ESP32-CAMで作るリビングカメラ (工作編)

工作
©いらすとや.

実家に高齢の親がいるのだが、正直健康面で心配な部分がある。そこでリビングに生存確認用のカメラを置きたいと思った。これぞ本当のリビングカメラ。何をしているのか細かく観たいというものではないので画質はどうでも良い。むしろ動いていることさえ判れば十分。そこでESP32-CAMを置いてみてリビングカメラとしてお試し。良いようであれば改めて新しいカメラを買いたい。
基板むき出しのESP32-CAMそのままというのもあんまりなのでケースに入れることに。安さ優先でダミーカメラをケースにすることにした。全部で約1000円。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 1
届いたダミー監視カメラ。カメラの形をしてるけど中はLEDだけでカメラなし。これはよく施設の天井などに張り付いてるようなタイプ。手前の単3電池4本は大きさ比較用。中身の価格が300〜500円程度なので箱も安っぽい。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 2
箱の中身。ダミーカメラ本体と取り付け用ネジなど。取説なんてものは無い。単3電池は大きさ比較用。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 3
ダミーカメラ本体も安っぽい。知らない人でも見た瞬間に本物のカメラじゃないってわかるくらい。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 4
ウラ面は壁面(天井)取付用のネジ穴とLED点灯用の電池の蓋だけ。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 5
AA電池(単3電池)2本が入るようになっている。今回は内蔵LEDを使わないのでこの電池入れには用はない。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 6
ダミーカメラの中身。一応レンズの向きは変更可能だがLEDのコードに引っ張られて真上を向くクセが付いているっぽい。ドームは少し回すと外れるもの。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 7
電池ケースからLED1個と抵抗1個が繋がったシンプルイズベストな回路。Arduinoで最初にやりたがる人が多いLチカに良さそう。
今回は要らないのでLEDを抜いて配線も切り取った。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 8
同じく購入したESP32-CAMのDEVキット。ESP32-CAMの基板(約500円)の他にmicroUSB端子(w/USB-Serialチップ)などのMBモジュール基板が付いたもの。MBモジュール基板があれば普通のUSBケーブルでPCと接続するだけで通信できる。MBモジュール基板は必須ではないけど+100円程度と安価なので電子工作の類が苦手な人は一緒に買う(セットを買う)のがオススメ。
単3電池4本は大きさ比較用。

AliExpressで販売されているESP32-CAMの一例。このページに掲載されているESP32-CAMとは仕様が異なることがあります。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 9
2段重ねの上側でESP32-CAMと書いてある方の基板が本体。下に見えている方がMBモジュールのハット基板。ハットなのに下側だけど。その右にあるのがカメラモジュール。このカメラモジュールはいろいろな種類から選べる。またフィルムケーブル(フレキシブルフラットケーブル)の長さも選べる。(購入するショップでの取扱いしだい)
で、カメラの標準の向きが90度違うことがあるので設置方法によってはそのカメラの向きは重要になってくる。勝手な推測だけどフィルムケーブルに書いてある型番の向きがカメラの向きだと思う。つまり向きの違うカメラを選ぶと標準の映像が横倒しになる。(それが良いという人もいるだろうけど)

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 10
ハットを外したところ。左の基板がESP32-CAM本体。右側の基板がESP32-CAM用のMBモジュール基板。これがあると厚みがだいぶ増すので邪魔といえば邪魔だけど圧倒的にラク。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 11
ESP32-Sと書かれた銀色部分、これがESP32-Sの本体。この切手みたいな部分がまた基板になっている。これ自体がチップではないので銀色の板を外すといろいろ入ってる。
左上に技適に似たマークがあるけど似てるだけで技適じゃない。そもそも番号無いし。このマークは何処の国の認証なのかは知らない。何か言われたら「技適マークだと心の底から信じてた」と強弁する方法もあるかもしれないがオススメはできない。その下にFCCIDが書いてあるのだから素直に技適未取得機器の実験として特例申請をした方が堂々と使えて気持ち良い筈。なお、FCCIDで特例申請する場合はジャンパ抵抗を付け替えて外部アンテナ接続をするというのはNGかも。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 12
カメラモジュールの取り付けは、先ずフィルムケーブル差込口の黒いバーを起こす。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 13
カメラモジュールのケーブル端部を刺さる範囲で奥まで差し込む。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 14
黒いバーを倒して元に戻す。
カメラモジュールのウラ面に両面テープが貼られているなら保護シールを剥がしてカメラモジュールをmicroSDカードスロットに貼り付ける。両面テープが付いていなければ自分で両面テープで固定するなり。フィルムケーブルが長いものであれば別の適切な場所に取り付ける。新品のカメラレンズ表面にはレンズの保護フィルムが貼ってある筈だが、間違ってレンズに手で触って汚したり埃がレンズ穴に入らないよう運用直前まで剥がさない方が良いかと。(上の画像だと緑のタブが付いた保護シートがレンズに貼られている。)

