古い車の原状回復 風切り音を静音化 前編

古い車の近代化改修 風切り音を静音化 前編 前編
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ここまで車の静音化を進めてきましたが、フロントフェンダーの対策を行ったあたりから、車の側面で発生する風切り音が気になるようになりました。一般道ではそれほど目立たないものの、高速道路を走行すると明らかに耳につきます。
おそらく以前から風切り音自体は発生していたものの、車内の静粛性が向上したことで、相対的にその音だけが強調されて聞こえるようになったのでしょう。そこで今回は、車体外側から見て隙間が確認できる部分をモールで塞ぐことにしました。対象は左右のドアです。次回はボンネットとリアハッチを予定しています。なお、ボンネット周辺の隙間は風切り音とは直接関係ないと思われますが、ついでに施工します。

ネット上の情報を見ると、エーモンの「静音計画」シリーズを使っている例が圧倒的に多く、その次にアマゾンの中華モールが続く印象です。しかし、「がとらぼ」ではメジャーであったとしても高価なエーモン製品は使いません。
中華モールを使うなら、アマゾンで買うのは無駄に高いので、いつものようにAliExpressで購入することにしました。価格が安いため、必要になりそうなものは遠慮せずまとめて注文します。最近は3点以上購入するとエスポ便になることが多く、配送状況が悪くなければ注文から到着まで10日以内で届くことがほとんどです。

後席ドアの前縁部に挟み込むタイプのe型モールです。前席ドアと後席ドアの隙間から発生する風切り音を抑える目的で使用します。右ドア用と左ドア用が1本ずつ入った2本セットです。 多くの車種に対応する汎用品ですが、モール自体に厚みがあるため、車によっては半ドアになったり、ドアが完全に閉まらなくなる可能性もあります。このモールは両面テープを使わず、後席ドア前縁のレール部分に挟み込むだけで固定できるため、合わなければすぐに取り外せるのが利点です。なお、前ドア後縁に取り付けるタイプではないため、ドアパンチ対策にはなりません。
Bピラー上部に貼り付ける太めのモールで、ドアの窓枠付近から侵入する風切り音を抑える目的のものです。右用と左用がつながった状態で届くため、中央で半分に切断して使用します。
D型モール大・小、P型モール、Z型モールが、それぞれ長さ別で選べます。価格が安いため、油断して買いすぎないよう注意が必要です。ただし実際の施工では、想定よりも多く使用することが多く、結果的に足りなくなるケースも少なくありません。
この記事では、ボンネットのガラス側に使用したS型モールです。もともとはリアハッチのドアヒンジ側にある大きな隙間を埋める目的で製品化されているようですが、車種によっては隙間が大きすぎて幅が足りないことがあります。
この記事(の次の記事)のようにボンネットのフロントガラス側に使用するのであれば、幅が足りるケースが多いと思われます。ただし、曲げて施工するとモールが波打ちやすい点には注意が必要です。

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2026年最初の買い物として、元日にAliExpressで注文したところ、1月5日にエスポ便で到着しました。一般的な小物としては、これまでで最速かもしれません。

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数種類を複数個まとめて購入したため、外装だけではどれがどのモールなのか分かりにくい状態です。

後ドア前縁にe型モールの取り付け

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後ドアの前縁に取り付けるモールです。ゴムスポンジ自体は非常に柔らかいものの、「e」型全体としては厚みがあるため、やや硬めに感じます。後ドア前縁の飛び出したレール部分に押し込むだけで固定でき、両面テープは使用しません。

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D型モールの小サイズです。高さはおよそ1cmで、「D」型の平らな面に両面テープが貼られています。この両面テープはかなり強力で、赤い剥離テープを剥がすのに意外と手間がかかります。
汎用モールとして使い勝手は良さそうですが、実際には用途が限定されがちで、使いどころに悩む存在でもあります。価格が非常に安いため、余らせてもあまり惜しくはないでしょう。なお、大サイズのD型モールもありますが、さらに持て余しそうだったため今回は購入していません。
両面テープ付きモールには「助粘材」が付属しますが、これは貼り付け面の油分を除去するためのウェットシートです。

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Z型モールです。今回の施工では予定外に最も多く使用しました。長さあたりの価格で見ると、他のモールよりもさらに安価です。
幅がやや狭いため、大きな隙間には不足することがあります。また、ゴムスポンジが薄いため破れやすそうで、施工直後は問題なくても、時間の経過とともに劣化する可能性は高そうです。

