本体は綺麗でした。マウスケーブルには若干の汚れが見られましたが、拭けばきれいになる程度のものでした。

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マウスの底面です。
当時はボールマウスの時代だったため、このマウスもボールマウスです。机の天板やマウスパッドと擦れる部分(マウスソール)には若干のすり減りと小傷があり、このマウスが「未使用」でないことがわかります。ただし、マウスソールの傷や減りは問題ありません。
しかし、中古マウスではボタンのスイッチの使用状況が寿命に大きく影響するため、ボタンが酷使されていないことを祈るばかりです。そういった理由から、中古マウスは避けるのが良いかもしれません。同人販売のW341連合のUSBマウスコンバータが再頒布されることを期待しています。(価格が安めのため)

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今回はアクロスのANA505マウス変換アダプタを、地球館楽天市場店で新品で購入しました。価格は本体630円、送料が590円でした。マウス本体より高いですが、ヤフオクで購入するよりは安いです。アマゾンでは1,132円ですが、送料無料条件に合う買い物の際にはアマゾンの方が安くなりそうです。

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マウスの丸型コネクタをマウス変換アダプタに接続し、そのアダプタをPC98本体の角型ポートに挿します。場合によっては、マウス変換アダプタの方がフロントパネルの穴より大きいかもしれませんが、先にマウス変換アダプタを本体に挿してネジで固定し、その後にフロントパネルをはめてマウスを接続します。マウス変換アダプタは本体に接続しっぱなしで問題ないと思われます。

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PC98の初期モデルについては記憶がありませんが、中期以降のモデルではキーボードの「HELP」キーを押しながら電源を投入するか、リセットキーを押しながら「HELP」キーを押すことで「システムセットアップメニュー」が表示されます。これは、現在のPCのBIOS画面に似たものです。このメニューで、ディップスイッチ以外のモード変更が可能になります。

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同上

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同上

システムセットアップメニューが表示されたことで、今回購入したモデルは電源もマザーボードも正常に動作していることが確認できました。また、ハードディスクも正常に動作しており、ハードディスクからOS (MS-DOS)が起動することが確認できました。ただし、元々インストールされていたMS-DOSはconfig.sysやautoexec.batにOS起動が完了しないようなトラップが仕掛けられていたため、MS-DOSが起動起動中の処理でループに陥り、その後の操作ができない状態でした。しかし、本体が正常に動作することは確認できたので、問題ありません。(次の動画)

N88 BASIC(DISK BASICではなくROM BASIC)を起動し、非常にシンプルな日時表示のプログラムを実行してみました(次の動画)。

ディスプレイについては触れていませんでしたが、PC98のノーマルモード (640x400ドット表示)を使うためには、ディスプレイが水平同期24MHz (24.83MHz)に対応している必要があります。現在販売されているディスプレイの多くは31MHz程度から対応しているため、PC98の画面を表示できないことがほとんどです。ただし、カタログでは31MHz以上の対応が記載されていても、実際には24MHzに対応している製品もあるようです。うちにあるディスプレイではBenQのBL2400というモデルはPC98の画面を表示することができました。ただし、BL2400は24インチディスプレイなので写真のパソコンラックでPC9801FAの上に置くと上の棚に当たって設置できませんでした。(パソコンラックは2,30年前風でPC-9801によく似合います。ちなみに、ジモティでの戴きものです。)

日本ブランドで販売されているスクエア型(4:3のアスペクト比)のディスプレイには、24MHzに対応している製品がいくつか存在します。今回購入したアイ・オー・データのTN液晶ディスプレイLCD-AD173SEWは、7年前に生産を終了した製品ですが、公式に24MHz対応とされていたため選びました。ただし、PC98のディスプレイのアスペクト非は16:10であるのに対してLCD-AD173SEWは4:3で、アスペクト比の調整ができないモデルのため想定より縦長に映ります。つまり、円を表示すると縦に引き伸ばされて表示されます。最近主流の横長画面のディスプレイは、16:9が多いため横に伸びて表示されます。つまり、円が横に引き伸ばされます。どちらもゲームをしないならあまり問題ないでしょう。アスペクト比を調整可能なディスプレイであれば、上下または左右のどちらかに使用されない帯が発生するものの正しいアスペクト比で表示することが可能です。
30年前のレトロPCを体験したいからといって、ブラウン管ディスプレイを使うのはちょっと…と思ったので、今回は液晶ディスプレイにしました。

今回は、入手したPC-9801FAが不動品ではなく、動作することを確認しました。今後は、このPC98を実用に耐えられる状態に整備していきます。また、見た目もきれいに仕上げたいと思います。

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