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 15
ダミーカメラにESP32-CAMを当ててみて最終的な取り付け位置を決定する。今回はESP32-CAMのレンズを(工作前の)ダミーカメラのレンズと同じ位置にしようと思った。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 16
ダミーレンズが取り付けられた黒い板は簡単に外すことができる。その裏面を見ると2箇所ほど筒型に飛び出ている。その内の1つはLED格納用。邪魔なのでLEDを外して筒部分をカットした。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 17
オモテ面のダミーレンズも邪魔なので切り取るが、ダミーレンズと同サイズの穴を開けた型紙などを嵌めてから切断すると余計なキズが付きにくい。上の画像では既に少しだけ切断を始めている。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 18
削り屑が付いたままだがダミーレンズを切断した状態。さらにesp32-camのピンヘッダ(ピンソケット)が通る溝を2つ空ける。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 19
溝が2つできた。この黒い樹脂は充填密度が低いのか素材が悪いのかクッキーみたいなボソボソなもの。ダミーレンズの切断部分は密度が高いようだが溝を掘った板の部分は切断面が「岩おこし」みたい。力を入れると簡単にパキッといきそうなので加工時は要注意。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 20
ESP32-CAMのMBモジュールのピンソケットを通してみた。ちょうどピッタリ。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 21
ピンソケットを通した状態でESP32-CAMの基板を嵌めた。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 22
ダミーカメラ本体に取り付けた。予定どおりで上手くできた。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 23
ESP32-CAMのMBモジュールのmicroUSB端子の位置に合うようにUSBケーブルのプラグが通るサイズの穴を空ける。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 24
空けた穴にUSBケーブルのプラグを通してみる。ぴったりすぎると自由度が下がるので少し大きめに空ける方が良いかも。
あと、できればプラグが小さく短くケーブルが細く柔らかいものがオススメ。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 25
USBケーブルを接続し、ダミーカメラのドームをかぶせた。(カメラレンズの保護シートがまだ剥がされていないが)こんな感じで完成。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 26
カメラレンズの保護シートを剥がした。フィルムケーブルに8225N V2.0 171026と書かれているが、この文字の向きとカメラが画像の向きが同じ。(すべてそうとは限らないかもだが)

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 27
ESP32-CAM用のサンプルスケッチのウェブカメラで動作試験を行った。色が悪く画質も良くはないが一応正常に機能して嬉しいかぎり。
しかし、カメラレンズ方向に光が当たってかつ被写体が暗い場合(逆光時)にフィルムケーブルに印字された白い文字が反射し、さらにドーム内側に反射して映り込むことが判った。
これはよろしくない。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 28
反射対策が必要そう。取り敢えず「8225N」などが書かれたフィルムケーブル部分に黒いビニールテープを貼ってみた。みっともないので最終的には別の方法で黒くしたい。
さらにレンズ近くにmicroSDカードスロットの銀色部分がある。これも逆光時には悪さをするかもしれないので何らかの方法で黒くする方が良いかも。カメラモジュールのハーネス部分も白いが、これはドームの曲面による反射方向のおかげで影響しないっぽい。

ESP32CAM DEVキットで作る監視カメラ 工作編 29
明るさが少し違うが、フィルムケーブルの文字の反射が消えて問題無くなった。

画質は良くないものの、これで目的は達成できそうな感じ。サンプルスケッチそのままだと起動時にUSBケーブルでシリアル通信ができる相手(PC等)がいないとWi-Fi接続にたどり着かないようなので、Wi-Fi接続して映像のストリーミングを行うだけのメチャメチャ簡単なスケッチを作る予定。

関連記事:

ADS-B受信用アンテナの作り直し 再び (過去最高のアンテナ)

防犯カメラ
©いらすとや.