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Bピラー上部に貼る厚手のモールです。中空構造のため、見た目ほど硬くはありません。両端が閉じた大きなD型モールと考えると分かりやすいでしょう。 右用と左用が一体になっているため中央でカットしますが、1本(左右分)で109cmと意外に短く、ドアガラスの高さがある車では長さが足りない可能性があります。1本あたり600円台と安価なので、Bピラーの上部が長い車では2本購入しておくと安心です。

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Z型モールと似ていますが、「へ」型ではなく「)」型のS字モールです。幅もZ型モールよりやや広めです。 本来はハッチバック車の屋根(ヒンジ側)の隙間を塞ぐ用途を想定した製品のようですが、その用途では幅がやや不足するかもしれません。うちの車では一応端まで届きましたが、走行中に安定して隙間を塞げるか不安だったため、ボンネットのフロントガラス側(カウルトップ側)に使用しました。
写真の左がZ型モール、中央がS型モールです。

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後ドアの前縁部に取り付けるモールです。水が侵入しないよう、丸く閉じている側の端を上にして使用します。後ドア前縁にはレール状に飛び出した鉄板があるため、そこに「e」型モールの隙間部分を押し込みます。このモールは「e」の形の上側が車外側になる向きで取り付けます。
後ドア前縁のレールは上下端がやや短く、上端は写真の位置から約4cm下までしかありません。車種によっては、モールの上端を2〜3cm下げないと安定しなかったり、ドアが閉まらなくなる場合もあります。この写真ではかなり高い位置に設置していますが、このドアでは問題ありませんでした。ただし、反対側の運転席ドアでは、この高さだとモールの閉じたヘッド部分が前後ドアに挟まれて捲れてしまったため、2cm下げた位置に取り付けています。実際のドア隙間の広さによって変わる部分です。

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多くの車のドア外板は、前から後ろに折れ曲がることで強度を持たせています。後ドア前縁のレールもこの折れに沿っているため、モールもその形状に合わせてはめ込みます。
このとき、引っ張りながら嵌めるとモールが浮きやすくなるため、上から施工する場合はモールを上方向に寄せるようにしながらレールに押し込むのがコツです。

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ドア最下部には再びレールが無い部分がありますが、レールが途切れた位置でモールを切るのではなく、ドア下縁に合わせた位置で切断します。

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一番上はレールが無い位置にモールのヘッドが来るため、何もしないとグラつきます。ドアの開閉時に動くことで、モールが外れる可能性もあります。
そのため、ゴムを貼り付けられて接着力の強いカーペット用両面テープや、屋外用で耐候性の高い両面テープを併用します。

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モールのヘッド部分を押し付けてしっかり圧着します。両面テープは貼り付け直後は接着力が弱いことがあるので押し付けた状態で24時間ほど置いておくのが良いでしょう。

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助手席側のドアを閉めても、モールは安定しています。むしろ、ドアを閉めることで適度に圧着される状態です。これ以上隙間が狭いと、モールのヘッドが捲れてしまいます。

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前ドアを閉めた状態のドア隙間です。左が助手席ドア、右が後席ドアで、モールの半分以上が前ドア側に隠れる形になります。

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運転席側は助手席側よりもドア間の隙間がわずかに狭く、高い位置に取り付けるとモールのヘッドが捲れてしまいます。そのため、助手席側より約2cm下げた位置に取り付けました。結果的に、外板にほぼ沿う自然な位置になっています。

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運転席側のドアを閉めました。モールヘッドを2cm以上下げたことで、捲れず安定しました。また、この位置であればレールが無い部分も最小限となり、グラつきもありません。
後ドア前縁に取り付けるモールの施工は以上です。

Bピラー上部の太いモール

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うちの車では、Bピラー上半分の中央に黒いシートが貼られていました。そのため、塗装面に直接モールを貼る必要がなく、心理的に少し気がラクです。写真の赤枠部分にモールを貼ります。赤枠の上端がやや下に見えますが、実際には可能な限り上端ぴったりに合わせて貼り付けます。

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Bピラー上半分に貼る太モールは、左右一体で全長109cmあり、両端は丸く閉じられています。この丸く閉じた部分がモールヘッドとなり、Bピラー取り付け時には上側になります。
また、丸い端には「L」「R」の表記があります。通常はLを左、Rを右に取り付ければ問題ありませんが、このモールの断面は左右対称ではなく、やや偏った形状をしています。
後ドアを閉めた際、急斜面側が当たるとモールが押しのけられやすいため、なだらかな斜面が後ドア側になるよう向きを逆にしました。その結果、表記とは反対側への取り付けになります。

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太モールをBピラー上部に仮置きします。前後ドアの隙間がモールの中央付近になる位置が目安です。
特に後ドア前縁がドア閉鎖時にどのようにモールに当たるかをよく確認します。後ドアは閉まる際に後ろから前へ押す動きになるため、モールが後ろ寄りすぎると強く擦って剥がれる恐れがあります。一方で前寄りすぎると隙間ができ、施工の意味がなくなります。
前ドア後縁は上から押さえる動きなので、密閉を妨げない位置であればそれほど神経質になる必要はありません。
そこで、写真では助手席側(左)で、モールヘッドに「R」と書かれた側を使用しています。

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ドア中段付近です。窓下のドア外板がピラーに近づく位置まで太モールが届いていれば問題ありません。
うちの車では、Bピラー上部の黒いシートよりやや下がモール全長の半分程度だったため、その位置でカットしました。黒いシートに合わせて切断しても問題ないでしょう。

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位置が決まったら、養生テープやマスキングテープで仮固定し、上端または下端から両面テープの剥離紙を剥がしていきます。
モールをピラーに押し当てたまま、剥離紙を横方向に引き抜くと、位置ズレを防いだまま接着できます。

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前後ドアの隙間の最上部です。ドア上縁のウェザーストリップと太モールが密着し、しっかり密閉されています。

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ドアの窓がある高さの前後ドアの隙間です。太モールがドア縁に当たっていますが、中空構造で柔らかいため、当たりはやや弱く感じます。ここにはZ型モールを追加する予定です。Z型モールを追加しても、ドアの開閉には支障ありません。

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助手席側の後ドア前縁に取り付けたe型モールが太モールに当たって少し変形しますが、当面はこのまま様子を見ることにします。

Z型モールでドアの隙間埋め

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年式の古い車のため、ウェザーストリップがヘタって密閉性が低下しており、特にドア下側は空気がスカスカと抜ける状態です。一方で、ドア上縁側はまだある程度の密閉性が保たれています。

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ドア縁にZ型モールを取り付け、ドアの隙間を埋めます。新幹線の車両間にある全周ホロが空気の流れを整えて風切り音を抑えるのと、似た効果を狙っています。 ただしZ型モールはサイズが小さいため、取り付け位置を誤ると隙間が残ったり、はみ出しすぎたりします。そこで、短く切ったZ型モールを使い、適切な位置を探ることにしました。

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ドア下縁に短く切ったZ型モールを仮付けしました。まずは、ドアエッジの凹凸にZ型モールの山折り部分が沿うように配置します。ドアを閉めて、どの程度隙間が埋まるかを確認します。(次)

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Z型モールの幅が狭いため、ドアエッジの凹凸に合わせて貼ると、隙間を完全に埋めるには長さが不足しました。隙間が残るようでは、モールを貼る意味がありません。

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数mm下げた位置にZ型モールを貼り直しました。ドアエッジの凸部分にZ型モールの両面テープが当たる位置です。この配置では、Z型モールの山折り部分とドアエッジの間にわずかな隙間ができます。

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ドアを閉めると、Z型モールの先端が隙間の対向側に当たります。理屈では、先端が外側に向いて隙間を塞ぐはずですが、実際にはドアを閉めた反動で内側に曲がることもあるようです。
ただし、これはモール幅が短い場合(写真では約1cm幅)に起こりやすく、ドア全長にわたって施工した場合は、先端が内側に向きにくい傾向があります。

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前ドア後縁にもZ型モールを施工しました。これにより、後ドア前縁のe型モールにZ型モールが当たり、隙間が完全に塞がれます。
モール無しの状態と比べると、ドアの閉まりはやや重くなり、弱い力では半ドアになることがありますが、通常の力で閉めれば問題なく閉まります。

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前ドア前縁です。フェンダーパネルとの境目の隙間を埋めます。前ドア前縁のエッジにZ型モールの両面テープを貼り、山折り部分が隙間に当たるようにしました。 写真では問題なさそうに見えますが、実際には当たりが弱く、横風を受けるとモール先端に隙間が生じます。この状態では施工する意味がないため、ドアエッジ内側への施工は見送りました。