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 1
Nコネクタはマウンタ付きで、皿ネジ4本で固定するタイプを使用しています。今回、このNコネクタをアンテナエレメントの固定用に活用することにしました。4つある皿ネジ穴のうち、1つだけを使用しました。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 2
Nコネクタの裏側です。ここでは高さを微調整するためにワッシャーを挟み、その上に圧着端子をしっかり固定しました。この作業により、安定した接触を確保できます。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 3
直径3mmの銅棒を圧着端子に通した状態はこんな感じです。今回は運良く銅棒を入手できたため、これまで使用していたアルミ棒から変更しました。棒の素材で実際の電波受信にはそれほど影響はないと思いますが、せっかくならということで「銅の方が良いよね」という自己満足です。ちなみに、銅棒はアルミ棒に比べて硬く、少し重さを感じます。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 4
給電部となる圧着端子に銅棒を通した状態で、設計寸法通りに曲げていきます。もう一方の給電部は、圧着端子を使わずに銅棒のU字部分がNコネクタの芯線と接触するように工夫しました。(上の写真のような形です) 給電部になる圧着端子に銅棒を通した状態で設計寸法通りに銅棒を曲げる。もう一方の給電部は圧着端子ではなく銅棒のU字近くでNコネクタの芯と接触する。(上の画像のようになる)

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 5
アンテナ設計においては、給電点側のエレメント長は69mm、U字部分の幅は銅棒の中心から8mm、そして長いエレメントの長さは150mmとしました。
銅棒を曲げて作るため、8mm幅と69mm部分はやりなおし無しで一発でしっかりと曲げる必要があります。調整は給電点の位置と、長いエレメントの長さで行いますが、共振周波数の調整には長いエレメントの長さ調整が確実です。そのため、最初は160mm程度の長めにカットし、測定をしながら少しずつ長さを調整します。
削る際は、1mm以下の単位で少しずつ削り、測定を繰り返します。最終的には0.1mm単位で微調整を行うと良いでしょう。今回は銅棒の曲げ作業が設計通りに上手くいったため、長いエレメントは予定通り150mmで仕上がり、見事に1090MHzで共振しました。(これだけスムーズに進むのは、かなり珍しいことです)

ADS-B 1090MHzアンテナ 測定 1
エレメントを削って調整している最中です。右側のチャートに赤い線で表示されているのはSWRです。このグラフでは、1040MHzから1140MHzまでの100MHz範囲のみを表示しています。そのため、V字型の放物線のようなグラフの底の部分だけが確認できます。この底の部分をトレースすることで、最もSWR値が低い周波数を見つけることができますが、これだけでは自信を持って判断できません。そこで、右チャートに青い線でMAGも追加表示して、より正確に状況を把握することにしました。
写真では、1085MHz付近で共振が確認できます。しかし、ADS-B用の1090MHzで正確に共振させるには、エレメントをもう少し短くする必要があります。つまり、さらに慎重に少しずつ削ることで微調整を行います。