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試行錯誤の結果、Z型モールの向きを反転させ、フェンダーパネル側のエッジに施工しました。モール先端がドア外側に出る形ですが、ドアを開閉しても形状が維持されます。
ただし、モール先端がやや外向きになるため、モールが飛び出して見えます。見た目の好みは分かれるでしょうが、フェンダーパネルとドアの隙間を確実に埋めるという目的は達成できます。
なお、フェンダーパネル上部は壁状の形状になっており、Z型モールは貼れません。この写真のように上部を開けて施工すると、外観は明らかに不自然になります。

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ドア下縁のZ型モールと、フェンダーパネルと前ドアの間のZ型モールが接続する部分です。Z型モールの向きが異なるため、一続きにはできません。また、角の曲率が小さいため、仮に向きが同じでもZ型モールを連続施工すると浮いてしまいます。

古い車の近代化改修 風切り音を静音化 前編 35
写真は運転席側の前ドアとフェンダーパネルの境目です。右が車両前方です。フェンダーパネル上部は壁形状のためZ型モールは貼れませんが、D型モール小であれば貼り付け可能です。
形状の異なるモールを並べると見た目は良くありませんが、隙間を埋めることを優先し、Z型モールの上側にD型モールを追加しました。D型モールの膨らんだ側は車両後方に向けています。

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前ドアを閉めると、写真のようにD型モールは潰れて横方向にはみ出します。見た目はともかく、隙間を埋めるという目的は達成できました。

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後ドア後縁とクォーターパネル(リヤフェンダーパネル)の境目です。前ドア後縁と同様にZ型モールを施工しました。ドアを閉めると、Z型モールの先端がわずかに車外側へ出ますが、不自然に立ち上がるわけではなく、見た目は比較的自然です。

古い車の近代化改修 風切り音を静音化 前編 38
後ドアは大きなカーブを描いて下縁へ続く形状のため、そのまま一気にZ型モールを施工しました。カーブが緩やかなので、モールが捲れたり浮いたりせず、綺麗に仕上がります。
Z型モール単体では隙間を埋める効果はありますが、反発するクッションになるほどの厚みはないため、ドア開閉への影響はありません。ただし、ドアエッジが約1cmゴム状になるため、乗り降りの際に触れると違和感はあります。

ドアの隙間からウェザーストリップ外側を空気が流れることで風切り音が発生しますが、その対策は基本的に隙間を埋めることに尽きます。
とはいえ、ドア周囲の隙間を完全に塞ぐのは手間がかかり、思い通りにいかないのが正直なところです。だからこそ、メーカー段階では施工されていないのでしょう。それでも、風切り音を抑える手軽な方法の1つであることは確かです。
うちの車のようにウェザーストリップがヘタって、車内外を空気が自由に行き来している状態であれば、ウェザーストリップの交換や、チューブ部分に芯を入れる対策も必要になります。純正ウェザーストリップは1ドアあたり1〜1.5万円と高価なため、芯を入れる方法が現実的でしょう。

次は、ボンネットとリアハッチにモールを取り付けます。

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古い車の近代化改修 低グレード車をフロアの静音施工で超高級車並みの静けさに 後編

中編では、座席やコンソールボックスを外しフロアカーペットを剥がして車内を丸裸にしました。今回はいよいよ制振材と遮音シートを施工して車内の静音化を行います。することは多くなく、写真も少なめですが、ここから丸1日近くの時間がかかります。今回は年末休暇を利用しましたが、独りDIYでフロアの静音化を行うのであれば連続した2,3日を確保しておいた方が良さそうです。