ADS-B 1090MHzアンテナ 測定 2
1090MHzで共振させた状態です。右側のチャートでは、青い線のMAGが谷の深さに変動が見られるものの、谷の位置が横方向に動かないことを確認します。(もちろん、給電点がしっかりと固定され、エレメントに何も触れていないという条件下での話です。)また、左側のチャートでは、赤い点が予定通り中央の50Ωの位置にあります。これで基本的にはアンテナが完成したと言えますが、後でケーブルやサージアレスタなどの周辺機器を接続し、実際のチューナー設置場所で再度測定を行い、確認する予定です。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 6
今回は、銅棒を曲げて作ったアンテナに、約2メートルのLMR400ケーブルを接続しています。このLMR400ケーブルは、太さが単3電池に近いサイズで、「がとらぼ」の中の人が扱った中では最も太い同軸ケーブルです。しかし、FlightAwareの「高度な設定のためのオプション設定」のアンテナの項目を見ると、15メートル未満であればLMR-240、15メートル以上であれば少なくともLMR-400を使用することが推奨されています。ということは、無線の世界ではこの程度の太さのケーブルはそれほど大きい方には入らないようです。
とはいえ、今回使用している2メートル程度の長さであれば、実際のところそこまで高価なケーブルにこだわる必要はなく、RG-58/U程度でも十分なはずです。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 7
ケーブルを接続した際の様子がこちらです。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 8
ケーブルはアンテナのエレメント付近では水平に保たれています。Nコネクタとケーブルの接続部分は融着テープでしっかりと巻き付け、その上からビニールテープで保護しています。また、アンテナエレメントを支えるための圧着端子は、しっかりと「かしめ」た後、さらにハンダ付けを行いました。コネクタの芯部分も同様にハンダを使用しています。しかし、エレメントが銅製であるため、90Wのハンダこてを使っても熱が逃げてしまい、なかなかハンダが乗りませんでした。何とかハンダがついてもすぐに剥がれてしまうため、かなり手間取りました。最終的にはジェットライターを使って熱を加えましたが、少し焦がしてしまいました。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 9
過去2年、冬の年末になると、寒さも厳しい中でADS-B受信セットが静電気の影響と思われる損傷を受けました。そこで、今年は予防策としてサージアレスタを設置することにしました。選んだのは、両側がNコネクタ仕様のもので、アース線には直径5mmの銅ケーブルを使用しています。雷が直撃すればこのケーブルは溶けてしまうかもしれませんが、予算の都合上、今回は「雷が落ちない」という前提で進めることにしました。とはいえ、通常の静電気対策としては十分だと考えています。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 10
サージアレスタにはN-SMAアダプタを取り付け、その先にRTL-SDRチューナーを接続しました。アンテナの設置後、チューナーを接続する前に、NanoVNA V2を使って最終測定を行い、アンテナの状態を確認しました。結果は、以前のアンテナ製作時とほぼ同じであったため、安心してチューナーを接続して設置を完了しました。写真には映っていませんが、実際にはN-SMAアダプタの部分を防水ケースで覆い、チューナーはそのケース内に保護されています。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 11
設置作業の様子をスマートフォンで撮影しましたが、昼間の逆光のため、スマホのフラッシュを使用しても効果が薄く、少し見づらい写真になってしまいました。このようにアンテナを取り付けた際には、アンテナ給電部側のNコネクタの金属部分が他の物体に触れないよう注意しました。また、使用したLMR400ケーブルは、これまでのケーブルに比べて非常に安定しており、その特性がブレにくいという安心感があります。重さは少しありますが、その分、信頼性が高いと感じました。

ADS-B 1090MHzアンテナ作り直し 12
7日間のADS-B受信状態の推移を確認してみました。グラフ上の紫の縦線はアンテナ交換を示しており、左側が交換前、右側が交換後のデータです。一見すると受信状況に大きな変化はないように見えますが、実際にはADS-Bメッセージの受信数が増加しています。また、信号強度のグラフでは、ノイズフロアが-20〜-25dBFSから-25〜-33dBFSに下がっています。meanやpeakの値も下がっています。このデータの見方についてはもう少し勉強が必要そうです。

今回は前回と同様にLNA (低ノイズ増幅器)を使わず、さらにバンドパスフィルタも外した状態で運用しています。この状態でしばらく運用し、影響を観察してみるつもりです。現時点では、携帯電話の電波などの影響は予想していたほど受けていないように思えます。もしかすると、LNAがない場合はバンドパスフィルタも必要ないのかもしれません。

新しいアンテナを設置したばかりで、まだ全体の状況はつかめていませんが、日本海側の若狭湾方向では、周囲の建物や地形上の障害物が少なく、300〜340km先の航空機を難なく受信できています。東北方向では、過去最大時にはLNAありで浅間山周辺(軽井沢、下仁田)まで見えていましたが、現時点では少なくとも50km手前の松本付近までの航空機が受信可能です。

2022年4月10日追記:
軽井沢や下仁田上空の航空機まで見えることが確認できました。これは、LNAありの時とほぼ同等のカバレッジです。LNAありの時よりも受信できるADS-B信号の数は少ないですが、LNAなしでは過去最高の性能を発揮しています。

関連記事:
Up