制振材はこれまでと同じものを使用しました。ブチルゴム層とアルミシート層で構成された製品で、サイズは46cm × 5m × 2.3mmのロール状、重量は約10kgあります。耐熱温度は-15℃~130℃という仕様のため、夏場に高温になる車体外板に貼っても、剥がれ落ちる可能性は低そうです。たくさんある制振材の中からこの製品を選んだのはこの耐熱温度が高めであることです。
アルミシート面には塗装と凹凸模様が施されており、圧着状態を視覚的に確認しやすくなっています。制振効果を最大限に引き出すには、鉄板にしっかり密着させる必要があり、模様が潰れる程度まで強く圧着します。ただし、その分施工後の見た目はあまり良くありません。美観を重視する場合は、表面が平滑なタイプの制振材を選ぶのも一案でしょう。 ブチルゴム面は粘着層になっており、剥離紙を剥がして鉄板に直接貼り付けます。剥離紙は破れやすく、手がゴム成分で汚れることがあるため注意が必要です。また、アルミ層は薄く硬いため指先や手の甲が傷だらけになります。切り出し作業では軍手などを着用して手を保護した方が安全です。
遮音シートには、大建工業の遮音シートGB03053E (940SS)を使用しました。サイズは940mm × 10m × 1.2mmで、重量は1巻あたり約19kgあります。住宅の壁や床向けの建材で、車専用品ではありませんが、遮音性能と価格のバランスに優れています。 940SSは黒いゴムのような見た目ですが、素材は塩化ビニル系で、ゴム特有の強い臭いはありません。同じ大建工業のGB0307 (455H)は本物のゴムシートで遮音性能はさらに高いものの、狭い車内で使用するとゴム臭が気になる可能性があります。

制振材の施工

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フロアカーペット、フェルトパネル、発泡スチロールパネルを外した後、清掃と脱脂を行いました。制振材施工において、この工程は非常に重要なため、時間をかけて丁寧に行います。狭い車内なのですぐ終わると思っていましたが、実際には1時間以上かかりました。
長い時間素手でシリコンオフを使ったところ、手がひどく荒れました。脱脂作業では手袋の着用を強くおすすめします。

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フロア後方です。写真中央上に小さな黒い四角い制振材が写っていますが、この車でメーカー施工されていた制振材は、この右後部の1箇所のみでした。反対側の左後部にはなく、特定の振動を抑えたかった意図が感じられますが、この面積では効果は限定的でしょう。

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制振材を施工しました。写真は助手席側です。ダッシュボード下のフェルトマット下にも、手が入る範囲で制振材を貼っています。制振材は可能な限り隙間をなく貼り、フロアの95%以上をカバーしました。
センタートンネル上部には制振材を貼っていません。ここには安全系統のケーブルやセンサー・機械部品らしきものが配置されており、詳細が不明なため、念のため施工を避けました。清掃時も触れないように掃除機でホコリを吸う程度に留めています。また、シートレール固定部にも貼っていません。

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写真は運転席側です。助手席同様、フェルトマット下まで施工しています。ただし、給油口オープナーユニットが当たるサイドシル部分、車体番号刻印部、シートレール固定部には貼っていません。また、発泡スチロール固定用の穴部分も避けています。

フロアは凹凸が少なく広く薄い鉄板のため制振材を貼ったところも叩いた音が少し響きます。しかし、制振材の上に遮音シートとフェルトまたは発泡スチロールが被さるため響きは十分抑えられる筈です。そのため、少し響きが気になっても制振材を2枚重ね貼りにはしていません。
制振材を貼っていないところを叩くとコァーンと長く響くのがわかります。

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写真左が車両前方です。前席スライドレール間(2本の桟の間)と後席足元は、鉄板が薄く平坦なため特に響きが強い部分でした。桟を含め、可能な限り制振材を貼っています。後席脚固定部周辺とリアドアのサイドシル部には貼っていません。

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フロア全体はこのような状態です。制振材施工だけで4時間以上かかりました。切り分け作業だけでなく、ローラーや丸棒で強く圧着する工程に、かなりの時間と体力を使いました。

遮音シートの施工

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遮音シートは左右2枚を前から後まで貼るという方法を検討しましたが、94cm幅のため余りが大きくなり、また一枚施工は難易度が高いと判断しました。そこで、94cm × 70cmを2枚(運転席・助手席用)、94cm × 50cmを1枚(前席下)、94cm × 170cmを1枚(後席下・横向き)の計5枚に分割しました。これで遮音シートの無駄が殆どありません。
固定には3Mのカーペット用両面テープを使用し、30mm × 15mを約1.5巻使用しています。貼り付け直後の貼り直しはしやすいですが、圧着後はよく接着され剥がしにくくなるため慎重に作業します。

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床の形状に合わせて折り目や切れ目を入れ、両面テープで固定しました。写真ではリア側がまだ未固定の状態です。

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助手席側です。ダッシュボード下の部分は、本来はフェルトマット下に遮音シートを貼るのが理想ですが、遮音シートが硬めで狭い隙間で捲るような作業が難しいため、今回はフェルトの上に施工しました。その結果、ダッシュボード奥(バルクヘッド下半分)まで覆うことができ、施工範囲はむしろ広がりました。タイヤハウス内側もしっかりカバーできています。
発泡スチロール固定用の穴は、指で位置を探してハサミで刺して切り取ります。今回使用した遮音シートは簡単に穴を開けたり切ったりできます。(逆に、折った部分が簡単に裂けるので注意が必要です)

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運転席側も同様にフェルトマットの上へ施工しました。写真では前方サイドの両面テープ固定が未完了です。

遮音シートは制振材とは異なりローラーで押し付ける作業がないため短い時間で施工できると予想していましたが、実際にはサイズを正しく測り、切ったり折ったりするのに手間取り、これも3時間近くかかっています。

戻し作業

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後席足元です。遮音シートの上に発泡スチロールパネルを載せました。制振材・遮音シートともに薄いため、発泡スチロールパネルには加工は不要でそのまま戻せました。桟にかける部分も余裕があり削る必要はありませんでした。
写真はありませんが、フロント側の発泡スチロールとフェルトも加工は不要でそのまま戻せました。その上からフロアカーペットを敷き戻します。フロアカーペットは運転席フロアマット用のフックを先に通す必要があるため、前席側から敷いていきます。

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給油口オープナーユニットの固定にはやや苦労しましたが、カーペットを戻してサイド留具に固定しました。この後は各部品とシートの復旧作業です。

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センタートンネルの上部には制振材と遮音材を殆ど貼ることができなかったので、その上に置くコンソールボックスの裏側に適量の制振材を貼りました。これにより樹脂の軽いコンソールボックスがかなり重くなりましたが、センタートンネルから上がってくるロードノイズと振動の抑制が期待されます。

フロアカーペットの清掃と戻し作業は簡単そうに見えて意外と手間取りました。当初は洗濯も考えていましたが、裏面にフェルトが貼られており、水洗いは断念しました。フェルトをゴムスポンジ系吸音材に交換する案も考えましたが、コスト面から採用しませんでした。掃除機で吸っても吸ってもカーペットに噛んだ砂が出てくるため掃除に時間がかかり、掃除とカーペットの固定に合わせて1時間半以上かかりましたが、徹底清掃ができたので満足しています。

フロアカーペットを戻した後の部品や座席の取り付け作業自体は1時間もかかりませんでした。

バッテリーのマイナス端子を外した状態で1日半放置したため、車載コンピューターは完全にリセットされました。うちの車は純正ナビからAndroidナビに換装済みなので、影響はエンジン学習と時計程度でしたが、車種によっては各種再設定が必要になる場合があります。リセット後はアイドリングで回転数が安定しない状態になるので2,30分ほど回して学習させます。

効果

フロア静音化の効果は、1日半の作業量に見合うどころか想像以上でした。エンジン停止時の静粛性から別次元で、施工前は聞こえていた外音がほぼ消え、「シーン」とした静けさに驚きます。
走行中もすれ違う車の音が明らかに違います。車のすれ違い音はドアへの静音施工の効果が一番大きいだろうと思っていましたが、フロア施工の方が変化は顕著でした。
ロードノイズも大幅に減りましたが、荒れた路面では依然として目立ちます。これはエコタイヤからコンフォートタイヤへの交換が必要でしょう。現在はスタッドレス装着中という点も影響しています。逆に、舗装の良い路面では異常なほど静かです。
一点想定外だったのは、エンジン音まで大きく低減したことです。エンジンが冷えているときを除き、2500回転以下ではほとんど聞こえず、アクセルの踏み込み始めの感覚が狂い、エンジンが吹けていないと思って強めに踏むと急加速になったり、(エンジン音の感覚では)30km/hのつもりで60km/h越えていたりと、まるで別の車に乗ってるかのような変な感じです。車の音というのは、意外と重要な情報源なのだと実感しました。
とはいえ、荒れた路面を除けば、車内の静粛性はまさに高級車レベルです。外観・内装が明らかに低グレードというか底グレード車なので、そのギャップが少し不思議ですが。

静音化が進むと、前回のフロントフェンダー周りの静音化後に気になっていた走行中の風切り音がさらに目立つようになりました。ドア周りの風切り音対策は必須です。また、ここまで来たら雨音対策として天井の施工も行いたくなります。ルーフの施工を行うなら断熱も行いたいところです。

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